暁の用心棒のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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暁の用心棒

[アカツキノヨウジンボウ]
One Dollar in the Teeth
(Un Dollaro Fra i Denti)
1967年上映時間:83分
平均点:5.17 / 10(Review 6人) (点数分布表示)
アクションウエスタンシリーズもの
新規登録(2004-09-27)【やましんの巻】さん
タイトル情報更新(2020-05-15)【イニシャルK】さん
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監督ルイジ・ヴァンツィ(ヴァンス・ルイス名義)
キャストトニー・アンソニー(男優)"よそ者"
フランク・ウォルフ(男優)アギラ
ヨランダ・モディオ(女優)未亡人チーカ
ジア・サンドリ(女優)マルカ
ラフ・バルダッサーレ(男優)カルボ
ラース・ブロック〔男優〕(男優)騎兵隊将校テッド(ジョージ)
納谷悟朗"よそ者"(日本語吹き替え版)
富田耕生アギラ(日本語吹き替え版)
来宮良子マルカ(日本語吹き替え版)
加藤精三カルボ(日本語吹き替え版)
脚本ジュゼッペ・マンジョーネ
音楽ベネデット・ギリア
撮影マルチェロ・マシオッキ
製作アレン・クライン
配給東宝東和
その他ベネデット・ギリア(指揮)
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1
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6.《ネタバレ》 マカロニ・ウエスタンの「暁の用心棒」は、トニー・アンソニー扮する流れ者の一匹狼の"よそ者"が、アメリカからメキシコ政府へ貸付けされる金貨をめぐり、メキシコのフランク・ウォルフ扮する山賊のアギラ一味と争奪戦を展開するという内容の映画で、はっきり言って、かのマカロニ・ウエスタンの代表作「荒野の用心棒」の亜流作品です。

というのも、山賊一味が軍服を着てメキシコ軍に近づくのも、一味のボスが機関銃を乱射するのも「荒野の用心棒」そっくり。
そして、主人公の"よそ者"が、なかなか分け前をよこさないアギラに腹をたて、ネコババしようとするのは「続荒野の用心棒」のジャンゴを連想させるものの、ヒーローず女とその子供を助けるエピソードは、やはり「荒野の用心棒」にあったし、ラストで"よそ者"が、シヨット・ガン、アギラが機関銃と、武器こそ違えど、互いの愛用の武器で決着を着ける趣向も、どこからいただいたかは、もう明らかですね。

このように、この映画は物語自体が、もう亜流も亜流の域を出ないのですが、画面を観ている分には、あまり"元祖"との類似性を感じないんですね。
それはなぜかと言うと、ジャンジャジャジャーンという大音響と、その間に入るポコポコと鳴るオカリナという楽器の軽妙な音のコントラストが、妙なベネデット・ギリアの音楽が功を奏しているのと、主演のトニー・アンソニーの飄々とした、ミステリアスなキャラクターが物語に不思議と溶け込んでいたからだろうと思います。

そして、クライマックスの、"よそ者"とアギラ一味の決闘は、時にユーモラスな味を醸し出して、忘れられない印象を残します。
あちこちに散らばる子分たち。巧みに身を隠し、移動するよそ者。共に抜き足、差し足、忍び足で様子をうかがい、"よそ者"は角で出くわした一人をまずズドン。

次いで、縁の下にもぐり込み、板の隙間から銃身をソロソロ-----と突き出し、上にいる奴をズドン。ここまできたら、もう主人公がやられることはないという妙な安心感もあって、この殺しのシーンは、文句なしに楽しめます。
出窓から上半身をのぞかせた敵には、その窓のすぐ下からの一発で倒し、アギラには走らせたトロッコにしがみついて接近し、いよいよ一対一の果し合いとなるのです。

装弾から発射までというプロセスも「荒野の用心棒」と同じく、双方ガチャガチャと弾ごめ。当然、"よそ者"のショット・ガンがいち早く火を吹き、アギラはあえなく昇天。
時はあたかも、朝日が昇る"暁"で、"よそ者"は、三途の川の渡し賃として1ドル銀貨をアギラの口---歯にくわえさせる。
そして、その銀貨はかつて軍隊襲撃の分け前として、アギラからたった一枚、投げつけられたものだ。
だから、この映画の原題が「歯の中の1ドル」と言うんですね。

主演のトニー・アンソニーは、アメリカ出身の俳優でアメリカ時代はパッとせず、やがてイタリアへ渡り、何本かの現代劇に脇役で出演していたが、やはりパッとせず、おりからのマカロニ・ウエスタンブームの波に乗って、この映画の主役の座をつかんだと言われています。

