60.主人公が経験することは非凡そのものなのに、この淡々とした語り口は何なのか。大掛かり過ぎるセットと大勢のエキストラが全て無駄に思えてしまうほど。しかし、そう思わせることこそがキューブリックの狙いだったに違いない。戦争中に呆気なく死んで行ったイギリス人にも、主人公にも大した差はないということか。映画の持つ虚構性を逆手に取った凄い作品。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-02 01:31:18) |
59.成り上がり物なのに高揚感が感じられず、でもそれでいて途中で見飽きるという事はない、何とも言い様のない映画でした。あと盾も防御策もなく生身で突撃したら只の的、そりゃ死にますって。あの時代の兵隊は本当にあんな突撃してたんでしょうかね。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-11 22:00:05) |
58.膨大な労力を費やして、人生の無常を証明する映画。なので共感や興奮を覚えるような、鑑賞者を充足させるような演出をわざと外しているきらいがある。そういうアンチテーゼをテーマにして3時間の映画を作ってしまうあたりが、この監督のフツーじゃないところ。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-10 11:27:20) |
57.ヨーロッパの広大な風景と生臭い人間の業が対になっていてよかったです。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-02 23:31:27) |
56.しつこいナレーション、説明台詞、起伏も必然性もない展開、役作りのされてない演技と、負のポイントばかりが目につくのですが、ラストまで見るうちに強引に納得させられました。というか、キューブリックに体力負けしました。ダラダラしているところが後から思い出すと何となくいい感じで印象に残っているという、困った作品。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-08-25 02:50:46) |
55.「祇園精舎の鐘の声・・・」ってのが思い出されましたよ。エピローグが全てを物語っていますな。三時間超の長さを感じさせない佳作です。にしても当時は作戦もへったくれもないあんな馬鹿な戦い方を本当にしてたんですかねー? 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-25 21:58:55) |
54.キューブリック映画としては至ってまともにみえる貴族成り上がりストーリーですが、美しい景色と映像、変な音楽の使い方、舞台や状況は変わっても起伏に乏しい展開と、何を考えているか最後までわからない主人公もあいまってこちらに感情移入させる気がないのか、蚊帳の外で鑑賞している気分でした。3時間もボーッと紳士と貴族の衰退を見ていただけで、どうにも感想が出しにくい。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-07-15 17:38:50) |
《改行表示》53.キューブリックは、やはり初期のモノクロ作品の方が良いですね。 本作は、『アマデウス』に似た作風である様な気がします。 音楽、映像は素晴らしいのですが、どうも役者陣に魅力を感じないのです。 個人的に、一代記モノがあまり好みではないというのも関係していますが、期待していたほどには満足できませんでした。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-03-09 02:21:26) |
《改行表示》52.映像の美しさへの執着心はやはりすごいと思いました。今の時代に撮影してもこれほど美しくは撮れないでしょう。 そして最後のセリフ。壮大な叙事詩とそれが一瞬にして自分の背景になる感覚。なんなんだ、一体。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-21 20:44:43) |
51.内容はいいと思うのですが、長くてつらい。映像が綺麗で、この時代の作品とは思えないほどでした。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-07-27 06:34:28) |
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50.風景が綺麗なシーンがいくつかあった。2001年みたいにもっと映像美に拘ってくれてたら良かったのに。時計じかけ・・2001年・・博士の異常な愛情・・・現金・・・と観てきましたが、これだけは楽しめなかった。何故だろう、何故だろう。全く理解出来なかった。評価も悪くないしつまらないはずが無い・・・もう1度観て理解したいなぁ・・・という気持ちはあるが3時間と言う時間の長さがそうしようという気にさせてくれない。観終わった後凄い疲れた。以前ゴッドファーザーのⅡとⅢをぶっ続けで観たけどその時と同じぐらい疲れたのは何故だろう、何故だろう。もう中世ヨーロッパは観たくないよ。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-01-24 18:54:30) |
