67.《ネタバレ》 “Guess Who's Coming to Dinner”『夕食には誰が来るか、当ててごらん』。公開当時、人種の違うもの同士の結婚という、近い将来あっちこっちで起こるであろう出来事を、とてもわかり易くシミュレートした映画です。 映画の尺も長くないし、映画の中でもその日の夜中までに結論を出さなければいけないとあって、とても無駄のない構成になっていると思います。 前提としてドレイトン夫婦が、娘の選択に対しとても理解のある両親であり、きっと白人の男を連れてきたなら二つ返事で了承したであろうこと。そのため夫婦が悩むのは、娘の連れてきた彼氏が黒人な事の一点。ジョーイがそんな娘に育ったのは「僕の影響ではなく、あなたの教育の成果です。」なんて素敵な青年だろうか。ジョンを世界を飛び回る医師という非の打ち所のない人物にしているのも、問題点を黒人の一点に絞る意味で素晴らしい。 ジョーイの両親の出した結論も、しっかり考えた末の理想的な結論。まさに模範解答だったんじゃないでしょうか? 当時の白人たちはこの映画を“もしも自分の子供が…”と考えながら観たことでしょう。アタマの中では近所のガラの悪い黒人だったり、犯罪ニュースで見る黒人を、先入観丸出しでイメージしながら、“たとえ黒人でも、ジョンのような文句なしの青年であれば…”なんて思いつつ“こんな結論を出せる立派な親になれていれば、いいなぁ”とか、思ったりしたんじゃないでしょうか? 冒頭の、割と長く映るジャンボジェット。ジョンの両親がロスからサンフランシスコまで650kmを40分で来る時代。今朝ハワイから来たジョンは、4時間後にはニューヨークへ、そこからジュネーブに飛ぶ。その日のうちに州や国境の壁を越えられる時代。人種間の壁は、どのように越えるのか?を考えさせらた事でしょう。 上で“無駄のない構成”って書いたけど、ドロシーとアイス屋(ちょくちょく出てくるウェイトレス)のシーンの必要性は謎だった。2人ともとても美人で、何か当時の“売出中の美人ワク”とかだろうか? ドロシーはバーバラ・ランドルフってソウル歌手。ウェイトレスはアレキサンドラ・ヘイって、デビューしたての女優さんだったわ。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-03-12 23:14:10) |
66.これは、人種差別というよりも、人種が別という感じの問題だろう。 これが、日本人と白人や、日本人と黒人でも同じような問題にぶち当たる。 白人が優れているわけではない。人種が別で本当にうまく行くのか?という問題だと思う。 【シネマファン55号】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-02-09 17:06:30) |
65.《ネタバレ》 人種差別問題について実にまっとうでお利口さんな切り口。ベタといっていいくらいの良識あふれるエンディングでした。 ベタすぎて当てられる各役柄が単純で深みに欠ける感じも受けます。異人種間の結婚に反対なのは頑固な親父二人、オカン二人は「愛があるならいいじゃないの」と「女の直感型」で、当事者の娘は観ていて先行き不安になるほどの能天気。「世間」を代表する画廊の女は好奇心と偏見丸出し。 コミカルなようでいて、そうでもないどっちつかずな描き方なのはちょっと居住まいが悪い。黒人の娘の存在やアイスクリームショップでのトレイシー・ヘプバーン夫婦の一コマも何のための挿入なのかよくわからない演出です。 トレイシー親父の反対意見のその根っこが自身の偏見によるものなのか、若い二人が厳しい世間の目にさらされることを案じてのことなのか、そこをハッキリした方が良いと思うな。まあ前者なんだろうけど、ラストのスピーチでは後者の論ばかりに触れていてなんかずるいな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-12 21:23:11) |
64.《ネタバレ》 いきなり娘に結婚話を切り出されてすぐに認めてくれなんて相手が黒人でなくても出来そうにないんだが。 しかも出会って十日しか経っていないような恋で、おまけに旅立ちまで数時間の猶予しかないとなると、これで認めろというほうが無茶な話。 自分が親の立場なら相手が黒人じゃなくても冷静に考えてこんな無茶話は受け入れない。 反差別映画としてわかりやすく単純化しすぎた嫌いはあるが、王道のストーリーだし後味は悪くないので観て損はない。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-28 20:18:52) |
