24.《ネタバレ》 台湾では大好評だったようだが媚日映画との批判もあったようで、また台湾の有名な映画賞を受賞できなかったのは審査委員会の大陸関係者に妨害されたからだとの噂もあったらしい。そういうのも台湾社会の様相の一端と受け止めるしかない。 一方で日本では概ね好意的に扱われたらしく、当然ながら朝日新聞も協力している。個人的に不快だったのは、当初あからさまに先住民を侮蔑していながら、風向きが変わると簡単に転向する軽薄な記者が出ていたことで、こういう人格低劣な日本人を毎度見せなければ済まないのなら日台関係の映画などもう見なくていい気がした。多くの日本人の感覚では、無名の三民族混成チームが頑張っているというだけで応援せずにはいられない気になって当然であり、そういう一般民衆の姿も映像に出していたのは間違っていない。 なお台湾の大作映画は2時間に収めるつもりがないのが時々あるようだが、さすがに3時間は長いのではないか(それをいえば「セデック・バレ」は本来4時間超だったわけだが)。札幌の投手の後日談など必須だったのかという気はした。 その他の事項として、八田與一という日本人は野球に関係あるのか疑問に思ったが、それを含めてこの時代を表現すること自体が製作目的の一部だったのなら変ともいえない。「嘉南大圳」というものが、現地の人々の暮らしの向上に役立ったのであれば日本人としても喜ばしい。 また外国映画なのに台詞がほとんど日本語なのは顕著な特徴点である。正直聞きづらいところもあったが、しかし当時の日本語が、現代で事実上の世界言語になっている英語のように、三民族の意思疎通と相互理解の基盤だったことの表現ではあるかも知れない。 野球に関しては、王貞治氏が顧問について演者も経験者を揃えたとのことで、試合の時間も長いが苦にならず、また決勝戦でも惜しかったが悔いは残らない感じをうまく出していた。ここでの選手からは、その後に日台の野球界で活躍した人物が多く出たとのことで大したものである。 ほか個別の場面では、「アウト!」を言い合って大笑いしていたのと「髪型崩れる」というのは笑った。なかなか愛嬌のある連中だった。 [雑記] 映画自体と直接関係ないが調べたので書いておくと、映像に出ていた嘉義市街地のロータリーは日本統治時代の都市計画でできたものらしい。噴水がいつ作られたかはネット上で探せなかったが、地元出身の陳澄波という画家の「嘉義中央噴水池」(1933)という絵に描かれているので劇中年代にも存在したと想像される。 現在は、この映画に出た呉明捷投手の像が建てられていてストリートビューでも見られるが、噴水の方はしばらく止まっていたのが2021.7.27に再稼働したとのことで、その際に嘉義市長が、彼の決して諦めない精神が新型コロナウイルス感染症予防の精神にもつながる、と述べたとのことだった(「自由時報」の記事より)。だから何だということもないが地元ではそのように思われているらしい。 【かっぱ堰】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-10-23 08:58:23) |
23.《ネタバレ》 天下の「KANO」が起こした奇跡。3時間を超える、実話に基づいた台湾野球スポコン巨編。厳しくも温かい熱血監督を永瀬正敏が熱演。エースの血に染まる白球を追う甲子園大会決勝戦、敗れはしたものの続くオレたちの青春。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-05-25 02:21:03) |
22.スポ根臭はそんなにないし、静かな感動がないわけではないのだが、ちょっと淡々としすぎていて綺麗に作りすぎている印象。実話ベースは大概盛り上がりに欠けるのでそうなりがちなのは仕方ないが、もうちょっと台湾統治の負の側面というものが描写されていてもよかったと思う。学校内や地域社会での民族的な葛藤もあっただろうし。八田與一は地元の英雄らしいが、この作品に必要だったのか?史実として野球部と関係があったのか否かもよくわからないし、とってつけたような扱いをするものどうなのかと。永瀬の抑えた演技は逆に存在感があり中々よかったように思う。 |
21.台湾の人が日本的と感じる雰囲気みたいなのは伝わってきますが、言葉だけでなくシナリオや演出にも粗さが目立つのでイマイチ現実感が希薄です。もっと感情移入できる物語だと思いますのでちょっと残念。 【ProPace】さん [地上波(字幕)] 4点(2019-01-29 00:02:20) |
