5.《ネタバレ》 「カルメン故郷に帰る」の続編。田舎が舞台であった前作とは違い、カルメンと朱美の都会での生活を描いているが、カラーだった前作と違って白黒(ここがいちばん驚いた。)で、前作同様にコメディーではあるものの、前作と比べるとやや内容は暗めでしんみりとしており、続編でありながら印象はだいぶ違うものになっている。個人的にはやはり前作のほうが好きだが、前作で日本初のカラー映画を手がけた木下恵介監督だけあって本作でもカメラを傾けた斜めの画面の多用などはかなり実験的で面白いし、選挙に立候補する軍国主義の女性政治家(三好栄子)と「原爆」が口癖の家政婦(東山千栄子)のキャラクターも滑稽で強烈。また木下監督らしい政治風刺が利いているのも面白く、当時の時代性がよく出ている。しかし、木下監督はそういった当時の風潮を笑い飛ばしているように見え、時代に敏感で、その時代を冷静にみつめることのできる監督なのだとあらためて気づかされた。ひょっとしたら本作は「カルメン故郷に帰る」の続編としてよりも、それとは別の社会風刺喜劇として見たほうが面白いかもしれない。ラストがやや中途半端な印象があり、エンドマークも「第二部 完」となっていて、三作目の構想があるような終わり方をしているが、実際のところはどうだったのだろうとつい考えてしまう。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-01-30 19:47:31) |
4.「カルメン故郷に帰る」に次ぐ高峰秀子主演による木下恵介監督の人情喜劇です。この作品、前作に比べるとややしんみりしずきているものの、どの登場人物にしても、なかなか面白くて、前作ほどの面白さはないけれど、なかなか楽しめました。戦争という背景を裏手に取った感じの内容で、それにしてもあのへんてこなババアにはやられた。ところで、これ、一人のコメントもないとは、ちょっと意外でした。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2011-01-01 01:28:29) |
3.《ネタバレ》 今ひとつさえないコメディでした。前半は元気良かったのに、後半になるとずーっとメソメソイジイジしっぱなしのカルメンも観ててスッとしないし、彼女が惚れる男も典型的なろくでなしで、そんなのに手ひどく捨てられて救いどころ無し。三好栄子の男女代議士も当時は風刺が効いて面白かったのかもしれませんが、ただの変人にしか思えませんでした。笑えたのは冒頭の「せっかく捨てたのにもったいない」というセリフだけだったです。 【KYPA】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-06-09 22:38:08) |
2.これ、ドタバタしている割には話はけっこう深刻。カルメンたちの陽気さや軍国主義の女史の滑稽さにコメディーチックに作っているが、不倫だの戦争だのシングルマザーの悲壮だの見ていてどうもすっきりこなかった。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-02-22 11:18:36) |
1.《ネタバレ》 「カルメン故郷に帰る」の続編。第二部終の終わり方からしてもっとシリーズ考えてたのかなと思わせる終わり方。今回は都会が舞台で徹底した斜め撮りや若原雅夫の意味不明な芸術といい前作にも増して実験してると思う。内容のほうはほのぼの爽やかだった前作と比べて暗いというかさらに強烈になってます。カルメンの性格があまりそうは感じさせないのが救いだけど。それが逆に悲惨でもあるんだけどね・・・。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-06-06 23:34:57) |