16.《ネタバレ》 霧につつまれたハリネズミ(霧の中のハリネズミ)。ノルシュテインによる摩訶不思議な短編だ。 夜空を背にした黒いシルエット、野を歩いてくるハリネズミ。彼は時折上を見たり、辺りを見回したりしながら野を歩き続ける。 黒く染まった木々、ハリネズミが出会う蝶の群、巨大なフクロウ、水面に映る体躯、井戸?の底への挨拶、草木をかきわけるように進み、小高い丘の上で遭遇する白い馬、霧が拡がる空間に吸い込まれていく。 霧の中を手探りで進む好奇心と恐怖、恐怖を煽るヴァイオリンの旋律、不意に落ちてくる木の葉、遭遇するカタツムリ、象、馬、コウモリ、蝶、フクロウ、犬。 木の枝で探る正体、繰り返される叫び、荷物の行方、飛び回る光、迫り来るものが渡す贈り物、飛び込んだ先で拡がる波紋、川に運ばれながら眺める夜空、怖いけど頼もしい「背」との出会い。 待っていたもの、夢だったのか幻だったのかわからないものへの想いで頭がいっぱい、夜空を眺める二人の背中。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-09-04 05:37:18) |
15.等伯の松林図屏風や杉本博司のseascapeのようなモノクロ調で湿った空気感がとっても好きだからこれも好き。 |
14.霧の中のシーンは宮川一夫が撮影したのかと思うくらいのクオリティでした。 物語ではなく映像表現がメインの作品ですね。 【カニばさみ】さん [DVD(吹替)] 6点(2013-09-21 13:41:12) |
13.ノルシュテインの創り出す映像がすごい。 まるで絵本の世界に入り込んだよう。 『話の話』のほうがストーリー性があって好きだが、本作も独特のテイストは健在。 【飛鳥】さん [インターネット(字幕)] 6点(2013-01-29 21:42:33) |
12.ストーリーをメインに主張するのではなく、あくまでアニメーションとしての特徴を活かし、幻想的な映像を全面に押し出して表現しているのが素晴らしい! ハリネズミの表情や声色が、これまた愛嬌とミステリアスな雰囲気を醸していて、味わい深い。 本作で立ち込めるその幻想的な霧たるや、アニメ版『雨月物語』と評したい。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-24 01:51:08) |
11.むかしネズミが主人公の絵本が好きでした。こんなミステリアスな名作があったんですね。 【色鉛筆】さん [インターネット(字幕)] 6点(2010-05-23 14:03:06) |
【bokugatobu】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-08-21 23:08:54) (笑:1票) |
9.技術力の高さに驚くしかない。森の表現力の高さとか 【案山子】さん [レーザーディスク(字幕)] 10点(2008-12-24 03:27:04) |
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8.絵本を先に知っていて、その絵と哲学的な内容が好きでDVDを買いました、が、その内容について語ることはできません。 解釈は人それぞれだと思いますが、私はただ好きです。 【祥子】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-06-26 19:30:14) |
7.ああロシアだ、というなんとも暗く荘厳な絵(パルナス風味)。そしてなんとも暗く優しい音楽と効果的な効果音。チェコのクルテクにも通ずる、旧ソビエト共産圏独特のキャラクター造形の愛おしさ。遠い記憶を思い起こされる心理描写も秀逸。10分程度の作品だけど素晴らしい仕上がりです。バツグンのタイミングで、そして少しだけ不安を掻き消してくれる「ヨ~~ジッ~ク」という呼び声が印象的。 【カリプソ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-06-22 16:43:15) |
6.りある絵本。映像化された絵本。観ていると、こう…どこかに戻ってしまいますねえ。 【ようすけ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2006-05-14 17:57:24) |
5.《ネタバレ》 ああ私もヨージックを導く蛍や犬、魚みたいな大人でいたいなぁと思うのですが一番近いのは食いしん坊のくまさんである事に気づきました。絵本としても出版されていますが、ここはぜひ、アニメ版を。【追記:2017年5月に2Kリマスター版のBD/DVDが再発され遅ればせながら鑑賞。こりゃ本当に素晴らしい。映画館鑑賞→ビデオ→LD→DVDを購入済でくまさん&ハリネズミのぬいぐるみまで持っている私だが今回のバージョンはまさに宝物。DVDとはいわずBDで見て欲しい。】 【Nbu2】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2006-04-14 21:55:23) |
【魚弱】さん 10点(2005-03-13 15:11:01) |
3.映像と物語の美しさに、涙が出た。美しいものを見て、感動できる自分、それに涙を流すことができる自分、そして、このようなすばらしい作品を作れる人がいることを知って安心した。 【トナカイ】さん 9点(2005-02-14 15:03:10) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 こぐまに会いに行く途中でハリネズミのヨ-ジックが霧に包まれて右往左往。ここで私はヨージックを応援するのではなく完全にヨージックになります。霧に包まれた世界は不安でいっぱい。枯葉の下からかたつむりのオバケが~!実際は小さいかたつむりもヨージック自身が小さいのと不安な気持ちがそう見えさせるのでしょう。川に落ちちゃったときは冷たかった。無事にたどりついて「よかったね」とはならない。「よかった」となる。ヨージックと共に馬のことを思い、そして「心配かけてごめんね、くまさん」と心の中で言うのでした。 【R&A】さん 8点(2004-09-30 11:35:55) (良:2票) |
1.「セロ弾きのゴーシュ」上映の時に見ました。この映画を言葉に表すのは大変に難しくて、どうにも自分の無力さを感じてしまうのですが、それだけ孤高の映像世界なのですよね。その映像に難しい事は何もなくて、ただ美しく、可愛らしい。でも、それはあまりに深遠な表現力の上に成り立っていて、他者が決して辿り着く事のできないところから発せられているものであるような。一枚の絵画がずっと心を捉えて離さない、あの感覚がアニメーションという映像の運動の中にある・・・いや、動画として命を吹き込まれる事で、更なるイマジネーションの広がりを喚起させるような、そんな感覚。心が肉体を離れてしばし映像の中をさまよい、心の奥深くにある何か(遠い記憶とか、うーん、もっと原初的なモノとか)が呼び醒まされるような映画です。自分が多くのレビューの中でアニメーションの表現の可能性と限界に拘ってしまうのは、ここにひとつの頂点を見ているからに他ならないのです。 【あにやん🌈】さん [映画館(吹替)] 10点(2004-09-08 02:25:57) (良:2票) |