26.毎日猛暑だし、四谷怪談で涼もうかと。 ・・・怖い~涼しい~極悪。 夏にぴったり。 邦画ですが字幕つけて鑑賞。 知らない言葉も漢字で見ると分かりやすい。 配信だったら字幕付きが、より楽しめます。 伊右衛門と直助の悪っぷりは見どころ。 金の為ならどんな嘘でも、つらつらと。 特に、直助役の俳優さんの自信に満ちた演技が怖かった。 伊右衛門の葛藤も物語りを深くした。 前半のドラマも見やすいが、何と言ってもお岩の変身からの後半が良し。 彩色と特殊メイクとセットと熱演。 ある物をすべて使った力業、熱意を画面からヒシヒシと感じた。 画質は劣るが、じいっと見て、その時代のものとして脳内補正する。 良さがじわじわくる名作。 【たんぽぽ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-08-01 10:14:03) |
25.《ネタバレ》 今回、同年同月公開の大映版を観た(観比べた)のですが、やっぱり今作はその「恐ろしさ」とゆーのがも~ケタ違いでしたよね。直助はひたすら単なる「悪魔」という様な(見事な)極悪人であって、んで伊右衛門だってソレに負けず劣らずな忌むべき大悪漢ではあるのですし。だからこそ、その一番肝心なお岩さんの怨念の凄まじさ・奥深さもシンプルにより引き立っているとゆーか、話の内容も恐怖描写もやっぱトンデモなく深遠で迫力の有るモノでした(特に戸板に打ち付けられて以降にトコロ構わず出て来まくるお岩さんはマジで夢にも見ちゃいそう…てなモンでして)。ただ、更により優れていると思うのは、伊右衛門を前述どおりに極めてヴィヴィッドに悪人として描くコトでその面での凄惨さ・凄みを決して損なわないながらも、多少の風味付けとして少しばかり未練や躊躇・完全に良心が欠如しているというワケではない「人間らしさ」的なモノも同時に描き込むコトを可能にし、結果としてソレが作品全体により複雑な味わいを与えているとゆーか人間ドラマとしての見応えをもキッチリ高めるコトに成功していたな…という点ですかね。結論、超レベルに強烈な(トラウマ級の)映画になっているとは思いますが、恐怖映画としてのクオリティは普遍的傑作の域(=金字塔)と言って好いモノかと思います。必見ですね。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-06-02 23:15:17) |
24.《ネタバレ》 ほぼロケーションなし。職人技を結集した完璧なセット芸に頭が下がります。良い画に仕上がっています。裏方の仕事魂を讃えます。 ただ、ホラー仕立てだが、怖さと言うより気持ち悪さが目立ってしまう。もっと怖さに比重を持ってきてほしかった。 お岩の死因は自傷?よくわからず。子供もいつ死んだんだかあやふや。セット芸に走った分、シナリオの練りが足りず無理矢理感、まあこれでいいでしょ感がにじみ出ています。シナリオ周りは残念です。 天知茂が時代劇をやると画面が引き締まるねえ。 蛇も良い芸をしております。どうやって演技を仕込んだんだろう。 【ほとはら】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-03-28 15:28:47) |
23.《ネタバレ》 『四谷怪談』の名作であり古典。天地茂が演じる【ダメな二枚目】伊右衛門はプライドの高さが災いして嘘に嘘を重ね、悪行を重ねていくワケなんだけど、自分が手を汚すことはすごく嫌がる小心者。お岩さんの毒殺を持ちかけられ、しばし絶句し、その無言の顔を夕陽が真っ赤に照らしている十数秒間は【エヴァ的】というか【北野映画的】というか。ちょっと「おーっ!?」となりました。 もろもろの悪行がすべてバレてからの怒涛のクライマックスは、個人的には『イベントホライゾン』を連想させるようなサイバーSF感すら感じさせて素晴らしかったです!そして最後に「お岩、許してくれ…」と伊右衛門は言うんだけど…そういうトコも含めて…全部ダメな男だよ…。 ラストシーンの【聖母感】、世界のすべてを洗い流すかのように清らかで美しく良いシメでした。 【幻覚@蛇プニョ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-06-13 17:23:00) |
22.恐怖シーンではハッとさせられることも多かったが、なんかヤボったい。古い映画といわれればそれまでなんだけど。天地茂先生の鬼気迫る演技は素晴らしかった。 【センブリーヌ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-06-06 19:26:33) (良:1票) |
21.あらすじを知っていても如何にも日本怪談的な因果応報な怖い話ですね。全体的に暗いシーンが多いですが、歌舞伎を踏まえた美術、効果音、演出が秀逸で日本の怪談の雰囲気がよく出ています。引いた絵も結構多いので、小さい画面で視聴すると髪型が同じだったりすると誰なのかわかりにくかったです。ダラダラ長くせず、短い尺にテンポよくまとめていたのも傑作の誉高い所以かと。 【クリプトポネ】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2019-08-04 14:46:26) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 へ~~~~、これがあのお岩さんなんや~。終盤の畳みかけるような攻撃?はすごいというかしつこいというか(苦笑)。