15.ずっと見たいと思ってきたけど、キューブリックと宮廷(?)劇という組み合わせに違和感があり避けてきました。結果、おもしろく、美しく、忘れられない。早く見れば良かった。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-07-03 22:13:52) |
14.観始めたら止まらない。3時間もある大作だけど体感時間は1時間30分くらいだった。まるで絵画が動いているような美しい映像と音楽の絶妙なマッチング、そして謎の魅力がある作品。二度目の鑑賞で評価が上がりました。 それにしてもバリーに惚れる女性たちが美しすぎる・・・! 【eureka】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-08-04 17:17:24) |
13.ロココ絵画の名作を思わせる、夢のように美しくて荘厳な映像。絵画を観るのが好きな人なら、これだけでも観る価値があると思う。脚本も恐ろしく完成されており、映像がそうであるように全体の構成が完璧なシンメトリーを描いている(前半は決闘に勝利したバリーが故郷を追われた後に富と名誉を得るまで、後半は財産を浪費したあげく名誉を失ったバリーが決闘に敗れ、故郷へ舞い戻るまで)。登場人物への感情移入を拒否するような作りも面白い。バリー・リンドンは間違っても善人とはいえないが、かといってとんでもない悪党と言い切ることもできない、ある意味ではすごく人間くさいキャラクターだ。エピローグの言葉を人間に対する否定ととる向きが多いようだけど、逆に救いを読み取ることもできないわけではない。ブロンテの『嵐ヶ丘』の結末にも似たような言葉があって、そちらは激しい生を全うした人物たちがようやく安らぎを得た、という慈愛の意味で使われている。栄光を求めて這い上がり、最後には己の欲望に足をとられて転落したバリー・リンドン。ひとりの人間の生涯を、綺麗な部分も醜い部分もひっくるめてまるまる映画にする。ただ「彼が生きた」ということをありのままに提示する。人間を描く方法として、もっとも実直で嘘のないやり方だ。いつものキューブリック作品には人間に対する皮肉や批判が見られるが、今回は趣きが違う。人間の愚かさを受容する、キューブリック流の人生賛歌を唄っているのではないかとも思えた。 【no one】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-04 01:59:32) (良:2票) |
12.美しい映像に美しい音楽、そして下手な演技。最高だ、キューブリック最高だ!男版「風と共に去りぬ」って感じですね。風と共に去りぬでは、主人公の傲慢な感じに共感できずビビアンリーの熱演にもかかわらず不満を抱いてしまった僕が、主人公に観客を共感をさせないように演じさせたバリーリンドンでは見事にやられてしまいました。小説の映画化は、小説で描ききれた主人公の心理描写が省かれてしまうので、納得できないことが多々あります。その例が風と共に去りぬであり、最初から主人公に共感を抱かせないようにして映画の弱点を見事に克服して見せたのがバリーリンドンだと思います。このあたり、キューブリックの手腕はさすがです。映画を知り尽くした巨匠だからこそできる映画史に残る試みですね。なのに他のキューブリックの異色作(これらは言うまでもなく名作)の影に隠れている感じがとても残念です。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-15 00:23:53) |
11.皆さんのレビューに多く有るように、この映画は本当に“絵画的”なビジュアル表現が成されています。色使いはレンブラントorマネを思わせるし、光の捉え方などはフェルメールのように神々しい。特にシンメトリーの構図や奥行きの捉え方などを見る限り、美術的なセンスに抜きん出ているように思える。こういった写実的な作品が作れるかと思えば、『時計仕掛けのオレンジ』のような印象派的で現代美術的な作品(ウォーホールorサフディ)も有る。感心するのは原色による補色の使い方が特に上手いこと。 つまり、この監督は写実は的な感性と印象派的なセンスを併せ持っているのである。普通は(かつての芸術家たちは)どちらかに別れるモノなのですが・・・。そこがキューブリックの凄さなのである。「何だか分かんないけど、世間でスゴイ!と言われているから凄いんだろう」と適当にあしらってはならない作品ですよ。コレは。 美術的なセンス、ビジュアル的なセンス、カメラ知識の豊富さ、皮肉がこもった反社会派的な洞察力、台詞の面白さ、脚色の上手さ・・・。天才と言うしかないですね。 【おはようジングル】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-09-02 17:09:31) (良:1票) |
