3.《ネタバレ》 よくあるSFファンタジーかなぁと見ていたのですが、
この青年の恋と科学者の妻への愛は関係はなくとも繋がっていました。
悲壮感さえ感じさせない信念の科学者はとうとう卵子提供者と会えます。
この女学生役がヘミングウェイの孫娘なのですが・・(どうも外見が合わなかった)
演技的には良い役者なんですが作品がファンタジーなだけに・・
科学者の研究はさらに進み細胞は卵子を受けて育っていきます。
頭の中は妻以外考えられないし目はいっちゃってる。
あまりに幸せそうでかわいそうな人だなぁとも思えなかった。
でも妻の幻影を何度か見ちゃうんですね。
すごいリアルなうれしそうでさびしそうな表情で、
でも暗い映画では決してないのです。
コメディが半分入ってるしまあその点ではヘミングウェイは役が合っています。
科学者を好きになって告白しても相手にされず家出をしますが、
科学者も栄転になり助手も離れて行ってしまいます。
ひとりぼっちになったんだけれど妻の再生の夢がある。
助手の恋人がきれいな人なんですが彼女は脳梗塞で意識が戻らなくなります。
ここで助手と科学者の気持ちがリンクするような感じです。
呼び出された科学者は自分のある賭けをします。
これが医学の力ではないところが品がよくて好感が持てました。
海岸で決意した旅立ちはちょっぴりさびしくも優しくて感動しました。
誰もが一度は持っていた持っていた心の迷いがよく描かれている。
自分をそこに留めさせるものは妻ではあるんですが実は自分なのです。
失くしたものは帰らないから共有した自分も帰らない。
失くした=亡くしたと葬れるまで科学者は旅を続ける。
君がいた夏のようなちょっとほろ苦く爽やかな恋愛。
どうもオトゥール氏は史劇やサスペンス系が多く恋愛は珍しいので、
全く期待はしていなかったのでこれはびっくりしました。
こういったドラマは湿っぽいとかひつこくなるんですが、
メロドラマのようにならず逆にあっさりと品よくなっています。
そのときのセリフはないけれど5分くらいの哀しく幸せな表情はよかったなぁ・・
見たあとにちょっぴりさびしいけれど暖かくなれます。
たぶんもう少し整理して時間も長くしたらこれ以上の作品になっていたでしょう。