5.フランソワ・トリュフォーにしては珍しい作風。
サスペンス風味と探偵モノと犯罪モノとラブストーリーとエロティックな要素が複雑に絡み合った作品。
トリュフォーがいかにジャンルを問わないチャレンジ精神を持っていたかが解る。
同胞のジャン=リュック・ゴダールが自己の形式を確立し、その中にこもり続けるのに対して、対照的であると感じた。
ヒロインの女性よりも、主人公の秘書役を演じたアンヌ・クレイスに目を奪われた。
とてもオシャレだし、とにかく愛らしい。
本作の後、映画に出演していないのが残念だ。
ただし、作品の内容自体はなかなか楽しめるものに仕上がっている。
傑作とまではいかないが、なかなかの良作である。
最後まで飽きずに観ることができたし、ラストの二転三転する展開も良かった。