17.やろうとしていることは分からんでもないんだけど、そして組み立て自体は丁寧なような気もするんだけど、何か全体に薄っぺらさが漂っているのです。それも、制作側が頑張って凝れば凝るほどそうなる、という類の。これはやはり、エセドキュメンタリーですといって作っていながら、結局は極めて映画的にオーソドックスにできあがっているからなんでしょうね。よって、どこまで行っても、作品自体にハリボテ感が拭えません。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 4点(2021-11-25 01:17:42) |
16.《ネタバレ》 実際のイラクでのレイプ事件を題材に、フェイクドキュメンタリー方式でアメリカ兵が少女をレイプする前後を描いた問題作。前半の退屈さは意図的であるのは、なんとなくわかる。久しぶりに映画を観てて眠気が襲ってきた。これは兵士の感覚を体感させるためだろう。リピートされる音楽、何かが起こりそうで何も起こらない、そのうち緊張感は退屈へと変わっていく。そして突発的に起こる事件。ただ、正直に言うと、フェイクドキュメンタリー形式だけど、個人的にはリアルさはあまりなく、その後は、お決まりのクソみたいな出来事がただ退屈に過ぎていく感じでした。緊迫感や怖さ、異常さがそんなに伝わってこないし、こーゆうことはわかってるとゆう既視感から、単に嫌なものを見てるだけみたいな。僕の心の方が麻痺してるのかな。でもこーゆう映画は重要だし、ラストの実際の写真も世界がしっかり見て嫌な気持ちになるべきだとは思います。 【なにわ君】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-11-20 01:27:26) |
15.《ネタバレ》 想像の上では、見境なく行われる複数のレイプ事件についての検証だと思っていましたが、違いましたね ここで取り上げられたのは 僅か一件の検証。(僅かという言い方については かなり語弊あるかと思いますが、他に変わる言葉が思いつかない ご勘弁ください ) その僅か一件の検証について、鼻から心苦しいものだと知りながら目にする そして真実に近いのかなと思われるこの出来事を知る。僅か一件で結構。こんな鬼畜で悲惨で人間としてモラルの欠片もない犯罪事実を複数直視する事なんて苦しすぎてできない 僅か一件の事件に的を絞った価値は有るでしょ モラルを無くした人間とはもはや人間ではない 狂気の世界です。ただし、あくまでフィクション これは念頭に置いておくべきでしょう。米国民がこぞって上映批判していたのは当然のことであったと思います。 【3737】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-01-07 20:56:58) |
14.《ネタバレ》 序盤は後半の異常な事件との対比を出すためにあえて単調に撮っているようだが、眠くなってくる。 ドキュメンタリーの体裁をしたフィクションだが中途半端でかえってウソっぽく感じられた。 完全にドキュメンタリーにするかフィクションにするか、どちらかに徹底したほうがよかった。 実際にあった事件が元になっているし似たようなこともたくさんあったのだろう。 でも、本物に見せかけたヤラセを見せられているようで、少女レイプ一家惨殺に至るリアルな狂気が今ひとつ伝わってこない。 むしろ事件発覚後の事情聴取での自己弁護に、醜い人間の本性が浮き彫りにされていた。 【飛鳥】さん [インターネット(字幕)] 4点(2013-06-09 02:11:44) |
13.《ネタバレ》 この作品から伝わってくることは主に「オレ(デパルマさん)は怒っているんだぞ!」ということではないでしょうか。 …怒っている場合でも、作品として提供するとなると、そこには「オレの怒り」以外のものが注入されてエンタテインメントとして完成されていなければ、非常に痛いことになってしまうなあというのが「リダクテッド」ではないかと。 オレの怒り、それをモロに出しすぎ。 なんというか、作品としての「深み」に欠けるように私は思いました。 他人の怒りをそのまま見せられると、なんとも言いようがありません。 「そうですかあ…あなたはそんなにお怒りになっているんですね」終わり。 デパルマさんは、映画がエンタテインメントでなければならないことをちゃんと知っていますけれども、今回はそういうものは無視しました。 