50.間宮とのかみ合わない会話と、それゆえに心に入り込まれてしまう恐怖は、なかなか見事に描かれていた。後半の怒濤の、説明を排した展開というのは、たとえば、それを間宮の(そして高部の)「本質的な異常性」や「不幸な境遇」みたいな、ありきたりでわかりやすい「動機」でもって説明すること自体が無意味だという主張なのかもしれない。なのに、その結果おきた殺人の数々は、「気にくわないから殺す」「殺してみたかったから殺す」みたいな、ものすごく利己的で単純極まる理由だったのが皮肉。ただ、個人的には、説明できないものを、なんとか映像と言葉の力でもって表現しようと努力するのが映画作家だと思うので(観客に解釈を委ねるのは、その意味では怠慢)、それを放棄したようにみえる本作の後半の展開は残念だった。 【ころりさん】さん 5点(2005-02-28 10:54:30) (良:1票) |
49.いやぁ、アイロニーたっぷりのcure(癒し)ですね。、、、、現代社会に生きる誰しも、デブの精神科医のいうように「あんたの方が病気に見える」存在であり、心の中に、鬱屈したものを抱えていて、殺人という行為が、それを放出して癒すことだとすればですが、、、、、。それと「あんたはだれ」という問い。、、、、「鈴木三郎で~す」「○○商事の社員で~す」「○○歳、花婿募集中のOLどぅえーす」とか、名前、性別、職、などの社会的役割を答えることで十分な回答だと考えている人に対してなら、確かにインパクトのある問いかけかもしれません。、、、、、しかし、個人といったって、様々な社会的システムの結節点のようなもので、実体化できるものではないと覚醒していれば、「あんたはだれ」といわれたら、「お前、そんな質問に回答があるとおもってんの」と答えるしかない。、、、、、そういう観点からいえば、それぞれの人に、その人を規定するような本質、コアなどないということになる。、、、、、、、ということで、この映画ですが、、、、、人間の深層心理をあまりに単純化しすぎている、と私は思います。役所広司だって、奥さんのこと、愛していると同時に、憎んでいるんじゃないかなぁ。単に社会的義務から、扶養しなくちゃいけないけど、うまくいかなくて憎んでいるんじゃなくて、愛しているから一緒に暮らして楽しくやりたいけど、それができないから憎んでいるんでしょ。、、、、、だったら、殺したって、癒されないじゃないですか。(前者なら、憎むべき対象は社会システムであって、奥さんじゃないし)、、、、、つらつら自分のことを考えてみるに、嫌いな奴はいっぱいいるけれど、殺してやりたいという奴はすぐには見あたりません。監督は、自分の心理を一般化しすぎではないでしょうか。、、、つまりcure(癒し)が一番必要なのは、監督自身のようにも思います。 【王の七つの森】さん 6点(2005-01-25 10:10:52) |
48.展開がたるい。殺人シーン、工夫なし。台詞、聞こえづらい。画面、登場人物、暗い。 間宮の会話、くどい。怖くない。内容よりもそういった演出のセンスのなさの方が気になってしまいました。これらの点をポジティブに捉えられる人がうらやましい。 【カタログ】さん 4点(2004-11-11 17:22:29) |
47.これは面白かったし、非常に解り易かった。溜めの無い殺人シーンはとにかく衝撃的。BGMもカット割りも無く、淡々と、いきなり人が殺されていく。手持ちカメラによる、うざったくない(且つ、俳優の動きと構図を良く考えた)カメラ・ワークも良い。言葉遣いは丁寧ながら、のっけから危険人物っぽい役所広司の演技も秀逸。そして、不安感を煽る全編に響く重低音。これは全て演出の勝利でしょう。黒沢清の映画は唯でさえ解りにくい作りなんだから、話まで解りにくいと、本当に訳が解らないで終わってしまう。彼の作品は、このくらい解り易いストーリーの方が断然良いと思う、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2004-11-03 12:33:38) (良:1票) |
46.作品を覆うじわじわと絡み付いてくるような嫌悪感のある表現は確かに口の中が苦くなったが、犯人に誘導されて犯行に及んでしまう善良な人たちの描写がやや紋切り型なので、誘導される側に立った恐怖感は少なかった。ラストの展開も唐突過ぎて、これで何かを考えろというのは無理があるような気がした。萩原聖人はかなり役にハマッていたが、そのルーツが不明瞭なためか、輪郭しか見えてこなかった。まあそこが不気味といえば不気味なところなんだろうけど。うじきつよしを教授としてキャスティングした事も含めて、全体的にもう少し説得力がほしかった。 【Beretta】さん 6点(2004-10-18 23:20:11) |
