8.この作品の原題は「河の曲がり角」。 強盗だったジェームズ・ステュアートが改心していく様子、そして更に悪に堕ちて行くアーサー・ケネディの対比。 善人顔のステュアートが強盗というのは「決断の3時10分」並に窃盗力に欠けるが、そんな男が以前は犯罪に手を染めていた・・・「人間見かけじゃ判断できない」という演出なら上手くいっていると思う。 ラスト付近の狭い幌馬車における格闘は、互いが息切れしながら争うなど生々しい。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-23 21:55:11) |
7.《ネタバレ》 グリンとコールは強盗を犯し、首を吊るされかけたという同じ過去を持つ二人。その二人が出会い、お互いがお互いの過去を知っている。旅の途中までは同じ道筋を辿る二人だったが、金鉱と10万ドルの誘惑の前にその後の道筋が分岐する。すなわちコールは欲に屈するが、グリンは屈さなかった。グリンは「人は変われる」ことを証明したのである。・・・と、メインテーマはそれなのですが、他の枝葉の要素を入れ込みすぎて終盤までどこに焦点を合わせたら良いのかがわからず、結果中途半端になってしまった印象が強いです。シチュエーション的には荒野あり町あり河あり山あり、シーン的にはインディアンありポーカーあり船上ありガンアクションあり、テーマ的には開拓者の生き方あり夢と欲の対比あり恋愛あり裏切りあり等々、本当に見せたいのは何??となってしまいました。 なお、各所の美しい風景と町からの脱出シーン、および最後の最後に作品の冒頭で吊るされかけていたコールをグリンが助けた理由がわかるという構成は良かったです。 【53羽の孔雀】さん [DVD(字幕)] 4点(2014-01-16 00:24:39) |
6.《ネタバレ》 西部開拓史の情景が網羅されている。幌馬車の旅、外輪船のゆったりとした航行、馬が川辺を走る水しぶき、あるいは、ポーカーテーブルや酒場での不意の銃撃、インディアンの襲撃を予想させる鳥の鳴き真似。つくづく西部劇ってのはあの国の神話なんだと思う。旧約聖書的な、家畜も連れての新天地を求める旅になぞらえていて、自分たちが原住民を迫害しているなんてちっとも考えてない。「改心したならず者」が「改心しそこなったならず者」を懲らしめる世界観が貫いていく。立ち直る側には農業のコミューン(地道)があり、立ち直らなかった側にはゴールドラッシュの誘惑(軽佻)がある。映画見てる間は、この旧約聖書的世界観を受け入れておこう。このコールの内心が不明なあたりがドラマとしての緊張になっている。そもそも首を吊られそうになっていたコールを主人公が救ってドラマが動き出す。その後主人公の危機を救ってくれたかと思うと変にふてぶてしかったり、この男は改心したのかどうか、というJ・スチュアートの内面の期待と疑念が交錯するドラマになっているわけだ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-31 09:46:14) |
5.何だか、ひたすらみんながワーワー騒いでいるだけで、見ていて疲れました。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-05-28 00:43:55) |
4.《ネタバレ》 ロック・ハドソンのツヤツヤした顔を見るにつけ、このヒトは一体何しに出てきたんだろう、と本筋でない部分が妙に気になっちゃうのですが、「二枚目」という言葉の語源を思い起こすと、それなりに納得しちゃったりもするのです(それにしてもこの役、時々「あ、アンタいたの」と思うくらいに存在が薄い)。さて本作、邦題が仰々しくて何やら復讐譚を思い起こさせますが、さにあらず。開拓民のオハナシで、特に後半の展開は、村に食糧を届ける一行の冒険物語、追手との戦いあり、仲間の裏切りありで、さらにはふんだんなロケ撮影による雄大な大自然の光景もあって、なかなかに楽しい作品ではあるのですが。ただ、ジェームズ・スチュアート演じる主人公が、作品の冒頭と最後にちょっと意外な側面を見せてこれが作品のミソとなっているものの、それ以外の点ではいささか平凡な優等生の座に収まっちゃってて、特徴があまり出ていない(上述のロック・ハドソン程ではないけれどね)。アーサー・ケネディとの関係も、本当はもっとダイナミックに描かれてしかるべきかと思うのだけど。そういった辺りの“薄さ”が祟り、J・スチュアートが裏切られ、取り残されようとするシーンで、いくら彼が仁王立ちになってみせてもあまり「コワさ」が無いのが、ちと残念。邦題の由来もこのクライマックスの展開にあるのだろうし、実際、最終的には結構盛り上げてくれますが……。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-07 00:46:50) |
3.《ネタバレ》 一番最初に、縛り首にされそうになってる縁もゆかりもない男を主人公が助け出すんですが、それが「え?なんで?」ていう感じで、動機が最後までわからなかったんですね。それで最後の最後になって、実は自分も以前縛り首になりかけていたんだということがわかる。あ、なるほどそういうことか、と。ただ、男が途中でグリンを裏切ったときに、グリンを殺さずに置いてけぼりにするのが釈然としない。その後めちゃめちゃビビってるし。一度助けてもらったから、義理人情みたいなものか。そうすると根っからの悪ではないようにも思えるが、その後の男は次々と仲間を撃ち殺し、かなりの暴走気味。そんなわけで少々強引さも感じたりはするのですが、酒場から船へと逃げる一連のシーンや、後半のドンパチシーンなど、クラシカルで王道なアクションを披露しその点は見ていて楽しい。そして度々映る雄大な景色。特にラストの開拓村は素晴らしい。佳作の6点。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-10-02 22:45:53) |
2.散々こき使われて馬がかわいそう・・・なにも山の上まで行って戦わなくてもいいと思うんだけど・・・。とゆうか、もともと先住民が住んでいて平和だった土地に、頼みもしないのにズカズカ入り込んできて、それに少しでも反抗した先住民は有無を言わさず殺害し、食料がなくなったといっては今度は白人同士で殺し合いをする・・・一体何なんでしょう?この人達は? 【鳥居甲斐守】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-08-15 21:53:27) |
1.「追跡モノ」というジャンルがあるとすれば、私が今までに見た映画の中で最も素晴らしいのは『明日に向かって撃て!』ですが、この『怒りの河』もなかなかです。前者が、徐々に追い詰められる緊張感とどこか抜けた雰囲気が味わえる微妙なバランスが見事なのに対し、ゴールドラッシュでべらぼうに高くなった食糧を無事、山奥の開拓地に届けられるか?そもそもこれを運んでいるジミーは善玉なのかそれとも裏切ってしまうのか…そして一緒にいるやつは?という緊張感が味わえます。普通に考えて、ジミーが悪者のはずはないように思うでしょう。彼が信じられないのは、人としてどうよ?的な見方もあるかもしれませんが、そんな常識を疑ってしまうわけのわからなさがあります。またこれまでの話とは全然違いますが、ロック・ハドソンのいいかげんさも好きだったりして。 【元みかん】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-16 03:48:12) |