21.《ネタバレ》 時系列については最初どうなのかな?と思ったが、事件後の展開もそれなりに意味を持つわけであり、これはこれでよかったのかな?という気はした。江戸期の殺人物としては忠臣蔵に比べ殆ど作品化されてないという意味では貴重な作品。いろいろと勉強になった。 が、話も少々複雑なので多少の前提知識がないとよくわからないのかもしれない。そもそも幕末史に興味ない人は見ないのだろうけど。 事件後各藩が代替わりしてしまって非協力的になる展開には唸らされたが、時の運というか、水戸藩としてもそこまでのリスク管理は流石に出来なかったのだろうなと。 実行犯は殆ど死んでしまうのだが、テロリストであっても、政権が変われば汚名返上され、ヒーローになってしまうという事実がこの国にもあったという事を今更ながら知り少々驚いている。 <追記>7年ぶりに再見。その後色々と勉強して一連の流れについては把握しているので年表を辿るようなシーンの連続は少々退屈に感じた。個々の襲撃者のその後を丁寧に追った方が映画作品としてはドラマ性があってよかったのではないかと思う。原作未読なので、そこまで叙述されているのか不明だが、薩摩の有村兄弟なんかは司馬遼太郎の小説にもなってるし、脚本化の段階で取り込んでもよかったのではにのかと。ちなみに、愛人の拷問死は史実らしく、ちょっと可哀相だった。それにしても幕府や藩の捜査能力?は高いなあと。 |
20.幕末はるろうに剣心の影響で好きで桜田門外の変のことも授業で習ってもいるので知っていましたが、正直詳細については知らなかったので勉強になりました。 ただ、事件は割かし序盤なのでその後はダラダラと地味な感じなので大作主義の佐藤純彌監督作としては珍しいと思いつつ、逃走というのはいかにも佐藤純彌さんだなと思いました。特別面白いとか好きとかいうわけではありませんが(笑) alanさんが歌うエンディングテーマは良かったですが、人種差別とかではなくこういう歴史モノには日本人に歌って欲しかったというのが本音です。人種差別と言われればそれまでですが…でもただalanさんの歌が良いと思ったのも本音ではあります。 映画として人に勧めたいとは思いませんが、桜田門外の変について映画で勉強したいという人にはお勧めです。ただ、特別面白いというわけではないのでその点は予めご了承下さい(笑) 【映画の夢】さん [DVD(邦画)] 5点(2018-08-09 15:51:03) |
19.《ネタバレ》 桜田門外の変を描いた時代劇だが、事件に至る経緯がメインではなくて、大老暗殺に参加した藩士たちのその後がメインになっているのが若干の肩透かしを感じる。冒頭で桜田門外の変を描き、そこに至る経緯はそのあとの回想シーンで描かれているが、この構成が本作をちょっと分かりにくいものにしていると思うし、藩士たちの逃亡劇にドラマがあるというわけでもないので歴史をなぞるだけに終始し、純粋に物語として面白味がほとんどなく、まさしく歴史の授業で見せられる映画という感じ。いちばんの見せ場である序盤の変のシーンはけっこう力が入っているが、そこに至るまでが描かれていてこそカタルシスを感じられるのにそれは後回しなので見せ場として非常に物足りなく感じ、もっとそこを描くべきだったと思う。大作感は佐藤純彌監督の前作「男たちの大和」に続いて巨大なセットを使った撮影に見られる。キャストの中では藩士の一人を演じる生瀬勝久はコミカルな役どころの多いイメージがあるが、(今BSで再放送されている「トリック」を見ていることもあって矢部のイメージが強くなってる。)それとはまったく違うシリアスな役柄を違和感なく演じているのが印象に残る。ほか、主人公を匿う本田博太郎や温水洋一がいい味を出していた。それだけに、映画に物語としての面白味があればなあと思ってしまう。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-05-16 19:12:29) |
18.まさに史実をなぞっただけの映画。 全てにおいて淡々としており、何の感情もおきない。 NHKの歴史秘話ヒストリアの方が断然面白いと言い切れる。 完全な駄作です。 【はりねずみ】さん [DVD(邦画)] 3点(2015-10-25 17:22:11) |