49.決して全面的に主人公に共感出来たわけじゃないのですが長尺を飽きずに最後まで見れたのは語り口の上手さとじっくりと画面を見せつつも意思を持ったように動くカメラワークの巧みさによるものだったと思います。繰り返し奏でられるテーマ曲も独特な哀感が強調され印象に残りました。晩年の「アイズワイドシャット」はラストがあまり評判がよくないようですがこの「バリー・リンドン」でのラストの皮肉たっぷりの口上を見てキューブリックの反骨心がこの当時からずっと変わってなかったんだとわかり少し嬉しくなりました。 【MEL】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-24 19:41:18) |
48.溜息ものの美しさ。正直いって長かった。ラスト数分が一番おもしろかった。最後の言葉がまさにキューブリック。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-12-28 23:22:03) |
47.動く絵画。登場人物の演技よりも、景色が綺麗で目を奪われる。3時間は長いが、印象的なシーンが多く、何かがあとに残る。無常感。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-27 18:22:35) |
46.美しい映像に美しい音楽、そして下手な演技。最高だ、キューブリック最高だ!男版「風と共に去りぬ」って感じですね。風と共に去りぬでは、主人公の傲慢な感じに共感できずビビアンリーの熱演にもかかわらず不満を抱いてしまった僕が、主人公に観客を共感をさせないように演じさせたバリーリンドンでは見事にやられてしまいました。小説の映画化は、小説で描ききれた主人公の心理描写が省かれてしまうので、納得できないことが多々あります。その例が風と共に去りぬであり、最初から主人公に共感を抱かせないようにして映画の弱点を見事に克服して見せたのがバリーリンドンだと思います。このあたり、キューブリックの手腕はさすがです。映画を知り尽くした巨匠だからこそできる映画史に残る試みですね。なのに他のキューブリックの異色作(これらは言うまでもなく名作)の影に隠れている感じがとても残念です。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-15 00:23:53) |
45.確かに映像はものすごく美しいんだけど、「博士の異常な愛情」「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」のSF三部作と比べるとどうしてもストーリーに物足りなさが残る。バリーにあまり魅力を感じないせいかもしれない。あと、この映画を観ていると『2001年~』のナレーションを直前でカットしたキューブリックの判断はやはり正しかったと思わざるを得ない。観る側の解釈の自由もへったくれもないもん。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-10-26 23:33:26) |
44.キューブリックの中じゃあんまり好きじゃないな。 |
《改行表示》43.中世物は苦手なのですが、さすがキューブリックでした。美しい。衣装やセットが美しい 作品はたくさんあるけれど、光の使い方と構図によってそれが最大限にいかされていました。本当にキューブリックはセンスが完璧ですよね。私が生まれるよりも前に撮られたとは思えない。ストーリーも比較的わかりやすく、素直に物語を追って見ても、わかんない、とかつまんない、とか思わずに済む作品だと思います。もちろんその裏にあるものを想像するのも楽しい。主人公がいい人とも悪い人ともとれず、ただ一生懸命生きているのに応援する気もわかない。たまに哀れに思うだけ。奥さんにいたっては哀れに思うことさえない(苦悩が描かれていないから)。こういう人がいてこういう一生を送りました、というのを上手くまとめているだけなのに、これだけひきつけられるのって本当にすごい。見せ方が上手い。構成が上手い。ちょこちょこといろんな出来事が起こってそれがまた上手いので興味をそそられる。ほかの人が撮っていたら駄作になっていた可能性の高いストーリーだと思う。 【るいるい】さん 9点(2004-12-23 21:32:50) |
42.とても哀しい映画である。物語と観る者の距離があまりにも遠いがために哀しい。 【はざま職人】さん 9点(2004-11-11 23:51:41) |
《改行表示》41.この上なく美しい映画です。芸術性を追求し続けた70年代前半までとは違い、1975年公開のこの映画では主役に当時「ある愛の詩」で人気者となっていたライアンオニールを起用。興行的成功も求めました(結果的には失敗に終わったが)。しかし芸術面でも、19世紀をこれだけ再現しようと努めたキューブリックのこだわりは半端ではない事が分かります。プロダクションデザイナーはさぞかし大変だったでしょうね(苦笑) 草原のシーンも、まるで絵画を切り取ったとかのような美しさですが、室内のシーンを何百本という蝋燭の灯りだけで撮ったシーンは秀逸で、ポワ~ンとした雰囲気が当時の貴族社会の食事シーンや賭博のシーンに垣間見られ、すごいなぁと思わせるのです。 遺作の「アイズワイドシャット」までずっとこだわったキューブリックの光へのこだわり。ちょっとフィルム粒子がザラザラ感じても、それでも自然光にこだわり続けた彼の意志の強さは、さすが元ルックのカメラマンだっただけの事はあるのです。 狂気好きのキューブリック映画において、狂気をあまり感じないこの映画。それは痛烈すぎる映画の美が、平民の若者レドモンドバリーが貴族に成り上がろうとする気持よりも勝ったからかもしれませんね!? |