1.《ネタバレ》 ジェームズ・エルロイによる何本目かわからない汚職警官ものですが、出演者がとにかく豪華。『L.A.コンフィデンシャル』以降、エルロイ作品に出ることはハリウッド俳優にとってのステイタスとなっているようですが、ここまでのメンツは過去最高ではないでしょうか。主人公を演じるウッディ・ハレルソンはかなりのハマり具合だし、ロビン・ライトは驚くほどのいい女ぶりを披露。シガニー・ウィーバーやスティーブ・ブシェミがひょっこり顔を出す場面ではお得感も味わうことができて、俳優のみに注目すればかなり充実しています。。。
ただし、肝心のお話はかなり残念な出来でした。この映画、とにかく状況説明が不足しています。主人公が社会的にどれほど追い込まれているのかという描写であったり、ロビン・ライトが主人公のどこに惹かれたのかという描写であったりがほとんどないために、ドラマへの感情移入がかなり難しくなっています。さらには、各場面の見せ方もヘタクソ。例えば、主人公が強盗被害者を誤射するという重要な場面において、編集が杜撰で一体何が起きたのかが観客に伝わらないという間抜けなことが起こっています。俳優は揃っているだけに、もうちょっと腕のある監督さんが撮るべきでした。