1.スカパーの「町山智浩のvideo shop UFO」で鑑賞。
現在、日本では未DVD化です。
これは「何がジェーンに起こったか?」と同じくらい面白い作品です。
ベティ・デイヴィスが一人二役を演じています。
かつて自分が愛した男を奪った大富豪の双子の妹を殺して、その彼女にすり替わるという奇抜な始まりなんです。
つまり「自分を殺したのは誰か?」という展開になるのですが、その結末がとてもドラマティックなんです。
番組でも、町山さんが言っていましたが、ちょっとした感動が待っているんです。
これは意外です。
大富豪の妹になりすましたヒロインがボロを出すのは当然のことなんですが、問題はそこじゃないんです。
ヒロインを追い詰める刑事は、犯行前の彼女を愛していたのですが、彼の愛の矛先はずっと変わらないんです。
刑事は死んだと思われるヒロインと、妹に成りすましているヒロイン、つまり同じ人間を重ね合わせようとするのですが、彼の心の天秤が大きく揺れるのです。
そしてその先は意外な方向へ進んでいくのです。
ヒロインはその刑事のことは愛していませんでした。妹と結婚していた男性を愛していたのです。
ですが、その刑事の愛を受け入れようとするヒロインの心境の変化で、この作品の価値も大きく変わるのではないかと思うのです。
ちょっと変わった作品ですが、「愛」というものを描いた素晴らしい作品です。
因みにサスペンス要素もあるので、メロドラマとは全く違います。