6.《ネタバレ》 元々このシリーズの欠点でもあるんだけど、基本的なアイデアを生かしきれていないと言うか、「4人の使者」の目的や行動が中途半端で意味不明すぎるよな~。結局、何がやりたいのかさっぱり分からない。演出の問題でもあると思うけど、「目的不明の恐怖」を感じないのよね。回を重ねる毎に「超常の存在」としての凄味も薄れていく一方w。
見せ場である「登場シーン」にも演出面での迫力や工夫が無い。例えば針灸医院(?)のシーンでは、無数の針が人体模型に突き刺さり、その模型が実体化してピンヘッドに転生するとかさあ。もっとカッコ怖い見せ方はあるでしょうに。出現シーンはこの作品の「売り」のはず。こういう所にセンスって出るよね。
また今作に限って言えば、作品全体の雰囲気やストーリー展開がほとんど「ジェイコブス・ラダー」のパクリ。そのくせ「生と死」「現実と幻覚」と言った「境界世界」の表現が中途半端なので、自己存在を揺らがされるような恐怖感も感じない。そういう脚本構成なので、ますます「4人の使者」の存在理由が分からなくなっているw。特にピンヘッド以外は、まるっきり出番が無い。
まあ、いつも思う事だけど、やはりこういうのを見ると、この作品からアイデアを拝借したものの、オリジナルがいつまでもこんな幼稚なB級ホラーに止まっている間に、独自の世界観やキャラ(「ゴッド・ハンド」)を確立してしまった、漫画「ベルセルク」の演出センスの高さを再認識する。例えば、精神世界の存在は、現実世界に出現するのに必要な肉体として「受肉」しなければならないとか、「生贄」の必要性とか、出現シーンにも色々とインパクトのある演出や工夫が見られる。
やはり、映画に限らず、こと演出センスやアイデアの改良・発展に関して言えば、もはや日本の漫画が圧倒的に先を行っていると感じるのみ。