1.東京ドーム特設の巨大アイマックスを2階席からという、凄いんだかショボいんだか微妙な状態で見させて頂きました。最初の印象はかなり悪くて、これは『マッハGo Go Go』ではなくて、極彩色な未来都市の奇抜なコースを無茶して走ってる、ゲームの『F-ZERO』の映画化でしょうよ、って。ドラマにしたって類型的な、薄べったい物語が展開するばかりですし。だけど、映画が進んでゆくうちに、最初はバカバカしく見えた映像表現(コマを割るかのように横スクロールのワイプで次々と映像が切り替わってゆきます)が徐々に快感になってゆき、覆面レーサー(映画ではなんだったっけか、レーサーXでしたか)登場あたりから原作リスペクトの色合いがとっても濃くなってきて。見る前はクリスティーナ・リッチがミッチー(トリクシー)ってどうよ?ってカンジでしたが、やがてホントにミッチーに見えるよ!みたいな。アニメでお馴染みの装備を施してのラリーシーンで、お馴染みの効果音でジャンプして危機を回避すると共にあのBGMが高らかに鳴るに至って涙腺決壊。ウォシャウスキー兄弟は『マッハ~』を映画化するに当たって、アニメのキャラ部分に人間をハメ込んでみました、というような感じの映画で、限りなくアニメ映画に近いのですが、それは別に悪い事ではなく、これも1つのカタチだなと思いました。考えてみればタツノコアニメって言ったらバタくさくて極彩色が伝統、映画にはちゃんとタツノコマインドがあった訳です。エンドクレジットにまで溢れたウォシャウスキー兄弟の原作リスペクトの姿勢に、故吉田竜夫さんは天国でどう思ってるかな、って。往年のタツノコファンな私は大満足させて頂きました。