2.《ネタバレ》 この内容だったら、全然お金かけてないと思われるが、お金使わないわりにはそれなりによくできました、というべきでしょうか。
これは脚本がよくできていて、DJが精神的に追い詰められていく過程を、ブースという密室の中でうまく表現していると思う。投稿者との電話のやりとりをするたびにどんどん状況が悪化していく、というのもなかなか新鮮なアイディアだ。
自分勝手な今風の若者を、一人称で(主人公の目線から)描き観客に提示することにより、「今どきの若いもん」への反面教師的意味あいも持たせていると思う。
ただ、海に落ちた小島聖が生還したうえニュースを読みに登場する、というのはいくらなんでもリアリティが無いしご都合すぎ、新人アナの鋭すぎる突っ込みにも違和感あり。この話の場合は、もっとリアリティにこだわって欲しかった。ディレクターや構成作家との疑心暗鬼のやりとりはけっこうスリリングで良かったんだけどなあ。
あと…日本髪で着物の女性を出して観客を怖がらせようというのは、安易すぎると思う。ラストはもう少し工夫したほうが良かった。やはり、低予算のわりにはまあ…という程度の出来。