23.はっきり言って「実録犯罪シリーズ」の域を超えていないと思うし、シャーリーズ・セロンの中に誰が入っていたって出来栄えはそんなに変わらなかっただろう。ものすごくリアルな話ではあるが、実話なんだからそんなの当たり前だろう。実際アメリカの片田舎へ行けば、殺人を犯してないだけであのぐらい可哀想な女の人は山ほどいるし。主人公のあまりの可哀想さにうっかり泣かされてはしまったものの、やっぱりこういう覗き見趣味的な映画って私は嫌いだ。特に小細工も無しで正々堂々と観客の涙を絞り取った『21g』のナオミ・ワッツと比べて、増量と特殊メイクが9割のこの役がそんなに優れていたのかは正直疑問に思う。要するに“あの”シャーリーズ・セロンが醜女役をやっているから興味が持続するわけで、それって演技者としての力量とはあんまり関係ないんじゃないだろうか。それに引きかえ、クリスティナ・リッチのあの異様な存在感はいったい何だ。どちらが凄いって圧倒的にクリスティナ・リッチの方が凄いと私は思うよ。何しろあの嫌らしさ、わざとらしさ、とにかく不自然な純真さ。彼女無しでは絶対にあり得なかった映画だと思うのでクリスティナ・リッチに全点。シャーリーズ・セロン、美人でスタイルが良いことも確かにハンディの1つではあると思うが、そういう個性から逃げたらダメだと思うよ。不細工な役者が特殊メイクで美女役をやっても誰も褒めてはくれないでしょ。そういえば『エレファント・マン』もオスカー獲ってましたよね。演技というものをナメない方がいい。 【anemone】さん 6点(2004-11-08 17:40:27) (良:2票) |
22.凄いねぇ。アイリーン・ウォルノスの記録映像見たことあるけど、かなり忠実に真似してる。 相手を威嚇する時の表情とか、目を剥いて相手を見る表情とかは完全にアイリーンなんですよ。 但し、これは意図的なのかも知れないけど、所々でヘンな美しさを見せてしまって、これが残念かなぁ。多分、女性にしか表現出来ない部分というのを上手く見せているのだけど、かなり哲学的な表現がされてるので物凄く重く出来てしまっていて、それが評価を上げる働きと下げる働きをしてると思います。良い映画であるのは間違いないのだけど、この映画が、アイリーンの供述調書、裁判記録、本人からの聞き取りからシナリオが起されている居る事に注意しなくてはいけないでしょう。彼女は虚言癖があったし、人格障害が見られた事も事実で、その意味ではかなり美化されている個所があると思われます。この映画でシンパシィを感じてしまうというのは危険だと思います。ふと、気が付いたのだけど、この映画、「俺たちに明日はない」に非常に似てるよね。傍観者として見るのが一番良いみたい。 【奥州亭三景】さん 9点(2004-11-04 21:10:34) (良:1票) |
21.申し訳ない。いまひとつでした。期待して行ったんだけど、うるうるの「う」までも行かなかった。…確かにアイリーンの境遇は不幸であるけれども、あそこまで自暴自棄に生きる姿に共感できなかったというか。逆に「強い精神力を必要とする」とアイリーンが言う仕事ひとつで少女の頃から生きてきた「たくましさ」を彼女の持つ強さとして認める気持ちになったから、哀れに思うとか同情する気持ちは浮かばなかった。ラストの台詞は胸に響くが「同情なんかするなよ。馬鹿野郎」というアイリーンの独白と感じた。デブでブスで13歳から売春で生活して、どこへも逃げることもできず、自分を傷付けるままに任せてきた、しかし、それでも人生の探し物を最後に見つけたアイリーン。間違った生き方ではあったが、「強く生きた」とは言えるのではないだろうか。だけど……無粋を覚悟で書きますが、イラクやイスラエルでは子供の頃に両親を殺され、復讐のためだけに爆弾を抱いて自爆する人生が、この現在に、モンスターではない多くの人たちにあるわけで。セルビーに出会う前のアイリーンなら、立ち直れたはずだと思う。映画のストーリーなのにこんなこと書いても意味ないのは分かってるんですが。 【しまうま】さん 4点(2004-10-31 21:30:37) |
20.なんだか色々考えさせる映画だった。また思い出したら書こうとおもう。 クリスティーナ・リッチは綺麗な女優さんになったな。 【たこら】さん 8点(2004-10-29 20:36:56) |