63.物語のほとんどが家の中で、登場人物は二家族くらい。それなのに、これだけ重いテーマで革新的なストーリーを作り上げていることに、驚きを感じます。しかも、ところどころにユーモアを添えて、殺伐とし過ぎないようにしています。この映画で取り上げられているテーマは、今日でも少なからず問題となることがあるでしょう。これを50年も前に扱っていたのですから、当時の反響は、現在の想像をはるかに超えるものだったことでしょう。不合理な問題において、力ずくで自己の主張を通そうとするのではなく、あくまで真っ正面から立ち向かい、理解を求める取り組みに、感銘を受けます。 【shoukan】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-22 23:22:39) |
62.「招かれざる客」なんて邦題がついてるけど、当時のアメリカ人種差別が酷い頃の結婚と親御さんの葛藤の話。当時の黒人と白人の結婚がいかに難しいかが伺える。私にも娘がいるが、いかに好青年だろうと世間的に差別されている人種の人と一緒になると言われたならば、同じ様に言い訳を並べて逃げ回ってそうだと思った。娘さんのお母さんも婿さんのお母さんも非常に理解があって、素敵な方だったのでこの話はハッピーエンドとなったが、なかなかこうはいかなかったんだろうと思う。非常に面白い作品。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-04-26 15:19:55) |
61.《ネタバレ》 根っからのリベラリストで、娘にも常々そういう教育を施してきたのに、 いざ自分の娘が黒人の彼を連れてくると動揺するというのがひねり効いてて面白いですね。 そして黒人女性の家政婦さんが一番反対するという展開もまた面白い。 ただまぁ、人種がどうのこうの以前に、二人は二十日前に会いました、これから結婚するんで 今日中にいいか悪いか決めてっていきなり言われても困っちゃいますよね。 相手が誰だろうと親なら困惑いたします。 向こうのご両親までやってきて、色々と話し合いする様はやっぱり引き込まれます。 特に、黒人彼とそのお父さん二人だけの腹を割った話し合い。見応えありましたね。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-06 21:48:40) |
60.《ネタバレ》 邦題から勝手にミステリーと思い込んでいましたが、中味は全然違って、きれい事を言っているいるような人たちが当事者になって初めて偏見を理解する葛藤のドラマでした。まとめかたが少し上品すぎるような気もしますが、エリート社会ですからこんなもんですか。とても面白かったです。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-07-04 19:44:12) |
59.難しさのない、ストーリーに入っていきやすい作品でした。 ジョンは素晴らしく聡明で説得力のある人物であり、当時としては非常にリベラルな考えを持つジョーイのご両親を以てしても、人種の問題が浮き出てしまう。 そんな重いテーマではありますが、ライアン司教やメイドのティリー等コミカルに盛り上げてくれる脇役の活躍もあって楽しく見られ、また演技者の細かいリアクションにリアリティと面白みがあって、見ごたえを作っていました。 時代を超えて感動できる仕上がりになっている良作だと思います。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-07-04 18:21:58) |
58.《ネタバレ》 あの娘が20分で恋に落ちるのは十分納得できるが、きっと20分で離婚してしまうんじゃないかな。 【la_spagna】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-02 23:12:14) |
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57.以前観た時に素晴らしい作品だと感じた記憶が残っていた。 今回、途中まではやや凡庸な感じがしたが、最後の場面はなかなか感じるものがある。時代を感じる映画だが、歴史に残るものだろうとは思う。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-02 22:27:32) |
