3.《ネタバレ》 良心とは何か。
利にさといだけの政治家の皮を被った商人、確固たる思想はなくなんとなく
世間の空気にのるだけの新聞屋、安全な場所でおびえるだけの小市民、
己の欲に従順なだけの小悪党、力まかせだけの前時代的保安官、
見て見ぬ振りするだけの聖職者。そして性に多感な青年。
反戦気運が高まりつつある1969年のアメリカという時代背景を考えると、
この作品は当時の現代風刺にありふれている。
保安官が法やペンではなく銃で撃たれたところが、とくに皮肉が効いている。
結局は力だろと。
観るのは2度目で、1度目は昼のBSでお決まりの西部劇くらいしかなかったが、
監督がドン・シーゲルで作られた時代が60年台後半と思うと、
ただならぬ気骨のある作品だ。