19.ホントに神がかり的なS・セロン渾身の演技。まるでアイリーンが乗り移ったかのような迫力にただただ圧倒された。 彼女が顔や体型まで変えて挑んだのは見て納得した。あの美しいセロンのままではアイリーンになり切れなかっただろう。 辛かった子供の頃からいろんな夢を見ていたアイリーン。現実が辛く酷いものであればあるほど、楽しい夢の世界で幸せな自分を想像するしか希望はなかったのかもしれない。不幸な生い立ちの少女が大人になってもやはり現実は厳しく辛いものでしかなかった。 絶望のどん底で見つけた唯一の希望がセルビーだったのにこの出会いが彼女の転落に拍車をかけてしまう。 恵まれない人生で堅気の暮らしを望んでも叶わない、抜け出そうにも抜け出せない、染み付いてしまって今更変えようもない粗野な言葉や仕草のすべて、それまで生きてきたようにしか生きられなかったアイリーン。彼女のやったことは許されるべくもないが、こんなふうに転がってしまった彼女の絶望的な人生の悲しさ、やるせなさは痛烈に伝わってくる。 彼女に対する共感とか同情ではなく、そもそも一人の女性がなぜこういう犯罪を犯すに至ったかという所にやるせなさや怒り、痛ましさを感じる。女性や幼い子供にまで加えられる性的暴力、子供が健全に育つべき家庭や肉親の愛情に恵まれないといった社会的病理が犯罪の背景にあるということも重く訴えかけてくる。 【キリコ】さん 9点(2004-10-28 20:40:11) (良:2票) |
18.ゴージャスな美人女優シャーリーズ。彼女はまだ若い、まだしばらくは美しいヒロインで充分やっていける。しかしシャーリーズは「私は最初からセクシーさで勝負する気なんて毛頭ないわ」といわんばかりに醜く変身して連続殺人犯を演じきった。彼女くらいの年齢の美人だハンサムだセクシーだと言われる俳優たちは大抵、見た目ではなく演技者として認めてほしいという思いが強いようですね。役者が体重を極端に増減したりメイクで化けるというのは今やさほど珍しいことではないので「へぇ~こうなりましたか」という程度の感想。けれど話題性においてはひと役買うことにはなると思う。この作品もシャーリーズの化けっぷりが注目されたのは確か。しかしそれに頼っている、負けているとはまったく感じなかったシャーリーズの演技は圧倒的でした。いったんは娼婦をやめ、セルビーとまともに生活しようとするアイリーン、しかしセルビーにはそんな気はまったくないのだ。カラダを売って稼いでこいとグチグチ泣きながら遠まわしに言うセルビーの残酷さよ。最初「私を利用する気?」なんて言いながらしっかり自分がアイリーンを利用するわけ。意識的にではなくセルビーの自分のことしか考えない、人に寄生して生きていこうとする甘ったれた性格の成せる業だ。中盤以降、私はずっとセルビーにムカついていた。観ている者を本気でムカつかせ、不愉快にさせたクリスティーナ・リッチ、「恋する人魚たち」の子役時代に「この子は他と違うっ!」と感じたのはハズれではなかったです。けれど、どんなにセルビーにムカつこうがアイリーンに同情は全くできなかった。あえて安易に同情をひくことにならないように描かれているといったほうがよいのかもしれない。唯一のよりどころであるセルビーのために犯行を重ねていくアイリーン。このあたりの描写と彼女の心情を表現したシャーリーズは見事です。彼女は加害者であると同時に被害者でもあるのだ。この監督は女性なのね。だからなのか、女のネチっこくてイヤな部分がうまく出ていたと思う。点数の大半はシャーリーズの演技に対してです。 【envy】さん 8点(2004-10-28 15:32:47) (良:1票) |
17.アイリーンのおかした罪は、けして許されるものではない。ただ、あまりにも純粋な彼女には、他の選択肢は用意されていなかったんだと思う。アイリーンの愛・苦悩・後悔に胸が締め付けられ、最後の強がりにはただ言葉を失った。 【Andy17】さん 9点(2004-10-27 22:47:00) |