56.日本人の僕にはあまり身近ではない題材を取り扱った作品でした。現実にも人種の壁を越えたカップルがたくさんいて、中には結ばれることのなかった人達もきっといるんでしょうね。そういう意味で、決してこれは特別な家庭の問題ではなく、自分にも起こりうるかもしれない話。と言えるのでしょうか。普段は「人種差別反対」と言っていても実際にそれが自分に関わる身近な問題となったら...?これは、人種差別に限ったことではなく、すべての話に当てはまることで、自分の発言全てに責任が持てるのか?当事者になったときに第三者として発言していた時と同じことが言えて、かつその行動をとることができるのか?難しいことですね...。地味で目立たないけれど、なんかいろいろと考えさせられる、いい映画でした。また俳優陣の演技も、すばらしかったです。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-06-11 13:26:11) |
55.初対面時の双方の両親の顔が当時の世相を物語っており、鑑賞中、抱えたままのやりきれない思いはラストで少し晴れました。能天気に思えた娘の言動が、ご両親の教育の賜物なのだと思うと、理想と現実の狭間で取り乱す父の姿に胸が詰まりました。見ごたえのある作品でした。 |
54.今でこそ人種違いの結婚は当たり前だが、この映画の普遍的なところは観客に対して「あなたはどこまで善人の心を持った人であるか」と言う点にあると思う。 この普遍的なテーマを会話劇で作り上げた本作はいつまでも高得点がつけられる。 シドニー・ポワチエの吹き替えで観れたことが嬉しかったが、観客に問い詰める問題ははスペンサー・トレイシー演じるフィアンセの父である。 テーマソングは名曲! 追記、改めて観たが、偽善者が高評価する究極の人種差別映画だと付け加えたい。 どうして、本作の主演女優賞に、完全な脇役のキャサリン・ヘップバーンが選ばれたのでしょうか?「夜の大捜査線」でも、主演男優賞に、助演のロッド・スタイガーが選ばれています。どれだけ「人種差別はいけないよ」とメッセージを送った映画を作っても、糞アメリカの評論家たちは、シドニー・ポワチエを選ばず、黒人俳優より白人の方が勝っていることを評価しています。☆の数は悩みました。内容は素晴らしいのに、もう一度書きますが、糞アメリカの評論は、何かしら勘違いをしている映画です。ブルース・リーの特集でも、誰かが言ってましたが、「アメリカでは黄色人種がラブシーンをするなんて存在しない」と。私は洋画を沢山見ますが、そんな差別が拭えない西洋人が大嫌いです。 【クロエ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2014-01-22 15:22:35) |
53.冷静に考えると無茶苦茶な事を言い出し親を困惑させる娘なんだが、父の最後の演説によってハッピーエンドへときれいに着地させた。地味ながら良い作品だった。プライベートでパートナーだったというスペンサートレイシーとキャサリンヘプバーンなので、娘を案じる本当の両親のようだった。撮影後スペンサーが他界したとの事。あの演説には俳優魂を感じた。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-06-25 14:47:38) |
52.《ネタバレ》 予備知識ゼロで鑑賞、見慣れていないせいが、冒頭の黒人男性と白人女性のカップルが楽しげにしているシーンにはなにやら異質な感じに見えました。と言っても洋画や洋ドラマでもほとんど見たことが無いだけですけどね。やはり今でもタブーな感じなんですかね。ぶっちゃけた話で言えば、この娘が直情的に急ぎ過ぎなければ、それなりにうまく行った気がするんだけどね、そこは置いといて面白かったです、黒人メイドさんが黒人側悪者にして激しく反対しているのが可笑しかったです。 【ないとれいん】さん [地上波(字幕)] 7点(2013-06-20 12:18:54) |
51.ほとんどのシーンが室内で撮られている、密室劇に近い作品。 人種差別を根幹にした作品だが、ファミリードラマ仕立て、かつTV映画のような雰囲気なのでとても鑑賞しやすい。 ただ物語が進むにつれ、娘とその恋人の無茶な設定が徐々にクローズアップ。 突然という流れのほうがストーリーに入りやすいのはわかるんだけど、二人を取り巻く状況はちょっと極端すぎという感も。後半からは、娘の我が儘ぶりが鼻についてしまった。 題材とアイデアの面白さ、また両親役の俳優さん二人の落ち着いた演技が見所の佳作。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-03-09 04:18:30) |
