4.《ネタバレ》 なんとも暗い作品で、観ていて楽しい気分にはなれない。
最後は希望を含んだ展開をみせて終わるものの、どこか強引で少し不満。
子供が危険にさらされて、奮起してまた日雇いで仕事を探す、という意味であろうが、日雇いで何とかなるなら、一家心中なんか考えなかったはず。
そこら辺が少し納得がいかない。
ただし、河原崎長十郎の演技は迫真に満ちており、往年の爽やかな印象とはかけ離れた落ちぶれた男をすんなり演じているのはさすがである。
それにしても、中村翫右衛門が中村翫右衛門に見えなかった!
役作りのせいか、それとも老けたせいか。
もっと小粋な雰囲気をもった役者だと思っていたので、すこし寂しい気分だ。