6.《ネタバレ》 世に駄作は数あれど、ここまでどうしようもなくクソなのは久々。「凡作」とか「ありきたり」とか評価する以前の問題。これならまだ、少し前に見た「サイコキラー」や「ミステリーツアー」の方がマシ。こういう作品(とも言いたくない)を平気で作ってしまえる監督や脚本家の感性を疑う。
パッケージの紹介文から、てっきり「嵐の山荘」系の本格ミステリーかと思ったら、館に残る怨念が泊まっている人間にとり付いて、ダラダラと人を殺していくというだけの、何の工夫もアイデアも盛り上がりもオチもへったくれも無いクソホラーだった。
とにかく監督も出演者もカメラワークも演出もすべてにおいて「やる気」が見られない。
ストーリー自体は凡庸でも、演出や見せ方次第で、それなりに盛り上げる事も出来るはずだが、カメラワークは同距離・真正面からだけの単調極まる撮影だし、「閉ざされた別荘」というロケーションもまるで活かされておらず、「シャイニング」のような追い詰められていくような緊迫感や狂気も無し。無い無い尽くしで、もう、どうしようもない。
とにかくこういう作品で腹が立つのは、せっかく映画を作らせてもらえる立場にいながら、まったく製作者に「やる気」が感じられない事だ。金が無いなら無いなりに、脚本を工夫するなり、カメラワークを工夫するなり、いくらでもやり様はあるはず。そうした努力の跡がまるで見られない。その創造に対する怠慢な態度に腹が立つ。誰か知らんが、やる気が無いなら、監督なんか辞めちまえ!