11.旅をするために旅に出発した二人、詳細なプランは特別にはない、目的地はハンセン病施設。
そんなあてどもない旅を通して、ゲバラが何を見つけ、何を学んだのかという視点が上手く描かれていた。
学んだものは、ぶつける事が出来ないどうしようもない怒り、やりきれない想い、人々の貧しさと、人のために役に立ちたいという漠然とした気持ちが強い想いに変わったこと。
旅を通して自分が何をなすべきかを探し得たのではないだろうか。
嘘をつくことが出来ない、わけ隔てなく人に対して向き合い、人に対しての愚直なまでの率直さが、ガエルガルシアの真っ直ぐな眼差しとあいまって、人々を惹きつける魅力となっている。
旅をしているうちに様々な人々と触れ合い、大きく変わっていく自分。
そしてもう戻ることが出来ない自分もいた。
旅もそうであろうが、自分に対しても郷愁と興奮があるように感じる。
もう戻ることが出来ないなつかしい思いのする自分と、どういう人生を歩んでいくか興奮を感じさせる自分。
そのような目的を見つけ、皆にスピーチするゲバラを見つめるアルベルトはどことなく羨ましそうだった。