1.《ネタバレ》 まずこの映画は、S・クーガンという癖のある俳優が観る人にとってセーフか否かで評価が大きく分かれるでしょう。私はまあかろうじてOKでしたが、ダメならば観るのはすぐ止めた方が良いでしょう。 落ちこぼれの集まった演劇クラスの教師が、自作の脚本でコースの存続を賭けた大勝負に出るという、なんか今までにさんざん見たことがあるプロットではあります。その劇がシェイクスピア『ハムレット』の続編というか後日談だというところがまあこの映画のミソです。ところがこの映画の脚本を書いた人、シェイクスピアにも『ハムレット』にも造詣がなかったみたいで、肝心の『ハムレット』がまったく生かされていないのが痛い。M・ブルックスだったら面白い『ハムレット』のパロディを創ってくれたろうに、どういうわけか演劇だったはずなのにミュージカルになっています。そしてその続編のストーリー自体が妙にイエス・キリストを前面に押し出した様な展開で、これじゃあ『ロック・ミー・セクシー・ジーザス』という邦題にした方が判りやすいぐらいです。 まあこのミュージカルのアイデアは、『glee/グリー』を先取りしているところもあって面白いんですけど。