20.物語としてはかなりいい方だと思う。 映画としてはちょっと長い。 邦画ではなく、外国映画、という位置づけだろうか。日本映画のように感じる。 【simple】さん [地上波(邦画)] 6点(2019-01-24 21:47:01) |
19.途中まで、台湾映画だと気づいていませんでした(汗) 他の方も書いているけど、野球に関係なくメインストーリーにほぼ絡んでいないエピソードがある割に3時間ってのは萎えます。 あれだけ熱心な野球監督が、満塁なのに 投手に「盗塁なんか気にするな」と言ったり、出血があらわになるまで、エースの手豆の状態に気づかないのは不自然。この映画監督が実は野球を詳しく知らなくて、他の話で映画を盛り上げたかったのかも、と考えちゃいます。 あとユニフォームが白過ぎるのが気になりました。新品使うにしたって、少し汚してリアリティ出しましょうよ。 記者だけが最初 人種差別的な発言をしますが、これは当時の多くの日本人観客の気持ちを表しているのかも知れませんね。本国である日本のチームが植民地のチームに負けるのは、かなりの屈辱だったでしょうから。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-01-22 23:40:10) |
18.甲子園大会を主軸に、戦前の日本統治時代の台湾を情緒豊かに描いた映画。八田与一氏の功績も大きくクローズアップしてあります。在日メディアや韓国が伝える戦前の日本とはまるでパラレルワールドの世界ですが、こちらが実際なんでしょう。久々に本来の戦前の情景を堪能できて良かったです。またこういう映画を作ってくれた台湾映画界の人達にも感謝。 あちらの人達は皆演技力ありますね。エース役の人のフォームが凄くサマになってるなと思ったら台湾代表で国際試合に出場した経験もあるとか。 普通にスポーツドラマとしても面白かったですが、やや演出が甘かったのが残念。急に強くなった理由とか、控えの投手がいるのに怪我をした状態で何故投げ続けなければいけないのか・・という所にもう少し説明が欲しかった気がします。 ラスト、ライバル投手が嘉農の練習場に立ち寄りマウンドにボールを置いて南方の戦場に去っていくのは、様々な要素を凝縮した見事なシーンで感心しました。エンドクレジットで語られる各選手のその後、台湾選手はその後も台湾の発展の為に尽力されているようですが、日本人選手は殆どが戦没されているんですね・・。そういう点も隠さずに表現されている事にも好感持てます。 朝日新聞が協賛に加わっており「台湾人が差別されていたという描写を入れないといけない」とゴリ押しがあったと推察されますが、酷い差別発言を繰り返すのは新聞記者・・というのが皮肉が利いてて良です。戦前の朝日新聞は軍部が問題視するほど無責任に好戦ムードを煽りまくっていたというし、実際にこんな感じだったんでしょうね。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 9点(2018-10-08 01:46:25) |
17.《ネタバレ》 この映画に政治的な意味を見つけるのはたやすいが、それをしなくても面白い映画だった。最後なんか、すっかり台湾側に同調して涙ぐんじゃったし・・。この映画に描かれている台湾のがむしゃらなとこは、最近の日本文化では見ないね。こういう若者が減ったのかな。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-06-11 22:03:26) |
16.《ネタバレ》 これはバカ丁寧につくられた「ROOKIES」だった 日本語だが日本映画では全然無い シナリオにはおかしな所がたくさんあった 思考の方向が日本的じゃないし、甲子園のアナウンサーが完全に嘉農よりで笑えた 途中でチーム監督のセンチメンタルな説教が始まると、相手選手だけじゃなく、観客までもじっと待つのはやはりROOKIES風(笑) しかしカメラワークやら、台湾の美しい景色やらに手抜きがなく、非常に丁寧に撮られている 観客で埋まった甲子園の景色や、試合中も選手の背景に超満員の観客が描かれていて臨場感はハンパ無い エンディングの大型客船のCGなども、非常に丁寧で好感がもてる しかしメインの選手達のキャラクター一人一人にさほど特徴が無いうえに、登場人物の存在が唐突すぎる 