1.ゲイリー・クーパー演じる少佐が、名誉勲章に推薦する下士官4人を引き連れ、コルドラ基地を目指し砂漠を行く。少佐は、リタ・ヘイワースの護送という任務も担っており、都合6名の行脚。勝気な彼女の存在が、何かとモメごとの元になり、敵襲あり、疫病あり、ゴタゴタ続きで、下士官たちと少佐との間は険悪なものとなっていく。ってな話ですが、かつて一度は臆病風に吹かれ戦いから逃げてしまった少佐が、この困難な任務を達成できるのか、がポイントになります。勇敢に戦った4人を無事にコルドラへ送り届け、勲章に推薦すること。しかし4人が本当に軍人として優れている訳でもないし、そもそも人間として優れている訳でもなく、過酷な旅路の中で、醜悪な本性をむき出しにしてくる。この逆境の中、もしも少佐が、崇高な目的を献身的に成し遂げよう遂しようとしてオハナシだったら、分かりやすいドラマになるところですが、本作ではそうは問屋が卸さない。下士官たちは皆、勲章なんか欲しくもないし、中にはそんなものもらった日には命を失いかねないヤツまでいる、という、超ありがた迷惑な状態。「それを無理やり勲章に推薦するのは、自分の名誉挽回のための、利己的な行為」と非難されてしまう、しかしこれって、まさに図星。という、まあ実に身も蓋もないオハナシなんですね。でも逆に言えば、少佐の方に、我々が文句なしに肩入れできる動機(理屈)が無いからこそ、彼がボロボロになりながらも任務を完遂しようとする姿(光景)そのものが、感動的なものとなってくる。大規模な戦闘シーンは最初の方のみで、その後はいささか地味な展開ではありますが、緊張感の方はしっかりと高まっていき、目が離せなくなっていきます。ただ、後半に向かうに従って、ちょっと歯の浮くようなセリフも多くなってきますが・・・。