17.《ネタバレ》 最初の30分ぐらいで、「変」が終わってしまい、あとどうするんだろう、と思っていたら、生き残ったものたちが、逃亡する姿が延々と描かれているだけでした。この展開、昔の東映のヤクザ映画で見たような気。。 鉄之助さん、航空機も無い時代にわずか1年足らずで、水戸、京都、薩摩、鳥取、そして袋田!すごいです。 妾さんの拷問シーンにエロティズムを感じてしまうのは、私だけ? 【たきおか4号】さん [ブルーレイ(邦画)] 4点(2014-03-22 14:59:39) |
16. 解説的な部分が長く、テンポが悪い作品です。まじめに描いているのでしょうが、面白くはありません。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-05-12 22:04:36) |
15.《ネタバレ》 明治維新の重要なプロローグであったこの事件に注目したセンスは称賛したいが、しかしそれならば、どのような動きが積み重なってこの爆発に至ったのかという点にこそ時間をかけるべきであったし、各藩の思惑などももっと整理すべきだった。また、個々の藩士の行く末や享年などもきちんと明らかにしたところは評価できるが、それぞれの立ち位置や背景や内心が描写されておらず、登場人物として尊重されていないので、字幕以外のところに意味がない。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-17 00:01:42) |
14.史実を丁寧に描いたと思います。同時に物語の部分は全く物足りません。逃亡に工夫がある訳でも心情を描く部分がある訳でもないので感情が動きませんね。もうちょっと人物や対立軸などにフォーカスしても良かったのでは? 【東京ロッキー】さん [地上波(邦画)] 5点(2012-12-09 15:01:09) |
13.《ネタバレ》 少し前に「少年H」という太平洋戦争下の少年を描いた小説があって、あの時代の少年がそんな知識を持ちえたはずがないと批判をあびたのですが、さしずめこの映画の水戸斉昭は「老人N」というところで。彼にしろ井伊大老にしろ、老中たちにしろ、あるいは浪士たちにしろ、あまりに的確な、まるで現代から研究したような(爆笑)国際情勢、国内情勢に関する知識を持ち、単なる方法論で争ってるような。 現代人に受け入れやすいような理性的な人間に描きたかったんでしょうが、かえって魅力をそいでいるような。考えれば、現代の日本って街宣車にのるようなウヨ、いまだに階級闘争を信じてるようなサヨを除いては、そんなに強烈なドグマに基づいて行動する人間があまり見当たらないから、それに合したんでしょうね。 だけれども「神州を汚す紅毛人は断固切り捨てるべき」的な人物描写にした方が、インパクトもあれば、リアリティもあったのでは。 ただ、「変」に参加した浪士たちの後日談という設定は面白かった。 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-30 21:25:54) |
12.《ネタバレ》 10番さんに同じです。 原作は吉村昭さんで何度も読み返しています。原作とは全然別物です。残念! 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 4点(2012-05-26 19:12:52) |
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11.《ネタバレ》 歴史に興味が無い人は出演者のファン以外題名だけで観ないだろう。それは置いておいて、自分は「幕末」好きだからついては行く、しかし、時系列をいじくると、より説得力が必要になると思うのだが果たして如何。井伊大老を暗殺する場面がクライマックスではないならば、単なる逃亡劇と並行して水戸が維新後長州・薩摩等のように花形藩になれなかった状況をもっと丁寧に描いてもよかったのでは。佐藤監督と相性が悪いだけかな。 |
10.時系列を入れ替える手法をとっているが、歴史的事実を元にしている本作にはあまり意味がないと思う。 襲撃シーン「桜田門外の変」以降は、関鉄之介らの逃亡劇を延々と見せられるだけで何を観て欲しかったのか正直わからない。原作が悪いのか、脚本が悪いのかはわからないが、期待したのがまずかった。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 3点(2012-01-03 21:14:14) |
