20.アカデミー賞というは、映画に対する一つの価値観でしかないと思っているが、今年のノミネート作品の中では本当はこの映画こそ受賞にふさわしい映画ではなかったのかと思う。非常に良い意味でアカデミー賞を獲るべき作品であると思う。 ハワード・ヒューズという人物の知識はまるで無く、この映画で描かれることがどこまで真実なのかは分からない。しかし、少なくともこの映画の中で息づく彼の姿は、まさに伝説であり、最高のスタッフによって描かれるべき人物であると感じる。夢を追い、夢に生き、夢に苦しみぬいたヒューズの姿に、ひとりの人間として複雑な感情が渦巻く。果たして彼は“成功者”なのか?多くの人達が彼の成功の是非について語ってきたのであろうが、ヒューズにとって本当はそんなことどうでもいいことなのだと思う。最初から最後まで、世界で唯一無二の“飛行機野郎=AVIATOR”であり続けることが、彼の望みだったのだ。そしてそれを体現し続けたハワード・ヒューズという人物はやはり“伝説”なのであろう。 それにしても、またしても大願成就ならなかったスコセッシとディカプリオ。彼らにとって最高の仕事をしたと思うだけにとても気の毒だ。他の賞ならいざ知らず、やはりアカデミー賞だけは、良い意味でも悪い意味でも“狙って獲る”というのが醍醐味であり伝統のような気がする。「ミリオンダラー・ベイビー」を観ていないので本当は何とも言えないのだけれど、既に受賞経験があり余裕綽々のイーストウッド&スワンク組よりは、獲る気満々のスコセッシ&ディカプリ組が受賞した方が盛り上がったような気がする。まあ“またも受賞ならず~!”というのもドラマティックな気もするけども。スコセッシは次作再度ディカプリオと組むそうで、これはこれで映画史における“伝説”になり得そうでなんだかワクワクする。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-04-02 10:44:20) |
19.ギャングオブニューヨークが長くて退屈に感じ、あんまり好きじゃなかったんですが、今回のアビエーターは前作よりも結構面白かったです。テンポが良くて2時間くらい苦もなく見られました。さすがに中だるみを感じるところもあったけど、最後まで入り込めます。ハワード・ヒューズについては前知識はほとんど無かったけど、一本の映画としてちゃんと見れる映画になってると思いました。映像もなかなか迫力ありました。あざとく感じられるところもあるけど、ギリギリで踏みとどまってる感じ。飛行機が群れをなして飛び立っていくシーンが楽しい。主人公がトイレで必死に手や服を洗うシーンのほうが、後半の心象風景などよりはよっぽど良かったと思います。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-04-02 08:50:55) |
18.飛行機好きなので、とにかくワクワク。。「地獄の天使」の撮影シーンなど、実機勢揃いで最高。ロッキード・コンステレーションの優美な機体には、TWAの塗装がよく似合う。当時の映画界の状況をうかがうことができ面白かった。 キャサリン・ヘプバーンは、おばあちゃん役ばかりと思っていたが、若き日の華やかさを知り妙に感心。ヒューズの人物像と人生を丹念に描いているが、公聴会の尋問ではちょっとダレた。 【ちくわ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-04-02 01:02:55) |
17.今回のアカデミー賞は演技賞ではなく、本当に「モノマネ大賞」だったんだなぁと思った。それ位にケイト・ブランシェットの登場シーンはインパクト大。独特のアクセントで繰り出すマシンガン・トークから、顎を上げて「ハハッ」って笑う所までキャサリン・ヘプバーンそっくり。私はここで声を上げて笑ってしまいました(恥)。これでは、ほんのちょっとしか出番がないのに、体重増やしてまでエヴァ・ガードナーに挑んだケイト・ベッキンセールも、終始眉間に皺を寄せてるレオ様も霞んでしまいます。で、映画は、途中から無性にハワード・ヒューズを応援してる自分がいたので、鑑賞後の印象よりは楽しめたのかもしれません(もちろん「ギャング・オブ・ニューヨーク」よりは面白かった)。手抜かりの無い贅沢な映像にも満足。という訳で、6点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-04-02 00:09:46) |
