1.《ネタバレ》 前作『テリファイド』からは思いのほか時が経ち、あの素晴らしい衝撃でさえもを少~し忘れかけて居た…みたいなのを、それこそ根こそぎ吹っ飛ばすかの様な(まずは)超・パワフルな作品でした。そして、そこでコレを先に言うべきかはまた少し迷われるトコロですが、一方で、描写やあるいは話の大筋の力強さに比して、世界観・設定や展開のディテールなんかにはあまり整合性がつくり込まれて居ない、という作品でもあるのですね。特に、作中における「悪魔憑き」なる存在は、既に広く一般に認知されている(=恐らく国家組織による対策も講じられている)にも関わらず、中盤では(その「悪魔憑き」が原因で惨事が起こりかけているのに)余りにも誰にも「話が通じない」という部分なんかでは、かなり不可解で最早不条理…という様な空気もが醸されておるのですよね。ただし、逆にそれ故に、余計にワケが分からなくて気持ちが好くない・ブキミ…みたいな感覚にも陥ってゆけるのだ、と思ったりもしますし、そーいった実際的なカオス(と言うべき映画空間)そのモノが、前述の力強さの一つの大いなる源泉であるとも確実に思われます。非常に自由で、なので(必然的に)まま斬新で、それで居て(適度に、と言うよりは少し強めに危うい逸脱を孕みつつも)完全なる破綻までには至っていない、という、コレも中々に高度で、ある意味繊細なホラーだとすら感じましたよね(場合によっては「紙一重」と言える様な作品だ、とも)。
またコレは、ある部分で、直近に(とゆーか昨日と今日で)鑑賞した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』にも似通ったホラー的エッセンスを擁する、とも(再び確実に)感じられたのですよね。ソコで、個人的に、ならば評点には前後関係を是非とも付けたい、と思うと同時に、またソコで、仮にこの二作のホラー的クオリティに明確・明白な差異が無いのに(点数にだけ)差を付けるのは、それはそれでアンフェアかな、とも思われてしまって………んで、結論的には同じ点数にしてしまってるんすよね。ただし、白状してしまうなら、もし1点下げるとしたら(個人的には)コッチかな~とも思われてます。私自身は、全体としては暴走気味だったとしても⇔その半ば位までは(あるいはその「コア」な部分に於いては)どちらかと言えばまずまず整然さを保っている、という作品の方が間違い無く好みである様です(コレは、映画のジャンルとしては、別にホラーに限ったコトだとも思われないのが、また正直なトコロではありますケド)。