テンポの良さと短さがナイスな一本でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-04-24 09:57:34) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 怪談映画のマエストロ中川信夫の最高傑作、クズ映画を量産して消えていった新東宝も本作を残せたことで映画史に名を残すことが出来ました。 とにかく役者・スタッフたちの気合いが映像の端々にまで行き渡っている感じです。冒頭の伊右衛門がお岩との婚儀を断れたため義父を斬り殺すところからワンカットで押し通してしまうぐらいで、歌舞伎の様式美に拘りながらも斬新なカメラの動きは時代劇の枠を超えています。要所で見せる赤色の使い方が鮮やかで、低予算ながらも色彩設計は凝ってます。怪談と言えば音響が重要なのは当然熟知しているうえでの効果音の使い方がまた巧緻で、お岩・宅悦殺しのシーンにかぶさる花火の音やカエルの鳴き声が印象深い。 天地茂の伊右衛門は、三島由紀夫が絶賛したのも納得の名演です。こういう極悪非道ながらも人間的な苦悩を見せる伊右衛門像は、それまでの四谷怪談にはなかった演出なんだそうです。お岩さんの若杉嘉津子は言うまでもなく彼女の女優人生で最高の演技、ラストの我が子を抱いて昇天してゆく姿は涙を誘います。 四谷怪談の映画化作品でおそらく本作の上映時間が最短だと思いますが、実に濃密な70分余りです。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2015-07-26 22:43:37) (良:2票) |
18.四谷怪談の映画を見るのは初めてで怪談の内容もうろ覚えでしたが十分に楽しめました。話自体も凄くおもしろくて映画の出来もいいですね。まず結構古い作品なのにテンポが凄くいい!殆ど無駄なく話が進んでいきます。主役の伊右衛門は最低最悪の糞男(笑)でお岩さんの復習劇にはカタルシスを得られますね。芸術的なカットの数々には惚れ惚れしてしまいました。 【キリン】さん [インターネット(字幕)] 7点(2013-01-21 00:59:35) |
17.《ネタバレ》 伊右衛門さんたら“鬼畜の所業・下衆の極み”って感じで、そりゃ『うらめしや~』って言われまんがな・・・ 終盤の怒涛の驚かせ方なんかは、ドリフのコントは此れを真似たのでは?と思ってしまう位。 何はともあれ、醜い顔になったお岩さんが髪を梳かし抜け落ちるシーンは、印象的な名場面であり(最近で言うと、リングのテレビから貞子が出てくるのに匹敵)、これだけでも観る価値ありかと思いました。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-12-30 06:05:23) |
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16.《ネタバレ》 ホラーであり、芸術ですね。直助を斬った後の映像が特に凄かった。ストーリーはあまり好みではない。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-07-30 22:34:22) (良:1票) |
15.だいぶ前の作品ということもあって古臭さを感じる部分がちょいちょいあったが、セットやカメラワークがかなり雰囲気を盛り上げており、脚本が秀逸でテンポが良く、とても上質な映画だった。 【eureka】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-10 17:54:20) (良:1票) |
14.かの有名な四谷怪談。 「うらめしや~」 「この恨み、晴らさずでおくべきか~」 などの名文句が聞けただけで満足。 内容は、新東宝色全開で、終始ハイテンションで疲れる。 もちろん、観ていて楽しい気分になる内容でもないし、暑さをしのげるほどの怖さも無い。 だけど、これを私が観ようと思った理由は、小さい頃のトラウマを克服したかったから。 小さい頃と言えば、その作品のクオリティとか関係なく、この手の映画が怖くて仕方なかったものだ。 中でも、この作品は有名で、子供の頃の恐怖の記憶として残っていた。 それを大人になって大人買い、、、ではなく、大人観る(?)してみた。 こうして私は幼少期の恐怖日本映画のトラウマを克服し、やっと立派な大人になれました! 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-08-21 14:32:37) |
13.日本の怪談では、たぶん一番知られているお話。 時間が短いので、ストーリーはかなり駆け足ぎみだけど、 単純なお話なのでだらだら見せられるよりは、これぐらいでちょうどいいのかも。 映画は当然脚色されており、その後、実在したお岩さんの真相を聞いて、 ホントにかわいそうな人だったんだなと実感したっけ。 映画自体はそれほど怖くはないが、今観ると、やはりお岩さんに感情移入してしまう。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-07-30 04:11:13) |
12.《ネタバレ》 鬼畜、人間のクズ、ゲス、殺人鬼の伊右衛門が、究極におぞましいメイクのお岩さんに復讐されるという、正しく、完成度の高いジャパニーズホラー。 鬱ストーリーの前半から一転、これでもかと化けて出まくる怒涛の後半戦はもはやお化け屋敷コントに見えてきて笑ってしまった。やっぱホラーはやり過ぎるくらいが良いよね。たった76分ながら濃密で怖面白かった。 夏に観たい一本。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-05-26 22:09:57) |