10.中世物は苦手なのですが、さすがキューブリックでした。美しい。衣装やセットが美しい 作品はたくさんあるけれど、光の使い方と構図によってそれが最大限にいかされていました。本当にキューブリックはセンスが完璧ですよね。私が生まれるよりも前に撮られたとは思えない。ストーリーも比較的わかりやすく、素直に物語を追って見ても、わかんない、とかつまんない、とか思わずに済む作品だと思います。もちろんその裏にあるものを想像するのも楽しい。主人公がいい人とも悪い人ともとれず、ただ一生懸命生きているのに応援する気もわかない。たまに哀れに思うだけ。奥さんにいたっては哀れに思うことさえない(苦悩が描かれていないから)。こういう人がいてこういう一生を送りました、というのを上手くまとめているだけなのに、これだけひきつけられるのって本当にすごい。見せ方が上手い。構成が上手い。ちょこちょこといろんな出来事が起こってそれがまた上手いので興味をそそられる。ほかの人が撮っていたら駄作になっていた可能性の高いストーリーだと思う。 【るいるい】さん 9点(2004-12-23 21:32:50) |
9.とても哀しい映画である。物語と観る者の距離があまりにも遠いがために哀しい。 【はざま職人】さん 9点(2004-11-11 23:51:41) |
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8.キューブリック映画の特徴である皮肉や批判が全くと言っていいほどないように思える。テーマは人生は何が起こるか、どう転ぶかわからないといったところだろう。しかし最もキューブリックが表現したかったのはストーリなどではなくて、視覚面だとおもう。この映画のために開発されたカメラでの撮影。人間の表情がやんわりと、とてもきれいに見える。他にも風景やもや~っとした、はかなさのようなものを感じ取ることができた。ストーリーよりも映像に夢中になってしまう珍しい作品。 【マクドウェル】さん 9点(2004-06-12 15:16:29) |
【しまうまん】さん 9点(2004-06-12 12:18:50) |
6.「キューブリックで何が一番良い?」と聞かれると、「バリーリンドン!」と答える私だが、10点ではない気がする。「フルメタルジャケット」は10点なのだが。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-04-17 02:12:40) (良:1票)(笑:1票) |
5.音楽、映像、内容、演技等完璧で、おもしろかったです。 |
4.全編から「モンティ・パイソン」の匂いがプンプンする。話はそれなりに悲劇で、それを強調するレディ・リンドンの美しさには、他の作品にみられるおふざけ感は感じられないのだが、「・・・すべてあの世」のクレジットも含めて、やはりキューブリックはこのエピソード自体を笑い飛ばしているように見える。オープニングのナレーションは「フライング・サーカス」の常套手段だし、親子の強盗はセリフも「デニス・ムーア」にそっくり!景色も似ている場面がたくさん出てくる。黒澤監督がこの映画を絶賛したそうだが、はたしてモンティ・パイソンを知っていたのか・・・。 【神谷玄次郎】さん 9点(2004-03-21 03:13:17) |
3.映像が美しすぎる、ストーリーも最高。もうちょっと短かったら10点 【BAMBI】さん 9点(2003-11-26 16:04:21) |
2.鏡のごとき水面にうつる城、ろうそくの揺らめき、その絶妙な光加減、色鮮やかな景観・・・まさに息を呑む映像美。ベルナルド・ベルトルッチの「暗殺の森」以来の衝撃だ。芸術に満ちた世界を冒険したような錯覚に陥る。スタンリー・キューブリックにしては珍しくストレートに一人の男の半生を描いた作品だが、深く考えず映像の美しさを堪能せよってことなんだろうね。 【ゆたKING】さん 9点(2003-04-12 08:46:48) |
1.マーチが流れるキッチュな戦争シーンが大好きです。バリーの親戚のおじさんが死んじゃうところなんて笑いがこみあげてくるくらいお間抜けな最期だし。台詞もいっぱいあるのに、あえてビジュアルに徹しようとする姿勢が伝わってきます。スバラシイ。大根役者のライアン・オニール起用も絶妙。 【クー】さん 9点(2003-03-25 06:15:15) |