50.《ネタバレ》 一応人種差別をテーマにした映画のようですが、実際に見るとそれが意図的に隠されている。出会ってわずかな期間で結婚を決めるとか、その日の夜に男が旅立つのでそれまでに決めないといけないとか、「父親が娘を嫁にやりたくない」シチュエーションだらけ。これなら相手が白人でも逡巡するでしょう。娘が無分別にも結婚を希望しているのも、計算ずみ。そうやって父親の反応を一般化しておいて、黒人メイドの反応などで人種問題をチクチクと突いてくる。これは大上段に振りかぶって取り上げられるよりも、はるかに好感が持てます。なによりも、「差別する人間=悪」というステロタイプの結論に陥らないのがよろしい(途中で例外はありましたが)。最後に父親が認める際も、自分の若かりし頃に思いをはせるという粋な計らい。親同士の話し合い、父と息子の対話など、見ごたえがありました。主題歌も魅力的。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-02 20:13:41) |
49.この映画の中の娘と同じ年代頃に映画館で見、母親と同じ年代くらいになってDVDで見た。その間40年、映画に対する見方も変わった。若い頃は人種差別問題として映画を見たように思うし、娘の性急さがひどく気にもなった。しかし今になって見れば、すべての登場人物を受け入れることができるし、性急さにも対応できるようになったと思う。 「時がすべてを解決する」とか「決断するには慎重に考えて」は真実だろう。しかし、1時間かけてわからなければ、一生理解できないというのも真実のような気がする。 映画はそれほど濃縮された濃い内容だった。登場人物それぞれの会話に人を引きつけるだけの重みがあるし、ストーリーは予想できるのにも関わらず、観客を引き込む力が十分で、まるで舞台劇のようである。 K・ヘプバーンをスクリーンで見たのは初めてだったように思う。日本ではローマの休日のO・ヘプバーンが人気があり、キャサリンてどんな人?だったのが、さすがは米国一の女優、大スターというのを実感した。 シドニー・ポワチエについては目が怖くて最初好きでなかったが、この映画のおかげで好きになることができた。 スペンサー・トレイシーは当時はキャサリンといくつもコンビを組んだ人とは知らなかった。最後のスピーチも頼むから俺にしゃべらせてという感じで好きでなかった。 長くなったついでにもう一つ、メイドさん役の女優さんはイザベル・サンフォードという人だが、何と50歳にして初出演でありまたその演技がなかなか良い。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-30 17:39:54) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 しかし、どうですか皆さん、自分の娘が突然2週間前に知り合った男とすぐに結婚すると言い出したら、ふつう親として反対しませんか、たとえ相手が異人種であろうが無かろうが。 せっかく米国のタブーに切り込むテーマだったのに、なんでこの脚本家はこんな無茶な設定にしたのでしょうかね? 娘にしたって典型的な苦労知らずのお嬢様にしか見えないですしね。ドレイトン家の外の世間は実に類型的な描かれかたなのも、ちょっと監督の意図に首をかしげてしまいます(家政婦の親戚らしいドロシーという娘なんか、どういう狙いがあって登場させたのでしょうかね) ある意味、キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレイシーというゴールデン・カップルを再び銀幕に引っ張り出すための企画だったんでしょうね。 それにしても、キャサリン・ヘップバーンはほんと凄い女優ですね。実際に涙を流したシーンはひとつだけですが、そのシーンにいたるまで劇中ずっと涙をためた様な潤んだ眼で演じ続けているんですよ。そりゃ映画ってのは脚本の順番通りに撮影されることはまずないですから、彼女の“眼ぢから演技”は驚異的です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-30 23:22:08) |