12.デヴィッドストラザーン演ずるマローがまるでその時代の人かと思うほどはまっていて素晴らしかった。この人もモノクロで映える人だと思った。またモノクロのおかげかタバコの煙が絵になる。どんだけスタジオは煙いんだろうと思うほどチェーンスモーキングが集まっている。個人的にはマローの長セリフの度にタバコが燃え尽きやしないか冷や冷やしてしまった…。 【おっちょ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-24 18:55:12) |
11.観始めてから約30分位経ったところで観るのが苦痛になってしまった。マッカーシズムについて殆ど知識が無く、エド・マローという人物が何者なのか?という事前知識が無いと楽しめないと思います。よって一旦DVDを止め、知識の習得に入りました。そうするとこの作品は実に面白い、この作品はマッカーシズムを主体に扱っているのでは無く、エド・マローと言う人物をヒーロー化しようとしているのでも無いのです。これらは単なる材料なのです。その証拠に、マッカーシズムが行われている場面は殆どなく、当時の映像がそのまま使われていたり、番組スタッフの台詞のみでその背景が語られているのです。エド・マローの人物像に関しても、確かにカッコよく撮ろうとはしていますが、マッカーシズムに対する実情を訴えているのみで、自分がマッカーシズムを潰してやるとの意気込みまでは感じられない。この映画の主体はエド・マローという人物を使って報道メディアとはいかなるものなのかを訴えています。冒頭パーティーの席でエド・マローが壇上で言い放つ、テレビとは如何なるものか・・・どう有るべきか・・・との演説には日本の放送局にとって耳の痛いメッセージになったのではないでしょうか? 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-23 11:34:33) |
10.「報道」とは何なのか。テレビというメディアの役割とは何なのか。それを改めて問いかける為に使われた素材が「アカ狩り」。この日本人には馴染みの薄い事件を話の中心に据えた事で、「アカ狩り」を知らない人には、この作品は随分と薄いものに映るかも知れない。この時アメリカで行われていた「アカ狩り」の様子は、「狂気のマッカーシー旋風」とも形容され、共産主義者を疑われた者が調査委員会の召喚を受けた時の様子などは、さながら魔女裁判のようだったという。しかしジョージ・クルーニーは観客がこれを「知っていること」として話を進めているので、この映画の中からそうした狂気はほとんど感じ取れない。この映画で描かれるのは、あくまでも報道の自由と信念を守るために、ブラウン管を通してスマートに戦う男の姿であって、事件を知っており、かつ「集団心理の狂気」みたいなものを見ることに辟易としている自分などは、この全編を貫くスマートさは歓迎すべきものなんだけれども、事件を全く知らない人には、「???」な映画かも知れない。「興味があるけど、アカ狩りは知らない」という人は、予備知識を入れておく事をオススメします。本来そういう映画はよろしくないんだけれども。最後に、自浄努力もしないまま健康番組の捏造で大騒ぎする日本のメディアと「騙された!」と憤慨する視聴者に、Good Night,and Good luck. 【C-14219】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-31 23:58:29) (良:1票) |
9. 「もしテレビが娯楽と逃避のためだけの道具なら、もともと何の価値もない。」というエド・マローの言葉は、スポンサー第一で視聴率に一喜一憂し、安易なバラエティ番組と報道番組とはとても言えないニュース・ショーが氾濫している日本の民放テレビに捧げたいですね。 しかし、50年近く前から警鐘が鳴らされているのに進歩が無いんですね・・・・・(まあ、我々の方でも情報の取捨選択をしていかなければならないんでしょうけど・・・・)。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-26 21:45:07) |
8.冴えざえとしたストラザーンのエド・マロー。番組の終わりに決まり文句を口にする際にだけ伏せられる真摯な眼差し。のっけから‘When I fall in love’にとらわれ、極端に被写界深度の浅いモノクロ画面が50年代のCBSに放り込まれた気にさせる。渦巻く紫煙は時代を生きる彼らの息吹とも。製作中は父に同化する思いだったろうクルーニーは、彼らの真実から離れぬことだけに心を砕いたように見え、ゆるく流れるスタンダード以外に飾りらしいものは見当たらない。それを素っ気ないととるか、潔いととるか。正義、良心、それら言葉にすればたちまち濁る水晶を内にもつ男たちは、まごうかたなきジュルナリスト。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-08-04 22:08:39) |