オーディ・マーフィを貧相にしたようなマスクや、小汚いスタイルにショット・ガンといういでたちが、いかにもマカロニ・ウエスタンのヒーローらしく、強い印象を残していたと思います。
dreamerさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-07 14:17:54)
5.《ネタバレ》 う〜ん、あまりにも淡々としていてどうにも合いませんでした。
ガトリングとかも音は派手だけど画がついていってないみたいな。
いろんな人のコメント見てると、予算の問題なんですかね。にしても台詞は少ない。
おばはんの鞭打ち拷問だけが変な意味で印象深かった。
あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-02-26 18:11:22)
4.映画最初の方で炸裂する機関銃の迫力の無さに、斃される兵士たちの倒れ方にもやる気が感じられず、ヤな予感がしてくるのですが、こんなこと書くと「オマエはそうやって、マカロニの冒頭シーン観るたびに、いつもヤな予感ばかりしてるんじゃないのか」と言われそうで、いや、決してそんなコトないんですけどね。でも殊更に否定もしませんけれど。
主人公のガンマンが、例のトニー・アンソニーという人で、悪者どもと戦うのかと思いきや、彼らに擦り寄り、一緒に金貨を奪う算段を取り付ける。で、首尾よく金貨を奪ったはいいけれど、分け前に与りそびれたもんで、金貨欲しさに、悪者ども一行にイヤらしくつきまとう始末。いや、コレ、金貨が欲しいなんてのは口実で、実は一味の仲間に入れて欲しくってイヤガラセまがいのちょっかいをかけているようにも見えてくる。そう見えちゃうのは、主演トニー・アンソニーの風貌がどうにも貧相だからでして。悪者どもに囲まれると、貫録負けすること夥しい・・・さてここで、邦題が「暁の用心棒」なのですが、この主人公のどこが用心棒なんだ、と思ってると、中盤でしっかりリンチにあってタコ殴りされる場面があり、ああこれは確かに『用心棒』の流れを微かに汲んだ作品ではあるわい、と。ま、所詮マカロニの邦題ですから気にする必要もありませんが。
で、頼りない主人公も、このリンチで多少は懲りただろ、と思ってる間に、いともたやすく危機を脱出してしまい、えーそんなんでいいのかよー。ってか、敵が妙にアッサリ絶命する場面が多い気がするんですけどねー。
↓やましんさんがおっしゃってるように、この映画、セリフがかなり少なくって、冒頭シーンなども無言が続くし、主人公と彼が助ける女性との間にも殆ど会話が交わされない。それが、ちょっとシュールな趣きすら感じさせて、独特の雰囲気を出しているし、クライマックスで背景に虫の音が聞こえ続けるのも、ちょっと不思議な気分になってきます。
ただ、何かというと流れ始めてしまうBGMが、どえらく安っぽい単調な音楽で、このせいもあって、BGMがようやくやむと背景の音につい意識が向かうのかもしれませんけれども。
それにしても、なぜか道のド真ん中に敷かれたトロッコのレール。こんな短い距離で、何のために敷かれたのか。普請もやたらテキトーだし。
というあたりも、イヤでも強い印象を残してしまうのでした。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-23 14:10:07)
3.《ネタバレ》 これはまた何ともつまらなかった・・・。主人公の動きも筋の流れも役者の芝居もものすごく適当で、一丁上がりで作ってしまった感満載です。最後のガトリング銃なんかは何とか盛り上げようとした形跡が窺えますが、それを使う必然性がないので、意味がありません。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 2点(2019-02-18 21:59:39)
2.《ネタバレ》 荒野に夕陽に用心棒、すぐにマカロニウエスタンと分かるような邦題ですが、直訳の方がイケてませんか?騙し取った金貨をお尋ね者たちの賞金を差っ引いて返す、なかなか面白いエンディングですが、ヒロイズムと緊張感の演出しか頭にないのか、主人公をはじめ、盗賊、メキシコ軍、米軍の行動があまりにもお粗末。低予算だからこそもうちょっと現実感がほしかったです。
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-02-05 23:35:51)
1.アメリカから渡ってきた売れない役者のトニー・アンソニーは、イタリア西部劇ブームの恩恵で何とか主役の座を得る。が、それは、スペインの僻地で細々と撮られた低予算のBマイナス・ランクの代物。彼自身の弁によれば、クライマックスなど単なるビルか何かの工事現場で、ブルドーザーをどけて撮影されたものだったという。
しかし、アメリカ政府がメキシコに貸与するドル金貨を巡り、盗賊一味と流れ者ガンマンが渡り合う映画は、マカロニ特有のサディズムだけではない、ある奇妙な「詩情(!)」を漂わせることとなった。…もちろん、それは“狙った”ものじゃあるまい。けれど、どんなに安っぽいものであろうと、その「詩」は、間違いなく作品を忘れ難いものにした。 

…この映画には、科白が極端に少ない。主人公はほとんど喋らないし、誰かが何かしゃべっても、それだけで終わってしまう。つまり、「会話」がないのだ。
代わりに、拳銃やライフルの発射音、馬のいななきや蹄の音、鞭が風を切り肉を裂く音…など、ここには殺伐とした「音」が満ち満ちている。特にクライマックスの、ガトリング銃(ほら、『ラスト サムライ』で政府軍が撃ってた機関銃っす)を乱射する盗賊のボスと、トロッコで弾をかわしつつショットガンでボスを追いつめるガンマンの対決など、廃虚内に響きわたるガトリング銃とトロッコの軋む音の二重奏がほとんど「官能的」ですらあるだろう。この、沈黙と音の〈異化効果〉が、観客を「超現実的(!)」な世界へといざなっていく…。

そして、低予算ゆえにエキストラを雇えずほとんど人間のいない町や、貧相なセットが、逆にやはりシュールな異様さを画面に与えることになったということもある。人物の極端なクローズアップが多いマカロニものにしては、引き(ロング)の画の多いことも、超現実感をより強調していることも指摘しておきたい。例えるなら、それはパゾリーニの『奇蹟の丘』と同じ効果を作品にもたらしている…

いったいこれは、監督の才能ゆえなんだろうか。それとも、単なる偶然? …いずれにしろ、「酷い・汚い・どうでもいい」代物がほとんどのマカロニ・ウエスタンにあって、これはそのすべてにあてはまりつつジャンルを超越するに至ったものだと、少なくとも小生は信じている。

この名もない1本は、ささやかだけれど、「奇蹟」を実現した映画だ。
やましんの巻さん 8点(2004-10-01 17:16:02)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 6人
平均点数 5.17点
000.00%
100.00%
2116.67%
300.00%
4116.67%
5116.67%
6233.33%
700.00%
8116.67%
900.00%
1000.00%

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