1.《ネタバレ》 ジュネス企画さんが出してるDVDは、大手の会社とは異なり、クラシック映画ファンが昔っから噂には聞いているけれど、実物をなかなか鑑賞する機会がない的な作品群を数多くリリースしてくださっているので非常に重宝しています。この映画に対する鑑賞前の興味の焦点は、かのレイモンド・チャンドラー氏が脚本に携わってるっていう点のみ。残念ながら期待を下回る出来。スリラーとしても、ハードボイルドとしても、ラヴサスペンスとしても全てが中途半端。演出も、ただのんべんだらりんと撮ってるだけで切れ味不足。見どころはブロンドヒロイン、ヴェロニカ・レイク嬢がシーンごとにとっかえひっかえ着替えて登場する、イーデス・ヘッド女史デザインによる凝った衣装の数々。「シェーン」以外で、アラン・ラッド氏を映画で観るのはこの作品が初めてだけど、端正なマスクはともかく、なで肩で線が細いヒトなんですよね~。んで、やっぱりハリウッド男優にしては極端に背が低い。この人が腕っぷしが強そうにはまず見えないし、かといって悪人連中にも大した魅力がないのがこの手のサスペンスとしては大幅なマイナス。往年のパラマウント調都会的タッチが幾分味わえるのが救いか。