11.《ネタバレ》 うん、これはいいですよ。四谷怪談の詳しいストーリーは知らないのですが、この映画ではけっこう端折っているようですね。それでちょっとわかりづらい部分もありましたが、あまり大きな傷ではありません。冒頭のクレジットが劇場を使っているように、映画というより歌舞伎の舞台の再現を狙っているところがあるようで、所作や台詞回しなどにもそういうことを感じました。天知茂が時々見得を切るところは格好いいです。色の使い方も濃くてあくどい印象を受けますが、これも舞台を意識してのことでしょうか。ともかく効果を上げています。花火の使い方とか巧いです。 しかしなんといっても圧巻は、最後のシーン! 子供を抱いて昇天するお岩さんは、鬼子母神を意識したのか、はたまたイエスをかき抱くマリアがイメージにあったのか? いずれにせよ、それまでの暗くおどろおどろしい調子を一変させる、実に澄んだ美しい場面でした。これだけでも見た甲斐があったというものです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-24 11:04:03) |
10. 以前、どっかの映画評論家が「数ある『四谷怪談』の映画の中で最高傑作がこれ!」と言ってたのを覚えています。 主人公は、お岩ではなく、伊右衛門だということを忘れてはいけません。 伊右衛門に降りかかってくる数々の煩悩の誘い。私たちにも伊右衛門のような後ろめたい気持ちがあるからこそ感情移入できるのです。 低予算映画という感想がありましたが、脚本、セット、カメラワークなど、大量生産時代に作られた中では、かなり「力」入れて作ってあると思いますよ。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-23 14:24:59) |
9.なぜ直助殺しの場はあんなに感動的なのだろう。不意に隠亡堀にすべてが変わってしまうわけではない。屋内の構えはそのままで、そこに血の池ができ、葦が生え、戸板が流れ着いている。そしてそこにスローモーションで直助が倒れていく。屋内のままで外界の水が導かれている。廃墟という感じでもないのだ。タルコフスキーが好んだ設定、屋内の自然、雨が降ったりとか、あれに近いのだろうか。あと近いので思いつくのは、宮崎駿の『ラピュタ』にも、メカニックな世界の中央に草の原がしまわれているイメージがあった。なんかこういうの、外界が唐突に建物の中に呼び込まれることの驚きって、単に驚きだけでなく、もっと深い感動に通じているようなのだが、どうも私には分析しきれない。きちんとあるべきはずの屋根の下に、有機物が魔のように跋扈しつつある、ってことか。それだとやっぱり廃墟のイメージだな、それとは違うように思うんだが。とにかく私はなぜかそういうシーンになると、もうおののきながらめちゃくちゃ感動しきってしまうのだ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-01-01 12:17:48) |
8.実に見事。物語の展開がヤミクモに速く、それでいて場面のひとつひとつがしっかりと描かれ、そこには“妖しさ”と“怪しさ”が満開の、強烈な個性がある。しばしば現れる、格子越しの映像が、なんとも後ろめたいようなイヤ~な雰囲気を醸し出す。イエモンがお岩さん殺害をたきつけられ、「毒薬・・・」と呟いた後の、鳥の鳴き声(うるさ過ぎるんだ、これが)、背景の夕焼け空(赤過ぎるんだ、これが)。見せたいもの、聴かせたいものについては、多少大げさだろうと何だろうと、容赦なく我々にぶつけてくる。まさに態度に揺らぎが無い、がははは。あるいは、どうみてもユーレイにしか見えないお岩さんに「お元気そうなお姿を見て安心しました」などと言う理不尽さ(笑)。これが実に不気味。一方には『女優霊』のごとき、誰にも気づいてもらえないユーレイの姿も(?)。不気味さ、理不尽さ、哀愁、すなわち“妖しさ”。そして、アトラクション的お化け屋敷ムービーとしてのショック描写も充実。いや、見事でした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-02 22:58:57) (良:2票) |
7.四谷怪談を題材にした映画と言えば深作欣二監督の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」しか見たことがなく、ストーリーもあまりよく知らない状態だったので新鮮な気持ちで見ることが出来た。映画としては低予算なB級ホラー映画ではあるが、それでも歌舞伎のような音楽と演出がとても効果的に使われており、溝口健二監督の作品とためをはるぐらいの映像美にもあふれ、単なる怪談映画では収まりきらないような芸術的傑作になっていて正直驚いた。中川信夫監督の作品を見るのはこれが初めてだったのだが、これ一本でじゅうぶん巨匠のひとりだと感じた。出演している俳優陣も天知茂のニヒルな伊右衛門はハマリ役だし、名前は知らないがお岩役の女優もなかなか不気味で、とくに毒薬を飲んで顔が醜く変わった直後の演技はかなりインパクトがあり印象に残る。「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で荻野目慶子が演じたお梅は高笑いだけが印象に残るだけの存在だったが、本作では若き池内淳子で清楚なお嬢様という感じで良かった。何はともあれ、いかにも日本的な怪談映画でありながらそれ以上に日本的な美しさ、様式美を感じさせてくれる、そんな映画だった。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-08-14 15:25:27) (良:1票) |