16.監督はできるだけわかりやすく作ったし映像を観ても頑張りは痛いほど伝わってくるので無下に面白くないとかつまらないとは言い難い作品だと思う。しかしヒューズの伝記映画を観るつもりで来たお客さんにとっては期待外れかもしれない。ほとんどの場面が本人の心象風景だったり飛行機のシーン。むしろヒューズが部屋で狂っている姿やトラウマをあそこまで見せる必要はなかったように思う。役者が演技力を見せたいためにああいうシーンを演じたがるのはわかるがそういう製作サイドの押し付けがこの映画には多い。そちらは削って交遊関係や彼が何をしてきたのかを映像化した方が追い詰められていく精神状態や内面を観客が理解できて良かったように思う。あれほど波乱に飛んだ男の人生を幼少時の母親との関係で象徴してしまうというのも浅く感じる。レオは良い役者で今回の演技は上手かったがあの役を演じるには華奢すぎるように見えた。 【snow】さん [映画館(字幕)] 3点(2005-04-01 21:31:00) |
15.3時間近い長丁場でしたが、なかなか楽しめました。公聴会のシーンはただだるいだけだったけど・・・あと、本物の飛行機がたくさんでましたね。それだけでもすごいと思います。 【シェリー・ジェリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-04-01 20:30:37) |
14.この作品を好意的な評価で迎える人はカナリの映画ファンなんだろうなぁ。僕みたいなド素人にはこの作品の良さがサッパリわかりません。この作品は娯楽作品ではなく、芸術作品だと思う。スコセッシの作品は雰囲気を楽しむものだというのはよくわかってるんだけど、伝わらない。自分にとって映画という文化は娯楽文化であって、それ以上でもそれ以下でもない。「わかる奴だけわかればいい。」っていう心境が見てとれる。けれど、やっぱり僕は芸術の観点からだけで映画を楽しめることはできない。もちろんスコセッシのような監督がいても良いと思うし、むしろいるべきだと思う。ある意味タランティーノより自己流だ。一応、娯楽映画としての観点からレビューをしておこう。若くして成金となり、飛行機や映画という夢を次々と成功させたハワード・ヒューズの一生を描いた本作。しかし、サクセスストーリーの要素は少なく、大半が精神障害に悩んだヒューズの晩年を描いている。他サイトなどを観ていても「無駄な描写が多い」という意見が目立つが、一人の人間の半生を描いた作品としては、三時間弱という長い時間の中に無駄な描写は一つもない。では何故そのような意見が目立つか。僕が思うに、多くを描きすぎてメッセージ性に欠けてしまっているのだと思う。良かった点は、やはり役者の演技力。特にケイト・ブランシェットはオスカーを獲得しているだけあり、見事にキャサリン・ヘップバーンという大女優を演じ切っていた。ディカプリオも数年のうちに獲れるでしょう。今年はその他が強すぎた。しかし、本作が作品賞も監督賞も逃したということは、本当にアカデミーはスコセッシを嫌ってるんだろうなぁ。どこをどう観てもアカデミー好みなのに。さすがにその点は不公平か。 【こばやん】さん [映画館(字幕)] 1点(2005-04-01 14:41:04) (良:1票) |
