1.《ネタバレ》 待望の牧口雄二監督特集がラピュタ阿佐ヶ谷で組まれ、感激もひとしお。
期待してのぞんだ本作だが、序盤は何だか石井輝男ワールドをスケールダウンしたような内容で、ガッカリもした。
しかし終盤の展開が凄い!
それまでワイワイガチャガチャやっていたのに、お伝の首斬りシーンになると雰囲気が一変、辺り一面に雪が降り、無音となる。
それまで終始うるさい内容だっただけに、序盤とこのラストシーンの、“喧騒と静寂の対比”に思わず息をのんでしまった。
幕切れもまた素晴らしい。
首を斬られる直前は怖がって暴れていたお伝が、自分の命を救ってくれた男に首を斬られると知った瞬間、覚悟を決めておとなしくなる。
何とも人情深いお話。
ただのうるさい悪ふざけエロ映画かと思いきや、終盤での、この怒濤の盛り返し!
牧口雄二監督が、カルト映画界で一目置かれる所以を、存分に味わうことができた。