11.うーむ、これは群像劇ってやつですか。僕はDVDで観たんですが最初あまりの登場人物の多さに訳がわからなくなって、一回止めてメモをとりながら観て、それでも訳がわからなくなって(顔と名前がなかなか結びつかないから)途中からメモを諦めて観たんですが、だんだん観ているうちにキャラクターが見えてきたんで(最後まで良くわからなかった人物もいますが)最終的には面白かったです。昔三輪明宏がヨーロッパの貴族について語っているのを何かで読んだ事があるんですけど、この映画に出てくる貴族達はその言葉まんま(表ではニコニコ握手して裏では舌を出して腹の探り合い)でしたね。舞台になってる1930年代はちょうどアメリカが力を持ち始め、ヨーロッパの貴族が(全部ではないけど)だんだん没落していって、それでも古い格式や伝統にしがみついていた時代なんでしょうね、きっと。アメリカ人の客に対する貴族たちの反応(あと貴族に対するアメリカ人の見方)が興味深かったです。あと、主人公というか、中心となっているメイドのメアリーが可愛くて良かった。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-07-09 22:41:44) |
10.階下の人々の生き生きとした描写が素晴らしい。始まって数分ですっかり引き込まれてしまった。途中で起こる事件の謎解き要素はほぼなく、ひたすら人物とそれらの関係の描写に絞っていると思われる。見ごたえのある映画。きっと一度では見切れず、しかし複数回見ても楽しめる映画だ。 【rain】さん 9点(2003-07-08 00:48:28) |
9.英国の貴族階級の屋敷を舞台に繰り広げられる秀逸な群像劇だった。貴族と使用人それぞれのキャラクターが緻密に描かれており、それぞれの会話や言動から時代背景や人間ドラマが伺えて集中を切らせなかった。屋敷内でのめくるめく人々の動きを適確にとらえるカメラワークも見事で迫力があった。様々な人間模様を見ているだけでも楽しいが、この作品には更に殺人というエッセンスが加わり映画として面白みを増している。 【スマイル・ペコ】さん 9点(2003-06-07 21:27:29) |
8.私には何の映画の知識もないですけど、かなりスゴイ作品だなぁと思いました。前半は、登場人物の名前だけでも覚えるのが大変なのに、召使と主人たちの関係や主人たち同士の関係も複雑であり、屋敷に現れる登場人物も増え、私は大混乱に陥りました。そして、後半のある展開から前半に見せた複雑な人間関係がまた変化し始めいろいろ明らかになるという感じでしたね。まだ私は見落としているところがいっぱいありそうなんで、見直すとまた違った発見があって感想も変わってくると思います。テンポも良くて、登場人物がとても個性的なんで、見ていても全然飽きないですからね。ピアノの弾き語りのとき、召使たちのうっとりしている姿が一番印象的でした。 【はがっち】さん 9点(2003-05-21 02:42:15) |
【アキラ】さん 7点(2003-05-14 19:27:45) |
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6.登場人物が多いので最初はちょっと戸惑いますが、大きなストーリー自体はゆったりとした流れなのでついて行く事ができた。登場人物一人一人にちゃんとエピソードがあり、端役さえもちゃんと生きている映画だった。犯人探しのミステリーではなく、人間ドラマだった。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2003-05-12 15:02:47) |
5.久し振りの10点満点映画。出演俳優の顔ぶれを見ただけで嬉しくなる。2回続けて見たけれど2回目の方がずっと感動が大きかった。難点は付け人や他の使用人達が同じような髪型、服装なので日本人の我々には識別しにくいこと、でもこれは仕方ない。欧米人から見るとアジア人は皆似ているらしいから。周囲のみんなに勧めまくっています。 【大木眠魚】さん 10点(2003-05-11 00:56:06) |
4.凄い、これはホント凄いです。密室劇でありながら登場人物の多さに多少混乱しますが、スピーディーな展開+キャラクタそれぞれが至るところで細かい演技をしている為とにかく目が離せない。私的にはジェレミー・ノーザム(ピアノの弾き語りにウットリ)やエミリー・ワトソン(実は意外と長身なこの人)、ヘレン・ハント(いつの間にかいた)等渋々キャストが出てるだけで嬉しいのに登場人物の人物描写が濃厚でワクワクさせられました。しかも上流階級層とその下の使用人達の安住の場である下級層という一つの屋敷での密室劇でありながら二つの舞台が設けられ今までに無い面白さがあります。緻密なカメラワークや細かい人物描写でストーリーをグイグイ引っ張っていきながらも、アルトマンらしく俳優の演技に任せたような即行演技的な所も随所に観られます。この辺はもう巨匠の余裕ですよね。富豪の殺人事件を大きな背景にしながら、実は事件の犯人や目的、展開はいたってシンプル。事件自体はどうでも良くて、その前後で多種多様の動きを見せる人々達の心理劇が本来のテーマですね。豪華な衣装や家具、使用人達が見せる作法や雰囲気もかなり凝っていてホント全てがスゴイです。何気なしにボ~ッと観てると完全においてけぼりを食らいます。これぞマジックです。 【さかQ】さん 10点(2003-05-09 17:01:31) (良:1票) |
3.イギリス映画に登場する労働者階級って、なんか切なくなる。貴族との対比が上手く演出されていたと思う。 【なかなか】さん 9点(2003-04-27 03:10:57) |
2.木を見て森を見ずと言うか、細かいところには大変気を使っていたみたいなのですが、どうも根幹たるストーリーは興味を引かれませんでした。各自の個性も描ききれてなかった。解決篇のない殺人事件という着目には感心させていただきましたSir。 【チューン】さん 6点(2003-04-21 21:47:45) |
1.30年代のイギリス貴族の屋敷を舞台に繰り広げる、R・アルトマン監督お得意の群像劇。複雑に入り組んだ登場人物を手馴れた演出でひと通り紹介した後、ある殺人が生じる。しかし本作は犯人当てのミステリーと言うよりも、むしろ階上の貴族たちと階下の召使たちそれぞれが織り成す人間模様に、より重点が置かれている。とりわけ表向きは平静を装っているものの、台所事情の苦しい名ばかりの貴族や、様々な思惑が交差する中での退屈極まりない浮世離れした宴といった描写など、彼らのエゴむき出しの俗物ぶりが炙り出されていく。貴族と召使との対比の構図ながら、建前と本音とを使い分けて世の中を生きていくことは、人間すべてに通ずる事。結果的には復讐劇のようでもあるが、これは人間の宿命と情愛の物語と捉えるべきだろう。それにしても、登場人物それぞれに見せ場をもたらすこのアルトマンの新作には、ある種の爽やかさと品格を感じずにはいられない。 【ドラえもん】さん 8点(2003-02-01 00:01:35) |