1.《ネタバレ》 長身のリー・ペイスが演じるジョン・デロリアンが、とにかくカッコイイ。夢のスポーツカーを創るという彼の壮大なビジョンは、古巣のGMという巨大企業のインフラ無くしては困難を極めたであろうが、その詳細は語られない。それどころか、終始、彼の隣人であり麻薬取引の仲介をしたというジェームズ・ホフマンの視点で映画が進む。
南カリフォルニアの美しい背景を舞台に、1980年初頭の音楽や流行をノスタルジックに描いた作風に心酔する。難局をスルリとすり抜ける捉えどころの無いホフマンを、ジェイソン・サダキスが魅力的に演じている。ホフマンが証人として法廷に向かうシーンから始まり、途中で何度か証人喚問のシーンを挟み、最後はデロリアンがホフマンをじっと見つめる。デロリアン無罪の決め手となった、ホフマンの最後の証言が見事!
後日、デロリアンとホフマンがカフェで再会。プレゼントされた輝く DMC-12 に、少しだけオチを加えたシーンが映画の最後を飾り、心を和ませてくれる。
上映劇場が限られていたために叶わなかったが、大スクリーンで鑑賞したかった。