45.黒沢監督の映画は独特の黒さがあって、伝えづらいけど何か「いやぁな感覚」に襲われる。でもついつい見てしまうのです。 【オカピ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2004-08-23 02:09:15) |
44.どうしよう、、、、、全然怖くない(笑)。皆さん怖いとおっしゃるのに、なぜ自分は怖くないのかと考えること小一時間。そうか、僕の観てる態度が悪いんだ。最初から怖いと聞いていて、それで観たもんだから、怖さの分析をして観てた。映画はなるべく、先入観なしで観るべきですね。なんとも心理学的な映画だったせいか、自分で自分のの精神分析までしていました(笑)。 【あろえりーな】さん 5点(2004-07-22 03:59:53) |
43.楽しめました。うまい役者さんがそろっていますね。 【たかちゃん】さん 6点(2004-07-07 13:10:55) |
42.普通に面白かったです。緊張感もありましたし。キャストもみんな大はまりだったと思います。もう何度も見直しましたけど、みんなうまいな~と心から思える作品ですね。 【書記】さん 8点(2004-06-23 16:18:13) |
41.一番怖いのは刑事役の役所広司の暴力性な気がする。やはり催眠という題材と、動機が結びつきにくいんだと感じました。 |
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40.黒沢清の映画の中で一番おもしろいと思う。 この得体の知れない恐怖。うじきつよしの狼狽っぷりが忘れられない。 荻原聖人、一世一代のはまり役。 【ふくちゃん】さん 8点(2004-06-13 15:02:16) |
39.和製サイコホラーの最高峰だと思う。作品中で執拗に繰り返される、間宮とその他登場人物たちの会話が、観ている我々の心までも蝕んでいくようだ。映画そのものよりも、自分の潜在意識が恐くなる。そして、気分が悪くなる、そんな作品だ。 【なおてぃー】さん 7点(2004-03-30 03:17:50) |
38.怖い。怖いといっても心臓バクバクドキドキするような怖さではなくて思わず寒気がするような怖さ。 【新井】さん 7点(2004-03-25 17:32:32) |
37.怖い映画でした。黒沢監督の映画はともかく雰囲気がいいですね。感覚で怖がらせてもらいました。和製ホラーの中で結構好きな映画です。 【ゆうしゃ】さん 7点(2004-03-15 11:10:14) |
36.洞口依子に究極のエロティシズムを感じてしまった。自分の中の狂気が呼び覚まされてしまったのだろうか。ちょっと怖い。 【もとや】さん 7点(2004-03-10 21:28:06) |
35.黒沢清の中では、バランスが良くて雰囲気も好き。 (ビデオ) 【zero828】さん 8点(2004-02-25 21:54:47) |
34.日本のサスペンスは、どれも同じと思っていましたが、これは断然違いました。結末がまったく予測できず、ハラハラドキドキしながら最後まであっという間に見ました。これは面白いですよ~! 【まるこ】さん 8点(2004-02-23 21:49:05) |
33.黒沢特有の空虚感はあります。でも何かつまらないです。萩原聖人はいい演技をしていたし、ストーリーも申し分ないと思います。でもやっぱりつまらないです。 この映画辺りから黒沢監督は大々的に注目されるようになったと思うのですが、この映画辺りから疎遠になりました。「黒沢をつかずはなれずいつも注目しているファン」をやめました。多分私が黒沢監督に求めていたものは間違っていたのだと思いました。 ただ私の黒沢への解釈が間違っていただけで、その解釈と先入観さえなければ今の彼の映画は大好きだったと思う。 |
32.これに関しては、「へえ、和製サイコホラーでもこれだけ健闘出来るんやん」と思った記憶がある。和製サイコホラーは幾つか観たけれど、ほとんどゴミです。中には罵倒したいものもある。それに比べてこれは結構良い出来でした。説得力は感じなかったけれど、雰囲気をある程度作っていた時点で、勝ち組の部類には入るでしょう。 【ひのと】さん 6点(2004-02-12 20:24:45) |
31.誰の中にでも潜む狂気。ふとした瞬間に芽生えてしまう殺意。殺人は決して特別な人間が特別な感情で犯してしまうコトではない。それがひしひしと伝わってくる恐怖。思わず目を瞑りたくなるようなエグい場面もさることながら、次第に狂っていく周囲の人間たちの描き方が秀逸である。和製サイコホラーとしては成功だろう。飄々としている犯人役の萩原と感情が空回りしてしまう刑事役の役所というキャスティングも適役である。 【HARVEST】さん 7点(2004-01-27 00:21:50) |