16.Fuckin'な奴らに囲まれて生きてきたFuckin'女のFuckin'地獄人生。とにかく辛かった。でもよかった映画で、、、、って実話かい!! 【馬飼庄蔵】さん 8点(2004-10-27 18:36:17) (笑:1票) |
15.シャ~リーズセロン化けたな~!あの綺麗なお姉さんがこの作品では醜いオバハンです…。女って怖いな。街行く可愛いオネエさんたちもスッピンなったり年取ったら化けるんだろな。。 【くまさん】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-10-25 23:23:48) |
14.泣けました。涙がにじんできた。でも、何の涙か分からない。感動でもないし、同情でもない。人間の悲しさ。最初の殺人を後悔しつつ、次の殺人からは正当化・責任転嫁し、最後の殺人は「守る」ために行う。堕ちていく様は安易だが、彼女はその蟻地獄の中で確かにもがいていた。セロンの演技には感服。 【ハクリキコ】さん 7点(2004-10-23 11:56:50) |
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13.当初は確かに被害者的な立場だったアイリーンも、単なる金が目的の行きずりの強盗殺人犯に変貌していく。そしてその金も、その日暮らしの生活にと言うよりは、むしろセルビーとの関係を繋ぎ止めておく為であるかのようだ。何とも虚しい二人の関係だが、愛に飢えていた彼女にはセルビーが最後の砦だったのだろう。が、そのアイリーンへの曖昧な愛は、ラストの証言台でのセルビーの姿に象徴される。セルビーの描写の希薄さは、そのままアイリーンへの気持ちの希薄さそのものではないだろうか。そもそも、アイリーンの幼い頃に両親が離婚した事。虐待されて男に憎しみをもっている事。娼婦として体を売って一人で生きてきた事。これらの事はよくある話で、さほど珍しくも無い。ただ、彼女が自暴自棄になって男を殺し続ける事とは本来何の関連性もなく、その生きざまにも必然性が感じられない。映画は決して彼女を美化していないし、ほとんど事実に即して描いているのだろうけど、ありのまま描き過ぎて彼女の行動そのものが即物的な印象を受ける。そして愛を知らずに苦悩し彷徨する人間というよりも、男に憎しみと恨みを抱いているという大義名分を振りかざしている人間にしか見えてこない。だから、一度上手くいった事に味を占め次々に罪を犯す彼女にもはや感情移入などできなくなってしまうのである。それにしても、こういった車での道すがら娼婦を買うという行為は、いかにもアメリカ社会ならではの特徴とも言え、そういう意味でも本作は、この国の病巣と人間関係の不毛さをえぐり出した作品だと言える。 【ドラえもん】さん 8点(2004-10-19 17:40:20) (良:2票) |
12.山場がない。盛り上がらない。実話だからでしょうね。美人の醜女メイクなんて見たくない。にしてもリッチがかわいい。というか俺だったらリッチの演じたセルビーを主役にした映画撮るね。だって彼女、描き方が薄っぺらだったかもしれないけど、不思議じゃん。もっと彼女のこと知りたいじゃん。売春婦の連続殺人犯の話なんてありきたりだよ。 |
11.始まった時か終わりまでずっとあった絶望虚無感。アイリーン自分の中で本物の何かを悟り、それが唯一の幸せの財産になって、それ守るため何でもする。めちゃめちゃ少ない本気の笑顔のシーン。死刑前に軽く悟りをひらく。ほんで映画館たくさん人おったのに、泣いてたん僕だけ。。でも文句なんてあるもんか。 【ヒロヒロ】さん 10点(2004-10-13 20:38:17) (良:2票) |
10.生きる為に自分を傷つけながら人生を送ってきたアイリーン、そんな彼女が心を許せる人と出会ってしまい、お金のため、生きるために無差別殺人を繰り返してしまう。あまりにもせつな過ぎる人生です。 確かに殺された人を思うと彼女の犯したことは許されることではないが、せめて刑を受けた彼女が天国に行けた事を願うばかりです。 ローラースケート場でセルビーと一緒に滑っていた時と、エンドロールで流れる、ジャーニーの“DON'T STOP BELIEVIN’”は80年代の洋楽を聴いていた人には聞き覚えの有る曲なのですが、内容がアイリーンを歌ったような歌詞なので少し紹介します。“一人ぼっちの世界に生きてきた、小さな田舎町の女の子、彼女は夜行列車に乗った、どこというあてもなく。(中略)ブルーバードを行き来する、人待ち顔の見知らぬ男と女彼らの影が夜の中で、お互い探りあう刺激を求めるためだけに生きるストリートライト・ピープル、彼らは夜のどこかに姿を消してゆく、(中略)信じることをやめるな、自分の感覚を信じてストリートライト・ピープル 【みんてん】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-10-11 23:39:32) (良:1票) |