私はやはり映画として不特定多数の人に提供するのであれば、オレの怒りはもう少し抑えてもらいたかったと思います。 また、呼ばれもしないのによその国へ武装して乗り込んで強姦殺人をするということについて、「あの状況では仕方がなかった」とか「レイプについてはなんとも思わない」とか「殺したことだけが悪い」とかいうふうな感想を抱いてしまう一部の男性観客もいるようですから、そこまで作り手の狙いを外したおかしな感想を抱かせるということは内容に問題があるのであり、作品の作り方にももう少し工夫が必要ではないかと思います。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-19 18:08:25) |
12.《ネタバレ》 ヨーロッパの映画祭で絶賛された一方でアメリカ本国では強い反発を招いた作品ですが、映画としてはよく出来ています。とにかく素晴らしいのがデ・パルマの演出で、40年超のキャリアを誇るハリウッド屈指のベテラン監督とは思えないほどの若々しい演出を披露。最近流行りの主観的映像による疑似ドキュメンタリースタイルを積極的に採り入れ、それをいとも簡単に自分のものとして操ってしまうフットワークの軽さには驚きました。監督名を告げられずに本作を見て、これがデ・パルマ作品だと気付く人間はこの世にいないでしょう。デ・パルマについては、そのテクニックのすべてをぶち込んだ究極の犯罪ノワール「ファム・ファタール」を見た時点で「この監督は今後何も撮れなくなるだろう」と思ったのですが、まさかこのような形で戻ってくるとは思ってもみませんでした。さらに、デ・パルマ自身による脚本の出来も上々です。確かにアメリカ兵の悪い面ばかりが強調されており、アメリカ人にとっては胸糞の悪くなる内容ではあるのですが、ともかくイラク戦争というものの一側面を伝えることには成功しています。アメリカ本国であれば刑務所に入っているべき人間が従軍し、銃を持たされていること。教養がなく的確な状況判断を下せないような人間に、場合によっては一般市民を射殺することが肯定されるほどの権限が与えられていること。戦争の正当性を守るために、軍はそうした兵士たちが起こす数々のトラブルを揉み消していること。本作が公開された当初は「あまりにも誇張され過ぎている」という批判が起こりましたが、後にウィキリークスによって公開された、アメリカ兵が冗談を言いながら一般市民を射殺する映像を見るにつけ、本作の内容はイラクの実状にかなり肉薄したものだと評価できます。さらに、狭い舞台、限定された登場人物の中において、ここ10年繰り返されている報復の連鎖を伝えることにも成功しています。状況判断を誤ったアメリカ兵がイラク人の妊婦を射殺してしまう→報復テロに遭い、尊敬する上官が部下の目の前で爆殺される→兵士の中にイラク人を敵視する感情が芽生える→テロとは関係のないイラク人家庭を襲撃し、レイプの末に一家を惨殺してしまう→犠牲者の遺族がテロ組織に入り、さらに過激な報復を行う。オスカーを受賞した「ハート・ロッカー」よりも的確な作品ではないかと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2011-04-08 21:15:57) (良:2票) |
11.昨今のフェイク・ドキュメンタリーにおける手ブレ映像の流行の中にあって、この作品が素人の家庭用ビデオカメラの映像という設定にもかかわらずそのブレが極力抑えられていることに好感を持つ。でもあまりにもプロフェッショナルな構図と編集のせいだと思うんだけど、例えばああこの人爆弾でやられちゃうんだろうなとかこの人拉致されちゃうんだろうなってのが予測ついちゃう。画面がそういうふうに撮られてるから次の画が予測できちゃう。予測できちゃうことの面白さというのもあるんだけど、この場合は撮れてしまった感ってのが欲しい。で、そもそもビデオカメラ映像を模した作りにしたのはおそらくはイラク戦争の暗部をリアルに伝えたかったというのがあると思うんだけど、ドキュメンタリー映像を差し込むならまだしも全編フェイクってのはフェイクであることを強調してしまってかえってリアルじゃなくなるような気がするんだけどどうなんでしょ。あと、これだとイラク戦争の問題というよりも個人のモラルの問題のほうが大きいように思うんだけど。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-06-04 13:14:33) (良:1票) |