甲子園で負けた北海道の高校の投手が印象的に登場するが、実際には試合中に打たれて自らマウンドを降りた根性無しにしか見えなかった その辺は台湾人の勝負に対する意識の違いだろうか 台湾の灌漑事業を成し遂げた大沢たかおとかも、映画としての存在意義が全く無いのに驚かされる 唐突に結婚して妊娠するヒロインぽい娘ですらもストーリーには関わってこない この映画は、居なくても話にまったく影響しない人物達が溢れている この辺を整理すればこの映画2時間ぐらいに収まるんじゃなかろうか 驚く程丁寧に作られているので、そこはむしろ驚嘆に値するが、日本映画のセオリーからはかなり外れていると言わざるを得ない そこははっきりいってまったく楽しめなかった 台湾映画のお約束は日本映画以上にクドいと言う発見があった一本だった 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-05-10 12:35:26) |
15.テーマとしては素晴らしいものを取り上げています。演者も熱があってよかった。ただもう少しまとめられなかったか。あのシーンいるかとか、ラジオの実況が過剰すぎるとか、急に強くなった感があるチームとか、あらが多い作品です。それを差し引いても観てよかったと思える作品ですが。 【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-03-17 16:37:21) |
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14.3時間あるものを特段疲れることもなく最後まで見ちゃえたのだから、それなりに面白かったという事ではあろうが、日本語が解るがゆえに細かいところが気なってしまった。もし英語吹き替え版の日本語字幕付きなんていうバージョンがあったらそっちを選びたい。とくにイライラしたのがラジオの実況で、しゃしゃり出すぎな上、1930年代のそれを再現する気なんて更々無かったね。実話ベースだから仕方ないとはいえ、怪我をおして投げる姿で感動を売るのも、もうこのご時世ではきつい。分かりやすい差別主義者も要らないし、安い手のひら返しはもっと要らない。せっかくの題材だけど、過剰にやりすぎた感あり。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-02-25 20:33:42) |
13.3時間は長い。100分でコンパクトにまとまっていると とても良作の映画を見た気になるけど、 鑑賞者を3時間も拘束するほど価値のある映画であってほしいとハードルを上げて見るから がっかり感が勝ってしまう。 |
12.《ネタバレ》 1度も勝ったことのない高校野球チームに潜む伸びやかなエネルギーに共感し、監督就任を決める近藤の慧眼。斉藤や大江の未練を切って捨てる冷酷さ。切れ者監督のブレのない情熱に満点かもしれんと思ってた前半。でも、後半、嘉義農林の選手が成長しどんどん上手くなるにつれて、落ち着いて見守るヒトになってしまう。あの監督なら、呉投手の怪我には誰よりも早く気づいていただろうし、指の状態を確認してから続投を決断するだろう。「泣いてはいかん」の監督だからこそ、(怒号ではない)感情を爆発させるシーンがあってもよかったのでは。つまり、監督の成長も観たかったですね。 余計なこと言いましたけど、これは面白いですよ。3時間超え、長くなかったです。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-08-30 16:45:07) |
11.《ネタバレ》 なかなか良かった。3時間の時間がどうかな~と思ったが、それほどダレルことはなかった、けど、やっぱり長いなぁ。もう少し削れそうな気はしたけど、それだけの時間をかけてじっくり描けているのはとっても良いね。ということは、長いけど良いということですな(笑)。いろいろと勉強になったし、無駄にお涙頂戴なとこもなくて、とても良い映画だとオモイマスハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-14 22:12:45) |
