21.《ネタバレ》 タヴィアーニにしてはちょっとノリが悪いか、と思っていたが、森の中のシンバルあたりからか、ぐんぐんのめり込んでいき、前半のいちいちが生きてくる。船の中で一つの皿を食べ合っていたのが、ラストで一つのカメラで写し合うシーンになるように。大きくイタリアとアメリカの対比があり、共同体の微温的宇宙のなかにいられたイタリアと、個人主義の厳しいアメリカが、常に両極にあって兄弟を操作している(アメリカの摩天楼が少年時代のクリスマスツリーに重なるの、その時はちょっとダサいなあと思ったが、この対比こそが本作の核心だったのだ)。そしてそれぞれの誇り、映画という現代の聖堂を築き上げたグリフィスの誇り、かたやレオナルドの末裔としてのオメロ・アントヌッティの誇り、ステッキのシーンなんか、いい。『イントレランス』のどんなスペクタクルシーンよりも、炎上する象のほうがスペクタクルだったのではないか。そして映画が「写して記録するものである」ということが、ここで生き、さらにラストの伏線になっている。本作がいいのは「映画史」に閉じてしまわず、世界史に向かって開かれていること。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-13 11:58:39) |
20.《ネタバレ》 イタリアからアメリカにやってきて、言葉の壁や数々の苦難をいつも二人の力で乗り越えてきた兄弟の物語です。親子愛、兄弟愛、映画への愛に溢れた素晴らしい作品だと思います。ハリウッド草創期の描写がとても楽しく、兄弟が作った象の美しさ、人工の光ではなく、スタジオに降り注ぐ陽の光の美しさに感動しました。また、オメロ・アントヌッティ演じる父とグリフィスが対面するシーンも良かったです。ラストはちょっと無理やり感がありますが、それでもやはり、兄弟がカメラに向かって子供達に最後の姿を納め合う姿には感動しました。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-12-25 23:58:22) |
19.《ネタバレ》 ラストにかけての展開が好きになれません。女優に恋したり、森に象の像を作るあたりはいいと思います。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 3点(2008-11-17 07:52:32) |
18.評判ほど良いとは思えなかった。 映像や音楽がとても稚拙に感じてしまった。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2007-10-08 14:38:42) |
17.監督が懐古調で映画に対する思いをぶちまける作品は世の中に数あれど、これがベストムービー。グレタ・スカッキは美人女優だったのに、もうひとつブレイクしなかったなぁ。 【mimi】さん 8点(2005-02-20 16:04:46) |
16.《ネタバレ》 タヴィアーニ兄弟の映画愛が全編に横溢する秀作。本作を御覧になるなら矢張り「イントレランス」という映画が如何に空前絶後の作品であったのか、一度は確認しておかれるべき。そこから更に古代史劇の傑作「カビリア」(1914年・伊 監督:ジョバンニ・パストローネ)にまで遡って、当時のイタリア映画が世界最高の水準にあった、という映画史的な事実にまで思いを馳せつつ観ると感慨もひとしおであろう。自らの故国がアメリカ映画界に及ぼした少なからぬ影響に強い誇りを持ってタヴィアーニ兄弟が本作を演出していることが画面の端々から伝わってくる。しかし、何よりも嬉しくさせるのは「イントレランス」という作品そのものにタヴィアーニ兄弟が寄せる深い憧憬。あの熱気に満ちたハリウッド撮影現場風景の再現(スタッフ&役者移動用のケーブルカーなど細部にわたって)は作品へのリスペクトと愛情無しには不可能だったはず。私見だが、恐らくニコラとアンドレアの二人は触媒というか狂言廻しとして利用されたに過ぎず、監督の狙いは飽くまで「職人と芸術家の等価値性」をグリフィス及び「イントレランス」スタッフに見出すコトだったのではないだろうか。もちろん同様にトスカーナの聖堂修復に人生を傾けたボナンニ家の父親に対しても。そして、そうした彼らの崇高な理念も兄弟愛も何もかもが「戦争」の狂気に翻弄されてしまう人間社会の業への憤りを。随所に印象的に挿入されるノスタルジックなニコラ・ピオヴァーニの音楽も秀逸。9点。 【へちょちょ】さん 9点(2004-12-13 05:08:01) (良:1票) |
15.ストーリーはあるようでないようなものだろう。一歩引いた視点で出来の良くない昔話をかっこつけて撮ってるようにみえた。良い悪いは分からないけどどっちかいうと嫌い。男二人の粗野な性格が疲れた。ていうか馬車馬はどうなるんだよ。むごすぎる。 【ぷりんぐるしゅ】さん 5点(2004-11-15 12:49:24) |