10.ドキュメンタリーを装う。冒頭で「フィクションです」と断りながら。これは、テレビで「良い子は真似しないように」とか「あくまでCM上の演出です」みたいなテロップを小さい字で一瞬だけ入れて“イザと言う時の言い訳”を準備しておくのに似ている。最初に何を断ろうと、作品のドキュメンタリっぽさが、ホントっぽさに繋がり、リアリティを易々と醸し出され、「コレが真実だ」ってなことになり。いや勿論、「フィクション」というメッセージは、冒頭だけでなく作中にも見られる。テレビ番組を装う場面では、実際の取材カメラではあり得ないようなカメラの切り返しが行われる。あちらこちらで、本作は「映画」として組み立てられている。うん。じゃあ一体、本作で何がやりたいんだ? 言い訳をバラマキつつ、それなりに映画を映画として成立させつつ、我々に“真実”とやらを見せてくれている、ともで言うのだろうか? “真実”って、何なのよ。曖昧だ。曖昧過ぎる。映画の物語は、その場その場に都合よく、極めて都合よく存在してしまうカメラによって、語られていく。“客観性”ということについての、なんという安直で欺瞞に満ちたエセ証明であることか。結局のところ、「映像とは映像であるが故に価値がある」、みたいな思い上がりがあるんじゃないか? 「映像の多面性」を駆使するような体裁はとっているが、ここにあるのは、ただの薄っぺらな「映像の一面性」に過ぎない、と感じられて仕方がない。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 3点(2010-02-07 09:32:40) (良:2票) |
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9.《ネタバレ》 兵士の本音や欲望や苦悩を、愛情を持って描いている。確かに兵士たちがやったことはヒトゴロシである。けれども、あんな状況に人間が押し出されれば、だれだってああいう感じになってしまうのは当たり前。たまたまあそこに行かされた彼らに赦しあれ。 |
8.「お前ら『カジュアリティーズ』の時となんにも変わってねえじゃねえか!」というデ・パルマの叫びが聞こえてきそうな映画。さらに今回はドキュメンタリーの体裁を入れることでメディア批判をも展開。かなりの気合いの入った一作。御年68歳。今になってこんなに過激な作品を撮ってしまうデ・パルマ監督は本当に頼もしい。 【8bit】さん [DVD(吹替)] 6点(2009-07-28 00:32:35) |
7.《ネタバレ》 あの兵士たちがごくごく自然に、不条理殺人・サイコホラー・スプラッタなどの犯人になってしまったように見えた。 最初は身の毛もよだつ手法で人目を引いた映画の表現はよりリアルに過激に進化し、今では古典と呼ばれる作品を見ると、いかにも作りもの感あふれて失笑することもある。感覚が麻痺し、麻痺した自分に気付かずにもっと刺激的なものを求めてしまう。 それが現実に起こっているんだよ?という危機感を感じた。 【えんびす】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-19 12:56:07) |
6.《ネタバレ》 アメリカ人がアメリカ人を徹底的に非難している映画。ドキュメンタリーは苦手でほとんど鑑賞はしないのだが、銀獅子賞につられて見ることに。序盤はおまけのようなもので、終盤は悲惨な映像が流れています。アメリカ軍人のレイプ一家惨殺事件!!この言葉だけでもインパクトがあります。あの退屈な毎日と劣悪な環境でのストレス、性的欲求も高まる中で目下であるイラク人の一人や二人レイプしてもかまわないだろうっていう気持ちが分からなくもない。現に私自身、レイプしたことには特に何も感じないし、自分自身やりかねない人間だからだ。イラクじゃなくても世界中で日常的に起きていることだろう・・・公になるかならないかの問題。私は命を奪ったことに怒りを感じているだけである。ラストの写真は非常に残酷であり、戦争の醜さが伝わる。 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-04-30 21:59:05) |
