1.《ネタバレ》 わずか12分でランティモス独自の不条理さを堪能できる短編。
チェロ奏者の男が謎の女によって、父親としても、夫としても、演奏家としてもアイデンティティを奪われ、居場所も奪われる。
最低限の台詞と生活感のない無機質な空気が常に緊張感を漂わせながらも、
見た目の時点で性別すら完全に違うのに誰も気づかない、演奏の下手さも模倣している辺りにブラックユーモアを感じさせる。
全てを失い、何も無くなった男は、電車でアフリカ系の青年に話しかけられるが、彼の人生を乗っ取るつもりだろうか?
入れ子みたいな構造でクセになりそう。