13.レオ様はやっぱりすごいわ。何がすごいって眉間のしわがすごい。眉間に10円玉突き刺さりっぱなしだったもん(ウソ)。でも彼の演技は一見の価値ありですよ。アカデミー賞が獲れなかったのは残念だけど、まだまだチャンスはあるから。逆にスコセッシは獲る気マンマンで、このネタを持ってきたレオ様に賛同したのかなと。そうでも違くてもアカデミー会員はそう思ってしまったんでしょう。ハリウッドが好きそうな話だけど「“ああ、やっぱり!”とは思わせないもんね」とニヤついている会員の顔が目に浮かぶようです(作品賞監督賞の『ミリオンダラーベイビー』は観てないけどさ)。実在の人物を演じるのは難しいよね。そっくりに真似てしまうか、それかまるっきり自分なりのその人物を作り上げてしまうかのどちらか(『レイ』のJ.フォックスは前者でレオ様は後者)。ただその映画が世界戦略となると元の人物の知名度がモノを言ってくるわけで。アメリカではハワード・ヒューズといえばめちゃんこ有名かもしれないけれど日本だと「誰?」ってことになる。だからレオ様はレオ様でいいのだ。アホみたいに金を掛けている映画だけどハリウッドだから全部オーケー。次はもっと派手にやっちゃってください。 【ひろすけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-04-01 01:40:46) |
12.やっぱり2時間以上の上映時間は長く感じました。率直に言うと前半の映画撮影のシーンは必要なかったと思います。ひたすら飛行機の映像にこだわる一方でヒューズの苦悩にもスポットを当てているのでテーマが何なのかもハッキリせず、ラストも非常に中途半端でした。ハーキュリーズの飛行の場面で主人公の成功を暗示していたようにも思われましたが、苦悩のシーンが長かった割にはカタルシスが得られなかったのはとても残念です。ディカプリオの後半の精神病の演技のはうまかったと思いますが、それでもオスカーを取れなかったのは判るような気がします。一方でケイト・ブランシェットの演技は本当にストイックで脱帽しました。 【マイカルシネマ】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-03-31 17:00:19) |
11.僕はいつもスコセッシの映画にクールさとスタイリッシュさを見てきました。彼の映画は実に音楽的です。独特な編集やカメラワークは独特なリズムとテンポ、構成を生み出し、男性的、女性的な側面を作り出します。スコセッシはいわば黒人ラッパーのようなもので、彼が歌うその歌詞はいつも人生の儚さ、切なさ、愛、夢と欲望を語り続けます。僕はそのスタイルに魅了され、そしてこれからも魅了され続けるんでしょう。それにしてもハワード・ヒューズ、本当に凄い人ですね。アメリカの申し子という感じで。強迫症、潔癖性の部分が彼のプラグマティズムな部分とどういう風に関わってるのか、まだちょっとよく理解できていないので、これから時間をかけてそこらへんを探っていきたいです。時間はちっとも長くなかった。良作です。 【あろえりーな】さん 7点(2005-03-29 03:37:12) |
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10.話題の映画のはずですが、映画館は僅かに30人程度しかおりませんでした。3時間ものなのでお尻の痛みを覚悟していたのですが、割と面白い映画でしたので、まあ耐えられました。さて、内容ですが、これが実話に近いのであれば、まさに本当にお金持ちなんですね。少年時代の母親の偏愛ぶりとかは割とあっさり描かれ(というか殆ど描かれていない)、機械いじりに天才振りを発揮する部分は省略、その結果、その後の彼がなぜ機械好きなのかもうひとつ説得力に欠けます。また、墜落事故から1年で奇跡の回復を遂げるところが省略なのはまあいいとして、容貌・性格が激変したところは描き足りません。と、いくつか不満はあるのですが、概ね楽しめました。男性向きかも。あ、それから軍事マニア、飛行機マニアにはお勧めです! 【ぴよっち】さん 7点(2005-03-27 18:04:28) |