9.《ネタバレ》 ドラマ性を極力排した硬派な作りが、明確な悪と善が存在しない「桜田門外ノ変」という事件の難しさを描きだしています。 幕末の水戸藩の悲劇は、尊皇でありながら主君が徳川家というジレンマを抱えたことであることがこの作品の中でも垣間見えました。まあ、明治維新に水戸藩は上手く利用されてしまったともいえますね。 そして、日本の武士道が行き着く先を示してくれただけでなく、なぜ明治以後水戸藩の名前が出てくることが無かったのかを伝えてくれる、この作品の原作者である吉村昭の「天狗争乱」を是非映画化して欲しいですね。あまりにも悲惨なので地元は嫌がるかもしれませんが。 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-12-29 16:03:21) |
8.《ネタバレ》 血しぶきが飛び交う暗殺の殺陣シーンは衝撃でした。幕末ファンとしては充分楽しめましたが、「桜田門外の変」下手人の逃亡劇というやや地味なテーマで一般受けはしないでしょうな。家をひっくり返され、我慢しつつも結局泣きじゃくってしまう清史郎に失笑…。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-12-25 00:41:08) |
7.《ネタバレ》 この監督は不思議な人だ。 妙にディテールにこだわって撮っていると思うと、これは違うだろうという部分を平気で使っている。前者は小道具などや絵の背景だが、後者は言葉だ。あの時代に「過激派か」などという文言はないだろうし、水戸藩士もタメ口に近い言葉を平気でしゃべっている時がある。 映画そのものは、大きなセットを使って、ディテールも割合しっかりしているので楽しめる。よく分からないのが、クライマックスの暗殺シーンを最初に持ってきたこと。実行者がなぜ、そのような手段をとったのかと煮詰めてから、つなげた方がよかった気がする。その辺りでちょっともったいない。 あと俳優のキャラで、ある程度その役の結末が見えてしまうのは、キャスティングが悪いのか。実力派を集めていながら、この点も惜しい。 本田博太郎はいい味を出していた。 【ろんべえ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-07-28 19:30:49) |
6.史実をたどるだけの物語、時系列を入れ替えた編集と演出だけでは、どうにもならない感じ..元ネタが面白くないのか、脚本がヘタなのか..結構、期待してたんだけどね~..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-07-01 15:14:57) |
5.《ネタバレ》 う~ん、これは何がしたかったのかな? 未読だけど吉村昭の原作なので、ある程度はドキュメンタリー的に進むとは思っていたがここまで芸の無い仕上がりになるとは…。平坦に歴史をなぞっているだけだ。幕末の動乱は池田屋や禁門の変に始まる長州藩の受難が一般的に大きく扱われるが、確かにその引き金は水戸藩尊王派が中心になった桜田門外だったのだろう。暗殺後の水戸藩内の粛清がメインストーリーだが、それを訥々と見せられても特に感慨はない。実行犯の首謀とされる関鉄之助の逃亡も地味で長い。鉄之助のキャラ描写にも魅力を感じない。いや、誰一人として魅力的と言えるキャラがいなくて、率直に退屈だった。あの暗殺が弾圧に対する報復と云うより革命的な思想を持っていたことは分かったが、やはり藩主の失脚に対する復讐色も強く感じられて、無血で大政奉還を目指した坂本龍馬らの革命と比べると思想的なレベルが低いことが分かる。つまり「桜田門外」はセンセーショナルではあっても魅力的な事件ではない。そういえば司馬遼太郎先生が、暗殺による改革は精神的に後ろ向きで暗いと仰っていた。だから、本来はエンターテイメントであるはずの映画とはマッチしない題材だと思うし、バカ正直に何の工夫もなくフィルムにしたら退屈なものになるのは必然だろう。ラストカットが現代の桜田門から国会議事堂へPANする。この事件を経て今の日本があるとでも言いたかったのだろうか。なんたる安直で浅はかな演出だろう。議事堂が映った瞬間、私には我国の情けない代議制民主主義が浮かび本作のテーマが迷走した。この感覚は私だけかもしれないが、この監督のセンスとは全く相容れない。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 3点(2011-06-08 23:57:19) |