5.《ネタバレ》 我々が日常目にするニュース映像はあくまでも「Redacted(編集済み)」のものであって、それが全てではありません。この作品はその編集によって削除されてしまうような戦争の暗部を提示してくれています。 興味深い手法・内容ではありましたが、あくまで想像も入ったフィクションですので「そういうこともあったんだろうな・・・」という単純な感想以上のものは持てませんでした。面白いのは面白いですが。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-11 20:21:35) |
4.鬱になる映画。心が痛い。どうしようもなく、怒りがこみ上げてくる。上映禁止運動が起きたのか・・日本でもネットとかでやらかしてしまいそうな馬鹿な行為だ。未来永劫それが宣伝になってしまうのに。しかし、デ・パルマの表現方法を切り拓いていく姿勢はすごい。 【グレース】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-24 08:08:44) |
3.《ネタバレ》 最近のデ・パルマは不発続きだったこともあり、日本ではほとんど話題に上らなかった本作も、アメリカでは上映禁止運動が起こり、ベネチア映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞している。イラクで実際に起こった少女強姦殺人事件をベースに、デ・パルマらしい多彩な映像テクニック(兵士によるPOV撮影やニュース映像、インターネット動画を交えたフェイク・ドキュメンタリー風)により、事件の真実を炙り出す。そこには感情を一切排した冷徹な眼差しがあり、『カジュアリティーズ』以来の戦争映画となる本作でのデ・パルマの本気度がビンビン伝わってくる。生々しい映像の連続で、観た後は鬱になること間違いないが、こういう形で自国を批判できるアメリカの映画業界も捨てたものではないと思う。また、ラストに映し出されるイラク人被害者たちの写真に目線が入っているのは、映画会社から強制された「リダクト(削除編集)」であるという皮肉が利いている。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-07 12:13:14) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 ここ最近アメリカでは反戦映画が連発されているが、今作は群を抜いて厳しくアメリカ批判に徹底している。 物語の設定・構成は同じくデ・パルマ監督作の『カジュアリティーズ』とほぼ同じ。 ただし今回は容赦ない。有名な俳優は一人も出演していないし、フェイク・ドキュメンタリーの体で撮影し、生々しい描写で甘さを一切捨て去っているように思える。 気怠く退屈な長い長い検問所での任務。でもいつ現れるか分からない“敵”の為に緊張を強いられる。さらに仲間だって突然死んでしまう。気が狂いそうな生活だ。 そして目を覆いたくなるような惨劇が続き、唯一の良識人にさえも慰めはない。しかしあれほどの悲劇が続くと、故郷に帰れただけでも十分な救いに思えてしまう。 ベトナム戦争後からかなりの年月を経てようやく映画化できた『カジュアリティーズ』と違い、事件直後であり、どこまでも厳しいまなざしで戦争の暗部を描いた本作は大いに影響力のある作品だと思う。 【Sgt.Angel】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-12-17 23:00:26) |
1.うーん、すごい内容だ。アメリカ人が「こんな映画絶対見るな!!」って抗議運動するのも頷ける。セミ・ドキュメンタリーな作りでイラク戦争をネタに何作かシドニー・J・フューリーが作った映画がなんかしょぼく見えます。脚本もデ・パルマが書いてるのでほぼ彼が考えてる映画に仕上がっていると思うのだが映像がなんとも、エグイ。首切りシーンのリアルさは思わず目をそむけてしまうほどだし、いつ起こるか分からない事件に遭遇してしまうこの瞬間っていうのは自己を抑えられない気持ちもよく伝わってきます。ラストの実際の写真、で、なんか不思議な感じがしたラストの少女の写真。 ん?なんか・・、変に思えたのだが・・・気のせいかなぁ・・。 |