9.あまり満足しませんでした。私的にはアイリーンを出産した時にはすでに両親は離婚していたこと、父親が習慣的幼児強姦者で入退所を繰り返し刑務所で首吊り自殺をしたこと、祖父の虐待、兄との近親相姦、11歳で処女を捨て男を体で操る術を身につけたこと、14歳での出産も描いて欲しかった。アイリーンがなぜ愛に飢えているのか?何が彼女をここまで追い詰めたのか?が全く描かれていなかったが故に彼女にあまり同情出来なくてガッカリしました。またセルビーは実際は太っていて醜いだそうでリアリティに欠けた。本当に太っていて醜い人を使えばいいのに!あと逮捕から裁判にかけてがあっけなさすぎてガッカリ。。。アイリーンはセルビーを精神的信頼関係をおいて本当に愛していたので彼女をかばって自白したとゆうところをもう少し丁寧に描いて欲しかった。アイリーンはセルビーだけは裏切られても最後まで愛してた。切ないですね。シャーリーズ・セロンにおいては文句なしです。 【クロエ】さん 6点(2004-10-11 20:14:26) |
8.すごい重い話ではあったが、これは愛に飢えたアイリーンの切ない愛の物語だったように思う。C・セロンのブクブク腹にドテドテ歩き、ガタガタの歯は見ていて迫力満点だったが、他の作品より数倍良かった。彼女が幼かった頃に、母親が父親を正当防衛で銃で殺してしまうっていう悲劇があったことを聞いた事があったから、その頃の複雑な感情とアイリーンとを重ねてるんじゃないかなと思う。 |
7.「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジョニー・デップや「ロード・トゥ・パーディション」のジュード・ロウ等にも感じたことですけど、最初は超美人女優がわざわざ不美人を演じることに違和感があり、単なる賞狙いとしか思えませんでした。しかし観終わってみれば、前述の男優達とは違って、この役にはシャーリーズ・セロン以外は考えられない程の説得力。また、こういった社会性のあるシリアスな作品では、とかく失敗しがちなアメリカ映画的演出が、本作では非常に効果的だったとも思います。本当に凄いモノを見せて貰いました。生きる為だけに男を殺し続ける「怪物」を造り上げたのは男達自身。だから安らぎを見出せる相手は必然的に女だった。きっと世界中に無数のアイリーン・ウォーノスがいるに違いありません、8点献上。 【sayzin】さん 8点(2004-10-05 00:19:30) |
6.あのセロンが犯人そっくりに大変身・・・で話題ですが、一応、この点では、「メイクバレバレやろー」です。増量で案外似るものねと驚きましたが。そんな事はどうでもいい世界が待っていました。監督は女性だそうですが、犯人の内面を知りたくて撮ったと言っているそうです。その答えがここにあります。きっとセロンも知りたかったに違いありません。思慮浅く愚かで一生懸命な、豊かな社会の谷間の犠牲者ウォーノス。無自覚な偽善愛で彼女をここまで追い込んでしまうセルビー。私もそうですがこの事件を知らなかった人が多いでしょうけれど、他国の事件がモチーフのものにこれほど心を動かされたのは、きっとどの社会にもいそうな、生まれそうなこのウォーノスを感じ取るからなんでしょう。私にはこの映画じたいがモンスターのようでした。 |
5.去年からずっと見たくて仕方なかった作品。結果は・・・大満足。とてもとても切ないお話でした。 【kasumi】さん 8点(2004-10-04 00:38:20) |
【紅蓮天国】さん 7点(2004-10-03 15:26:34) (良:1票) |