4.《ネタバレ》 逃げ回っている時間が長いな、と感じる。事件自体は事実だし、ご本人も実在の人らしいけど、ここはモノガタリのために、もっと早い時期に「意を決っし」て欲しかった。せっかく志高く行動を起こし、仲間は潔い死を迎えた者もいるのに、なんかアメリカ的価値観という感じの「生きて最後まで努力する」みたいな生き方が、ちょっと物語の中で浮いているように見えるというか、嘘くさいというか。ま、その割には逃げてるだけだけど。 それらの分の時間を、もうちょっと事を起こさざるを得なかった政治的事情の描写か、これが後の日本の夜明けに続く様に回して欲しかった。 最後の国会議事堂は、この物語の国を思った勤王の志士たちと、今の政治の有り様を対比させたかったんだろうが、そんな必要あるか?という気がした。 後、一つなんか変に感じたのは、かごの中の井伊が刀で突かれて、血しぶきがあがる所で、カメラレンズ(プロテクタ?)に血糊がかかるところ。あそこだけカメラを意識させちゃうのは、映画の演出的にはおかしいのではないのかな? 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-06-08 22:25:17) |
3.《ネタバレ》 うーん。この映画は何を伝えたかったんでしょうかね。テロリストを賛美している訳ではないのが救いですが、ドキュメンタリー風の桜田門外の変の再現の後は、ひたすら主人公関鉄之助の逃亡劇を延々と見せられるだけ。で、結局捕まっておしまい。正直、見終わった後に何も残らない映画でした。あまり水戸藩の人間ばかり出さずに、事件の全体像を説明できる薩摩や幕府の人間も出せばもう少し面白みも出たと思いますが。あと、史実に忠実たらんと努めている割には、人の呼び名とか所作の端々に当時の作法と違うものが細々あり、気になりました。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 4点(2010-12-21 22:27:53) |
2.《ネタバレ》 ロケ地の1つである常陸大宮市で青春の6年間を過ごした小生にとって、袋田の「四度の瀧」は本当に久しぶりで、懐かしかったです。 ▼脚本の拙さからか、襲撃後の話が冗長で、館内では2ヶ所から鼾が聞こえていました。 ▼本編では井伊大老は専横独断の大老に描かれていたのは水戸藩士からの視点であったからと思います。彦根城近くの井伊が15年間を過ごした「埋木舎」を訪れ、茶室やその他、清貧な佇まいをみて、本当に誠実で、一生懸命な人であったのだなと感じたことを思い出しました。それにしても、襲撃場面の凄まじさはかなり衝撃的でした。井伊側では「柄袋を掛けていたので刀を抜けなかった」と伝えられていたことも再現されていました。しかし、その彦根藩士も生き残ったもの全てが「藩主を守れなかった」と咎められ、全員切腹させられた、との話には唖然としました。一方、水戸浪士の自決方法もほぼ形式にのっとっており、納得しました。鳥取藩剣法指南役との決闘は、それまでのダラダラした雰囲気を打ち破った引き締まったエピソードでした。昭和維新を目指した人達も、結局のところ見放されて逝った映画や物語に触れるにつけ、その熱情が現在の日本に必要なのは理解できますが、前後に「現在」を入れるのはいかにも・・・であり、白けました。 ▼俳優さんについて。柄本明:志村けんの「ばか殿」で、馬面芸者をおちゃらけて演じている人と同一人とは思えないほどの演技派で驚きました。本田博太郎:TV時代劇では、ドロドロした悪役が板についた人なのに、男気に溢れた素晴らしい演技でした。「いの」役の中村ゆり:やや斜に構えた色気は、本物の芸者?と思わせるような色気でした。北大路欣也:台詞もはっきりしており、さすがベテラン俳優と感じました。それやこれやでやや甘く6点となりました。 【亜酒藍】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-24 16:24:01) (良:2票) |