2.《ネタバレ》 時代劇に興味をもって、文献漁ると、誰しもが一度は目にする、あの派手な大捕物の場面。
それが伊藤監督の「長恨」の場面であることは知ることができるが、令和の今でも観ることは叶わない。
それを中島監督は、こういう形で現代映画に翻訳してくれた。
本当に感謝です。
伊藤監督がすごいことは、僕にでも分かる。
「血槍富士」の長時間にわたる押し合う殺陣シーン。
きっと「長恨」も、この映画みたいに長いシーンなのだろう。
そこも伊藤監督の魅力だ。
しかし、伊藤時代劇の面白さは、チャンバラだけでもないような気がする。
(何せ、どう頑張っても、数本しか今は鑑賞することができない)
「番町皿屋敷」で見せた、愛のもの凄さ。
「切られ与三郎」で見せた、これはシェイクスピアか!?と思わせるドラマの凄さ。
「源氏九郎」で見せた、ユニークで楽しくなるキャラクター造形。
本当にこの伊藤監督作品は、まだ勉強されてない日本映画の豊かな鉱脈だと思う。
今の日本映画をさらに面白くするためには、伊藤監督は、ものすごく勉強になると思うのだが、
レンタルビデオの時代でもどこに行ってもなく(そもそもDVD化されてない?)、
期待するのは、これからの若者たちが、ネット配信で、この監督の作品を、
多くの人に観られることができるようにすることだ。
最後に本作品に戻りますが、多部ちゃんは時代劇のために女優になったのではないか?と思うくらい、
見事にはまってます。
高良君も、若手男優の中で、彼しか起用する人いないって位、頑張ってました。
90分の長さで、お腹いっぱいの出来です。
中島監督の映画を応援する会に、これだけ多くの人がいるのも知りました。
是非、令和時代劇の発展に寄与してほしいです。
P.S.「長恨」のアクションは、youtubeでも見られますが、多十郎を観てからの方が勉強になります。