1.《ネタバレ》 「架空の」売春島のとある置屋を舞台にした…という時点で、すわ群像劇か!と思いきや、明確に主人公と言えるのがソコの経営者の(腹違い含む)兄弟+妹だ、という話でした。この三人とゆーのは率直にかなり「奇怪な」人物造形がされており、その部分のユニークさ、そしてそれを表現する演者三人の仕事ぶりも決して全く悪くはなかったというか、演技の仕事としては正直観ていてかなり面白かった、とも言えるかと思うのですね。
ただあくまで個人的には、若干ながらの上滑り感を覚えるというか、地に足が付いてないというか、端的に「何故にそこまでそーなっちゃってるの?」という部分に少し疑問があった、と言いますか。いちおう、とある過去の事件とゆーのが彼らの人生&人格形成にドス黒い影を落としており…というのが話のメインで、その事件の真相が明かされる、とゆーのがクライマックスにもなっているのだけれども、ハッキリ言ってこの三人、全員人格破綻者or廃人にも近いよーなドラスティックな描かれ方で、そもそも全員マトモに社会生活を送れるっちゅうレベルでねーとすら思われる、と(特に佐藤二朗と仲里依紗は)。なんちゅーか、舞台が舞台だけにちと極端な方にはしり過ぎた、とでも言いますでしょうか(ソコにはやっぱりそこはかとなく、この業界の関係者なんてみんな頭オカシイ、という一種の偏見の様なモノまで感じ取れる、つーかね)。
そのナニが好くないといって、主人公の三人が三人ともそーいう感じのちょっとなかなか感情移入してゆけない様なキャラクターなので、どーにも作品に入り込めなかった、というコトですね。もちろん一方で、置屋の女郎たちの中にはホッとさせてくれる様なキャラも居るし、それこそ少し落ち着いた姉御肌で話を纏めて運んでゆける様なキャラも居なくはないのですが、彼女らは(三人と比べて)それホド目立っている訳でもないし、そもそも明確に主人公ではないし、という。結論、ややバランスの悪い映画だ、と思いましたです。はい。