9.長年スコセッシのファンをやって来て、ほとんどの作品は観て来たけれど、これで作品賞が獲れなかったんだとしたら、もうこれから先彼が受賞出来ることは無いんじゃないだろうか。『グッドフェローズ』にも欠点はあったし、『カジノ』にも『ギャング・オブ・ニューヨーク』にももちろんあった。それでもスコセッシが出さざるを得なかった拘りの部分を上手に殺して、彼が始めて「賞獲りレース」に本気を出したのがこれだったと思う。その分スコセッシ節みたいなものは幾分弱まっている気がするが、安定感や迫力ある絵作り、魅力的なキャラクター作りといったスコセッシの得意とする部分は決して色褪せてはいない。わたしはレオナルド・デカプリオを美男子だと思ったことは一度もないが、演技者として一流であり、銀幕を支配するだけのオーラを持っているとは12年前から思っている。これだけ登場人物の多い168分の長編をほとんど出ずっぱりで引っ張り抜いた存在感はやはりタダモノではないと思う。やっぱりデ・ニーロの後を継いで、スコセッシと組んでいるだけのことはあるのである。あらゆる意味でスコセッシ作品の集大成とも言える作品だが、この作品で獲れないアカデミー賞ならもう二度と狙う必要はないだろう。わたしはもう、オスカーなんかに何の意味も感じないね。この作品を超えたというのなら、もう勝手に言っててくれという感じである。スコセッシ万歳。 【anemone】さん 10点(2005-03-26 23:56:12) (良:1票) |
8.デカプリさんの留守電に「いい役者さんの顔になってきましたね」と2回くらい吹き込んでやりたい。映画は面白くないけど。 それとブランシェットのボストン訛りがいらつく。 |
【たま】さん 6点(2005-03-26 17:36:49) |
6.ハワード・ヒューズの生き様を知っていることが大前提だと思う。 アメリカでは誰もが知っている超有名人で伝説の人らしいので、 1から10まで描かなくてもアメリカ人は楽しめるんだろう。 が、鑑賞前に軽くネットで半生をなぞっただけの僕は、置いてきぼり感を味わいまくり。 “起承”だけが描かれて“転結”がない部分が結構あり、 “結局この後どうなったんですか?”と、何度思ったかわかりません。 あまりに常識すぎて、描いてないんだろうケド...。全体的に一本調子で盛り上がりも特になく、え、終わり?って感じで終了。 全編通して雰囲気は最高だったけど、そんなけ。CMで“真実の愛”がどーと言ってるけど、そんな感じではなかったので、デートで使う予定の人は要注意。 【巷説犬福物語】さん 4点(2005-03-17 21:24:53) (良:2票) |
5.足らないのに長い!終わり方も中途半端。晩年何十年も引きこもったシーンが無い。プレイボーイキャラを確立させたかったであろうベッキンセールの存在を登場させる必要も無いように思う。ブランシェットの演技は魅力満点。 【モチキチ】さん 3点(2005-03-14 19:27:21) |
【am】さん 5点(2005-03-04 18:36:30) |
3.ディカプリオの演技は見応えがあったけど、2時間30分のストーリーには正直長かった。 【珈琲時間】さん 5点(2005-02-25 02:55:12) |
2.オスカーにノミネートされたから観にいったけど、最初30分からつまらない。2時間40分は長すぎる。レオは頑張っていましたが、シナリオがなんともまとまりなくもったいない感じ・・残念です。 【ちひろ】さん 4点(2005-02-15 08:40:59) |
1.デカプリオの鬼気迫る迫真ある演技はすばらしかったが、作品としてはイマイチ。。。もともとハワード・ヒューズのことを伝記なんかで良くしっているか、彼に興味がある人なら楽しめると思うが、そうでない限り、お話しとしてみるとまとまりがない。自分自身はハワード・ヒューズの生き方に非常に興味があったので見に行ったのだけど、それでも、作品としてはイマイチに思った。(少なくとも前半のハリウッドの話しか、後半の軍・政治がらみの話し、どちらかにテーマを絞るべきだったと思う。)というわけで、デカプリオの演技には9点いや10点あげたいけど、作品としてはこの点数。(デカプリオには是非アカデミー賞主演男優賞をあげたい!もちろんJ.Foxxでもいいけど(笑)。でも、この映画には作品賞をとってもらいたくない。。。)追伸:日本語タイトルを、「ザ(ジ)・エイビエーター」または「ザ(ジ)・エビエーター」としたほうがよいだろう。彼こそが飛行家の中の飛行家という意味も込めて。"The"をつけて名乗れるのは彼だけ! 【あまね】さん 5点(2005-02-05 12:59:14) |