3.《ネタバレ》 96年のグウィネス版エマを観たときは、なんでこんなやな女がヒロインなのかと18世紀英国文学に相容れないものを感じました。そして最新のアニャ・テイラー・ジョイ版を観ましたら、やっぱりエマは高慢どころかゴーマンな女でした。
当時の堅固な身分制度社会というのはこんなんなのかあと勉強にはなるけれど。あのピクニックなんか地獄じゃん。行きたくねえ。
でも今作のアニャ・エマはグウィネスよりももっと現代の解釈に寄せている感がありました。「思いやりの無さ」を叱られて、半べそで反省して階級が下の者に謝罪しに行くエマは、おそらく原作よりずっと今の世に受け入れられる造形になっているのではなかろうか。
200年経って自作のヒロイン(それも貴族階級の)がプロポーズされて鼻血を出す描き方をされるなんて、オースティンも思ってもみなかっただろうなあ。