1.マカロニウェスタンもピンキリありますけれども、本作は、おそらくは底辺に近いところに位置するであろう、愛すべきポンコツ作品です。とにかく全体的に素人臭い演出で、緊張感もヘッタクレもなく、銃を構える姿などもまるでサマになってません。何でしょうね、この映画全体に横溢する手持ち無沙汰感は。唐突に泣き叫ぶ女性が登場した瞬間など、見ててつい笑ってしまいました。
映画冒頭において、主人公の父親が殺害され、要するに復讐譚のハズなんですが、そこにはあまり重きが置かれておらず、仇の手がかりを探すうちに、悪党どもに苦しめられている町のために戦うことに相成るという、七人の侍の手っ取り早い版、みたいな展開になります。一応、物語は仇討ちへと(これも手っ取り早く)軌道修正されるし、それなりに紆余曲折もあるのですが、なにせこの、すべてにおける、サマになってなさ加減。微苦笑抜きには、見られません。
ちょっと変わったところでは、威勢のいいシーンで威勢よく流れる音楽が、なぜかドボルザーク「新世界より」のスケルツォのテーマ(っぽい。引用?パクリ?)なんですけど、なんででしょうね。