1.それぞれの二十歳の今と五人の今が実によくフィルムに顕われています。個人の悩みや迷いが仲良し五人組という集団に収斂され解消された高校時代。そして、集団が個人を回収し得なくなった、今。そのことを五人がそれぞれに気づきながらも、それでも崩れそうな砂上の城、私たちだけの城、拠らざるを得ない城で誕生会を開いたり、携帯電話にメッセージを送ったり、誰かに会いにいったり。しかし、あっちへこっちへと楽しそうに写真撮影していた同じ方向に流れる彼女たちは存在せず、ショッピングセンターでバラバラになってしまう彼女たちがいます。割れたガラスに写った彼女たちがいます。その中でもがく彼女たちの姿に、案外友情って相手を思いやることではなくて、個々がエゴに振る舞ったその先にあるものではないかな~、などと思ってしまいました。テヒにしても、ボランティアを「好きでやってるんだから」と言ってるし。だから私には、個々の都合でお願いされる“MY CAT”が清々しく見え、ラストの飛行機にアカルイミライが見えたのでした。