7.志の高い作品なので低い点はつけられないが、少しこじんまりとまとまってしまったのは何とも残念。ほとんどのシーンは放送局の中だし、例の告発放送についても、それに向けた準備などもっと丹念に描写できたのではないかと思う。肝心の部分はすべて主人公が原稿を読む形で伝えられるため、映画を見たのではなく、単に制作者から口頭でメッセージを聞いただけのような気になる印象は拭えない。もちろん、そのメッセージの内容は、今日においても少しも価値を失ってはいないが(むしろ、ますます価値を高めてすらいるのだが)。ストラザーンの気合のこもった役作りは素晴らしく、作品の印象度を高めている。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-07-03 00:14:13) |
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6.「赤狩り」がテーマだと思っていましたが、「ニュース番組」がテーマに思えました。政府に立ち向かい、自由を勝ち得るための戦いを期待していたのですが、現在のマスコミと同じく、問題提起をしただけのような気がします。サスペンス的な要素を期待していたため、肩すかしを食らった気分です。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-06-25 22:54:22) |
5.ある程度歴史的な知識のある人には意義のある映画化もしれません。 アメリカ人がこの映画を見た場合には、ある程度細部も理解できるでしょう。 ただし、赤狩りについての知識のない人にとっては、あまりにも内容が深く全体が つかめない映画になってしまうと思われます。 これはアメリカ人のための映画かな・・・と思ってしまいました。 歴史を勉強しようとするきっかけになれば幸いなんでしょうけど。 【トラッキー】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-06-21 21:20:09) |
4.正直、「赤狩り」というアメリカ史上に残る“事件”について明るくないので、いまひとつ詳細を理解しきれなかった部分はあるが、権力による紛れもない“弾圧”に対する力強い“ジャーナリスト魂”に奮える。 「言葉の強さ」なんて言いふらされたことかもしれないが、あらためて、人間にもたらされた最大の武器は、剣でも銃でも爆弾でもなく、“発言の勇気”なんだと思った。 世界に対し自由を謳うアメリカという大国の実情は、闇と愚かさに溢れている。だがそれでも、この国が世界中から愛される理由は、どんなに闇にまみれても、いつの時代もエド・マローのような人間が力強く存在するからだと思う。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-05-27 00:37:55) (良:2票) |
3.やたらタバコが煙い。劇中ケントの生CMが入りクレジットにしっかりBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の文字が。シラけるなぁ。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-05-19 20:35:15) |
2.戦後のハリウッド界とは切っても切れない一大事件である「赤狩り」を描いた作品。そこに説教臭さはなく、マローにリンクするように、911以降の「表現の自由」に関する議論に一石を投じた、実にクルーニーらしい洒落た作品。本作でオスカーを逃したことを悔しがっていたのもよくわかる(クルーニーの演技自体も「シリアナ」より良い。)。「絶対的に公平な報道なんてない。」というマローの言葉は、現代の人々にとっても耳が痛いのではないだろうか。アメリカという国は決して「自由の国」ではないことは、誰でもよくわかっている。しかし、それでもアメリカが魅力的に映るのは、それを覆せるだけの力があること。本作からクルーニーのアメリカ、父が関わっていたマスメディア、ハリウッド、それぞれへの敬意が見えてくる。あと、デヴィッド・ストラザーンも素晴らしかった! 【こばやん】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-05-18 23:43:07) (良:1票) |
1.しまった、ある程度当時のことを勉強して行けば良かった、というのが一番の感想。淡々としたムードの中にも男達の心にふつふつと煮えたぎる静かな熱い思いというものが感じられて良かったのに、小難しい話になると「ああ、そうなんだ」と納得して軽く流すことしかできなかったので非常に悔しく思いながら観てました。ただ頭ごなしに娯楽番組を否定するマローさんの演説にはちょっとストレスがたまりました。 【bizen】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-05-15 21:50:44) |