14.《ネタバレ》 兄弟の映画への愛を感じます。また真っ白い象の美しさにも感動します。 鳥小屋で寝るシーン、想いを寄せる女性に贈った詩など、細かいところがけっこう素敵と想います。この映画の女優さん名前忘れましたが、すんごいキレイですね。チャップリンさんでないほう。 【杏と蛍】さん 9点(2004-11-09 00:14:44) |
13.建物や路面電車など二十世紀初頭の撮影所内の様子と雰囲気を再現したのはお見事です。期待して観たんですがどうも背骨とも言える様な中心になるテーマが感じられなくて全体的に散漫な印象でした。なぜいつも自分の方ばかり貧乏くじを引かされるのかと嫌になってしまう気持ちはよく分かるが、仲たがいした二人が敵同士として参加した戦争で偶然にしかも修復した聖堂の前で出会うのはちょっと出来過ぎかな。 【WEB職人】さん 5点(2004-11-03 11:27:34) |
12.D.W.グリフィスは実在の監督で、「アメリカ映画の父」と呼ばれた人物です。4つの物語に分かれている『イントレランス』中、最も力がかけられているのが、兄弟の関わっているバビロニア編。本作では触れられていませんが、この作品は難解すぎて興行的に惨敗、グリフィスは没落します。以上の事実を踏まえますと、「バビロン」とは「栄華を誇りながら、あっさりと壊れ去っていくもの」を表していることが判ります。劇中のバビロニアやグリフィスの王国同様、映画のセットも同じ性格を持っており、壮大に作られていることが強調されればされるほど、はかない運命の哀しさ(すぐに壊されてしまう)が漂うのです。この巧みなメタファーには感心しました。ただし、それがもう一方の主題である「兄弟の同等性」とうまく噛みあっておらず、全体の完成度という点では今ひとつです。 【円盤人】さん 5点(2004-09-11 16:23:01) |
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11.ロードショーで観たのは、高校生の頃でしたね。その当時、グリフィスもイントレランスも知らず、ただ黎明期のハリウッドを描いた青春映画との印象を受けました。彼ら<主人公の2人の兄弟>は、夢を描いてハリウッドを目指し、兄弟同士の葛藤やら、恋愛やらを経験しながら、成功を手にし、自らの行く末を一歩一歩固めていきます。しかし、戦争という不条理が2人の運命を決定的に狂わせて。。。あー、僕らは夢もなければ、不条理もない。。。なんて、哀しい感想を当時の僕が残したかどうかは不明ですが、映画としては、当時のキネマ旬報ベストワン作品だけあって、わりと観応えがありました。 |
10.映画の裏方さんのお話ですが、それを殊更リアルに描こうというんじゃなくて、逆にファンタジーっぽく作ってるのがミソ。いささか強引なストーリー展開という気もしないではないですが、やっぱり面白いですね。 【鱗歌】さん 8点(2003-08-11 21:12:56) |
9.ラストが凄く切なくて,泣けた記憶があります。なかなか良い作品でした。 【北狐】さん 8点(2003-08-01 14:23:46) |
8.いい映画だと思うし、印象的なシーンも多いんだけど、なんとなく残らなかったりします。ビデオも買ったんだけど・・・。 【omut】さん 6点(2003-07-15 05:05:36) |
7.うーん、一体どうしたんだろうか、タビアーニ兄弟。こんな題材だったらきっと素敵な映画になるはず、と思ったら肩透かしを喰わされた。彼らだけではない。80年代前半頃まであれほど輝いていたオルミもベロッキオもフェレーリも、そしてベルドリッチも突然急速に光が失われていったのはなぜだろうか? 【なるせたろう】さん 6点(2003-01-04 17:35:46) |
6.淡々と切ないお話でした。映画を作ってた人ってこんなだったのでしょうか。 【鯛茶漬け】さん 8点(2002-12-20 19:35:15) |
5.いい映画だと思います。映画を題材にしたものは、監督や役者の立場で描かれるものが多いですが、これは美術担当の兄弟が主人公であり、より一般人に近い人の話です。そういう意味では結構新鮮だと思います。最後もかなり泣けます。しかし、なぜ兄弟があんなにも「同等」ということにこだわるのか?私には理解できませんでした。 【クロマス】さん 6点(2002-12-16 13:08:01) |
4.「イントレランス」を観ていないので、何とも言えないのですが映画作りにかける情熱は伝わってきました。第一次世界大戦と兄弟愛がポイントですね。 【オオカミ】さん 7点(2002-08-13 13:59:20) |
3.イタリア移民がマフィアになる「ゴットファーザー」も面白いが、これはイタリア移民が、ハリウッドの映画制作にかかわる話で、文句なしの秀作。特に前半部分が良い。 |
2.確かに名前の似ている「グッドモーニング・ベトナム」よりも、内容の似ている「ニュー・シネマ・パラダイス」よりも面白い。映画草創期の悲しいファンタジーに、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2002-03-12 22:03:39) |