10.イデオロギー的に押しつけがましい展開があったらいやだなあと想像していたら、それはほぼなかったことに安堵しました。前半、監督の人物像が分かりにくく、やな奴にしか見えなかったのが、後半にその寡黙さが生きていったので、それも安堵。CGが作りものっぽすぎ、多用しすぎでいやっていうのはあったけど、今の時代の映画作りでは当たり前の範疇かもしれませんね。多民族の融合、友愛というテーマはきわめてこんにち的だし、ハリウッドや他国での上映にも共感を得られる題材だと思いますが、私自身が、日本の最近の世相の中では、決して作れない作品、と思ってしまうこと自体が、情けない。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-04-13 21:44:03) (良:1票) |
9.野球も台湾も大好きなので、印象よりも甘い点になってしまいました。 話は良いのですが、やはり長すぎます。劇場で何人もトイレに立ってました。 クドいって部分が多々あります。感動場面もさりげない方が良い。一番泣けたのが最後の「夫々のその後の人生を紹介」が流れてる所ですから。 【♯34】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-02-26 00:23:46) |
8.《ネタバレ》 3時間という長丁場。緻密な構成というわけでもなく、だれる部分もないではないけれど、素敵な時間が過ごせる作品でした。 夢を持つこと、夢に向かって努力すること、そしてそれは人種に関係ないこと。 球児たちを演じた俳優たちが、みんな素晴らしかった。 星一徹みたいな長瀬正敏も、良かった。 歴史にちょっと嘘をついて、農業用水の完成年をずらしたりしているけれど、それもテーマを際立たせるためなら良いかと。 1931年には満州事変があり、日本は世界戦争へと転げ落ちて行った。 その一方で、こんな事実があったことをこの映画のおかげで知る事が出来ました。 【こんさん99】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-21 22:46:32) |
7.《ネタバレ》 初めは焦点が定まらず面白くなるのかわかりませんでしたが、地区予選あたりからのめり込み始めました。台湾と日本が1つだった時代の空気と、野球の感動の両方が押し付けがましくなく自然とスッと体に入ってくるようでとても心地良かったです。3時間という上映時間も結果的にはこの時間旅行にどっぷりと浸かる事が出来て満足です。大変素晴らしい映画です。 【DAIMETAL】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-02-12 20:38:02) |
6.ちっくしょぉ~、ベッタベタの劇画なのに、すっかりやられちまった・・・。なんたって選手たちの体格のよさ! 雰囲気を盛り上げるたどたどしい日本語。そして熱い友情。永瀬正敏の監督もいいし、球場の場面になったらもう・・・涙腺崩壊。レフト平野君のパパイアの話は大好きになりました。 最後に一言付け加えておけば、台湾はこの広い宇宙の中で、たった一人の日本の友人です。そのことを忘れちゃダメです。 【きのう来た人】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2015-02-07 05:45:11) |
5.嘉義農林のことは、TBSラジオ「伊集院光 日曜日の秘密基地」で2006年に取り上げられてたので記憶にありました。が、何度も出場してたとは知らなかった。ウェイ・ダーション制作ってことで観たんですが、冗長な部分もありますけどよい作品だと思います。上映時間が長いという声もありますが、そんなこと言ったら「セデック・バレ」観られないよ、わたしは劇場で観たからね。「海角七号」も長いよね、こっちはDVDだったけど。「セデック・バレ」同様、ほぼ完璧に再現された嘉義のまちなみがすばらしい。そしてなによりも台湾の田園風景と、無理やり降らせた大量の雨にはちょっと感動。ひとつ残念だったのは“スライダー”という単語。この言葉が人口に膾炙するようになったのは70年代中頃のはず。私的には東尾修投手がひとりで「太平洋」「クラウン」を引っぱってた時代に中継で使われるようになったと記憶してます。あ、旧ライオンズファンと「プロ野球ニュース」のコアなファンしか通じないか。それまでは、カーブとドロップ(現在の落ちるカーブ)だったんだよね。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-02-03 12:52:04) |