9.《ネタバレ》 マーラーの伝記映画としてのドラマ部分は、演じるロバート・パウエルが(見た目的に)ドンピシャ+かつ非常に高度に神経質そーなルックスであるコトも相まって、ごく適切にシリアスで好い感じに仕上がっている様にも思えるのです⇒とは言え、少し説明不足なきらいがあるとゆーか、そもそもマーラーの生涯の前提知識が入ってない人にはちょっと付いて行けなさそーな感じでもありますが。。 で、個人的により気になったのが「それ以外」の部分とゆーか、題材が題材だけにそのマーラーの音楽(+他、なぜかワーグナーの曲)をバックに抽象的でかなりシュールな映像を流しまくる…という方法で音楽映画としての体裁を付けて居るのですよね。んで、コレがちょっと(部分的に)シュール過ぎて、一部はどーにも全体のシリアスな雰囲気とはマッチしてなかったかな…という風に思われてしまいました、と…(だからそもそも、マーラーの人生のお話って到底笑って語れる様なヤツじゃなくね?と…)個人的にはまた逆に、コジマ・ワーグナーの辺りはも~「笑うしかない」位まで完全に振り切ってたので、ソコは面白く観れましたケドね。映画としてのクオリティは諸々と決して低くないと思いますが、同時にごく高度に「観る人を選ぶ」映画だとも思われまして、あくまで私はあまりピンと来なかった…というコトですね。やや残念です。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-03 13:07:40) |
8.なるほど。ケンラッセルの映画ってこんな感じなのか。一言で言うと独特。残念ながらドラマパートはあんまり面白くないけど、イメージパートになると、俄然映像のテンションが上がって、強烈なインパクトを残す。特に火葬される夢と、コジマワーグナーに取り入るシーンは面白かったなあ。それにしても1974年の映画なのに、全く古臭さを感じない。流行りに媚びず、己の感性で突っ走る作品は時代を超越する、その見本のような作品だと思う。およそ万人に勧められる映画ではないけど、このサイトでこんな映画のレビューを見ているようなツワモノの皆様なら、きっとこの映画の味わいを理解できるのでは? 【54dayo】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-05 10:56:16) |
7.《ネタバレ》 なんだかとっても独特な作風ですね。観終わった後軽く調べたら史実に基づいたもののようですが、マーラーって人を良く知らないから正直チンプンカンプン。。。後半はかなり暴走気味な気もしたりして(苦笑)。よい勉強にナリマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-09-10 07:29:27) |
6.約20年ぶり(!)の鑑賞。当時はたしか「三鷹オスカー/ケン・ラッセル3本立て」なんて状況の中で、頭をグルグルさせながら観た記憶がある。そのせいもあってか、「ワケワカらん」という印象しかもたなかったんだけど、今回、マーラーの曲についても史実についても当時よりはだいぶ知識をもった上で見直してみて、意外にも「けっこうまともな映画だったのね‥」と印象をあらためました。ということで、6点から7点に格上げ!DVDの特典では、マーラーの系譜のほかにミュージックチャプターもついていて、劇中に流れる音楽が誰のなんていう曲か分かるようになっていて、こういうのも便利ですネ。ケンちゃんの映像はいつもながらロック全開だったけど、マーラーの音楽も、結構ロックなんじゃないかな、と思います。一般に、奔放なイメージで知られているアルマ・マーラーがわりと貞淑で美しい女性に描かれており、反対に、献身的な女性とも思われているコジマ・ワグナーのほうは、ほとんどヒトラー同然でした(笑)。 【まいか】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-06-02 23:04:00) |
5.《ネタバレ》 我が愛するケン・ラッセル先生はとってもヘンな映画を撮ることで有名ですが、音楽家をテーマにした映画にはケンちゃんの十八番だけあってわりと出来が良い作品があります(おっと『リストマニア』っていう怪作もありましたっけ)。マーラーの生と死を描いた本作は、ケンちゃんのフィルモグラフィの中でもかなり上位にランクしたい良作です。NYからウィーンに帰る列車の中でマーラーの生涯と芸術を走馬灯のように見せる構成は、ケンちゃんの作家性と思い入れが込められていてなかなかのものです。彼は映像美にあまりこだわりを持たないタイプの映画作家みたいですけど、本作は珍しく自然を美しくとらえている映像を見せてくれます。ですけど、コジマ・ワグナーが出てくるあたりは、ケンちゃんワールドが炸裂し免疫のない人には刺激が強すぎるのですが、ファンにはそれはそれで嬉しいところです。マーラー入門としては好適な一篇です。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-12-14 21:47:00) |
4.とってもキッチュな伝記映画。 最初からケンちゃんパワー「半開」で始まる本作。(「白蛇伝説」「ゴシック」などと比べるとちょっと抑え気味ゆえに) ロバート・パウエルがとにかく良い。ケンちゃんワールドに完全にハマってます。 自分の中でケンちゃん映画は好きな作品と嫌いな作品が真っ二つに割れるのですが、本作は「割と好き」な方でした。 【せかいのこども】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-12 15:05:04) |
3.掘り出し物発見!すごく奇抜な伝記。ポジティブかつちょっと常軌を逸脱したケン・ラッセルワールドにビビッと来てしまい、好き嫌いの別れそうなシーンもワクワクしながら魅入ってしまった。音楽って、もとよりこんな次元の違うところから生まれてくるような気がするなぁ。音楽家の頭の中のカオスを見せてもらったようなこの充実感は何なんだろう。とこんな私は、小難しそうで食わず嫌いだったマーラーのCDを明日から探すことでしょう。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-27 18:39:32) |
2.奇人監督ケン・ラッセルに変人役者ロバート・パウエルの組み合わせ。不条理というかオビョーキ系。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-11-12 22:28:06) |
1.確かにイマジネーションの奔流のような作品ではあるなあ。冒頭、海辺で真っ白な繭を破り、世界と戯れる《音楽》(←っても、白いレオタード着たダンサーが演じてる)…もう何というか、ニーチェ+前衛劇のノリかも。マーラーは「この世にハーモニーはない」と言い切った音楽家(同時進行するメロディは存在するが、それが協調して和音を生み出す事はない、というコト。これはグレゴリオ聖歌の否定にもあたり、クラッシックの衰亡・ポップスオーケストラの繁栄を的確に予言していた)。当然、俺様監督のケン・ラッセルとは相性がいいのだ。キャラクターの織り成す様々な対立が、ヘンテコな客車のデザインとかの奇抜な構図で描かれるあたりに映像版「ハーモニーの否定」を感じる事ができる。ま、それでもケン・ラッセルの音楽性は『白蛇伝説』『ゴシック』でやってたロックの方だと思うけどね。鬼才×鬼才のコラボレーションは、やはりハーモニーを生み出さなかったような。あ、でもソレが狙いなんだからいいのか!(笑) 余談だけど、キューブリックは『2001年宇宙の旅』で前衛作曲家リゲティとの幸福なカップリングを実現した(冒頭のR.シュトラウスしか話題に上らないが、モノリスとコンタクトするシーンはリゲティの音楽)。同様に、マーラーにはケン。ワーグナーにはコッポラ。だが、キューブリック×リゲティ級の最大の魅力を感じさせる組み合わせはブルックナー×エメリッヒなんだよなあ…激しく見てみたい…怖いけど…。 【エスねこ】さん 8点(2004-07-20 01:12:53) (良:1票) |