3.《ネタバレ》 「フリークス(怪物團)」に先駆けた傑作。
生まれ付き“ある筈のもの”が無く、普通の人間とは違う生活を強いられてきた者の哀しみと怒り。
「フリークス」はそういう者たちの怒りが刻まれた傑作だったが、この作品は“ある筈の無い”苦しみを抱えた男の物語でもある。
どうころんでも文字通り自分を“締める”話は見ていて辛い。
「フリークス(怪物團)」はまだ、何も隠さなずありのままの自分たちを他人に堂々とさらして力強く生きる人々のドラマがあった。
が、この話は隠さなければならない不安と、ソレが後に大きな伏線となってくる演出の見事さが加わっている。
ブラウニングの演出には一切よどみが無く、クライマックスまで一気に見てしまった。
とにかくロン・チェイニーの怪演、そしてジョーン・クロフォードの眩いばかりの可憐さに尽きる傑作。