11.現代の視点から純粋に鑑賞対象として観た場合、確かに古すぎる特撮技術などに見どころは無いのだけど、製作年度である1933年から横たわる80年という歳月を意識せざるを得ないパワーを放つ作品でした。1926年の「メトロポリス」にはそんな感慨は湧かなかったけど、この「コング」にはびっくりしました。オリジナルから40年後に製作されたジェシカ・ラング版「コング」も当時の最先端の技術を注ぎ込んだ作品でしたが、本作を観た後では1970年代の撮影技術のレベルの高低よりこの第一作の頑張りを証明するような印象に変わりました。そして、2度目のリメイクはこのオリジナルへのオマージュに満ちていたことを今更ながらに知った訳ですが、ピーター・ジャクソン監督が本作を尊重する気持ちが分りますね。ジャクソン版で印象的だったコングがTレックスをやっつけた後に下あごをもてあそぶ仕草が、すでに表現されています。この作品の凄いところは、コングや恐竜たちを動かしただけではなく、その動きを「らしく」演出するために膨大なエネルギーを注いでいるところだと思います。自分たちで表現のハードルを上げて、それをクリアーするために工夫と努力を繰り返した人たちの姿がフィルムの向こう側に見える気がしました。商業映画の黎明期に、その地盤を固めた作品だったのだと思います。で、なんだかレビューの本質とは離れますが、この点数は「敬意」です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-12-01 00:58:13) (良:2票) |
10.遠い昔に見た記憶があって、2つのリメイク映画のベースである、今更語るべき事もないような古典映画だよなぁ、と思ってましたが、あらら、これはウカツ。凄い凄い。リメイク2作それぞれのファンの方には申し訳ないのですが、一体この映画のどこをどう見てああいうリメイクをしたのさ?って訊いてみたくなるような世界。フェイ・レイがね、全編ずーっと光ってるんですよ。白黒映画だけども、そこだけ煌びやかな色彩を与えられてるが如く。彼女こそがこの世界の中心で、男という性をぶら下げた生き物総てを魅了し、遂には化け物すらも滅ぼしてしまう魔性の輝きなのですよ。サクサクっと船員と原住民と野性と文明をひっかきまわしてしまった彼女、きっとあの後は世界を支配してみせた事でしょう。ラストの有名なセリフだって、だからこそ活きてるのですしね。化け物に共感してイチャついてる程度の存在じゃないのよ、と。それにしてもカッコいい映画だこと! 特撮に確固たる表現スタイルがあって、ほれぼれするようなカッコ良さ。むかしむかしの技術だけれども、そこにクリエイターの魂が「どうだ!」とばかりに炸裂してるんですよね。最近の主流であるCGはCGで別にいいんだけど、技術よりもクリエイターの意地、こだわりの表現こそを見せて頂きたいものですね。技術は進化したけれど、表現力、映像のパワーは進化してるのかいなぁ?とこの映画を見てつくづく思ってしまいました。 【あにやん🌈】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-02-21 01:40:55) (良:3票) |
9.公開当時この作品を見た人々はそれは度肝を抜かれた事だろう。今でこそCGが主流となって、より滑らかに、そしてリアルに表現できるのかもしれないけど、例えば木につかまってる人を恐竜がでかい口を開けて食べようとする場面や、T-REXとコングの闘いや、コングが奥から手前の方に歩いてくる場面など、実際の人形を動かして撮影しているからこその“存在感”というか、妙なリアリティがある。ストップ・モーションの動きがどんなにぎこちなくてチープに見えようが、やっぱりこのリアリティだけは、CGには出せないと思う。ストーリーの方も長すぎず短すぎずちょうど良いし、何よりもコングの最期の表情が、物悲しそうでなんともいえない。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-22 04:02:13) |
8.もうね、製作者の方々は、この映像を見せたくて見せたくて仕方なかったんだろうなー。 とりあえずその情熱たるや凄まじい! で、その映像を見せるためにストーリーを書いた感じ(笑) もう展開が早い早い(笑) でも、観客を楽しませる為の仕立ては、しっかり出来てるんですよねぇ。 今観ると、さすがにプリプロダクションって感じに見えるけど、当時は物凄いインパクトだっただろうなぁ。。。 こういう「馬鹿」が、次の大きなムーブメントを呼び起こすんですよね。 【とっすぃ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-29 00:28:16) (良:1票) |
7.70年以上前に作られたこの大スペクタクル映画を、70年後の現在も容易に見られるということになんだか感慨深さを覚える。後に作られたリメイク作と違い、あくまで空想冒険映画というスタンスを貫き通し、意図せずに人間のエゴイズムを表現してしまっていることに、良い意味でも悪い意味でも“時代”を感じる。しかしその部分こそ、この映画が秀逸な特撮技術という魅力を超越して魅せるパワーであり、映画史における“価値”なのかもしれない。 【鉄腕麗人】さん 9点(2005-02-02 17:55:08) (良:1票) |
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6.この映画の映像は、現在の最先端CG技術の迫力やリアリティーには流石に及ばないものの、その映像から伝わる恐怖感や緊張感、興奮感は、現在のCGに一歩も引けを取らない映像だったように思え、ストーリーもとても楽しめる素晴らしい内容だった。そしてこの映画の見所でもある、コング対恐竜の数々は、僕のような子供には余りにも魅力的で、好奇心を擽るものばかりで、まるで楽しいアトラクションだらけの遊園地にいるような楽しさを味わう事が出来ました。そして観終わった今もまだ余韻に浸り、興奮し続けております。そして、半世紀以上も昔の映画だからと言って、映像技術を嘗めては行けないし、馬鹿には出来ないと言うことを改めて確信させられました。これはとにかくホント、凄い映画でした。 【ボビー】さん 9点(2004-08-17 22:33:08) (良:1票) |
5.古い特撮を見るのはそのチープさ、あるいはその裏にある知恵を見て楽しむ為としか思えなかった僕にとって、現代でも充分迫力を感じられるこの1本は衝撃的な出会いとなった。素直に、すごい。鳥獣が、大蛇が、キングコングが、生きている。自然v.s.人間の象徴とも言えるキングコングの偏愛は、人間と動物との一方的で独善的な関係に鋭い疑問を投げかける。高度文明の象徴であるエンパイアステート・ビルで最期を迎えるとは、何とも示唆的である。 |
4.怪獣たちとコングの死闘だけでも凄いのに、後半、NYの街のど真ん中で大暴れ。「今観ても」とかいうセリフは不要、ただ一言「スゴイです」。一体、公開当時の衝撃はどれ程であったか、想像もつきません。リメイクの方を先に観てたので、なぜキングコングがこれ程有名なのか不思議に思ってたのですが、この元祖を観たら、もう問答無用に疑問が解けた訳です。 【鱗歌】さん 9点(2003-10-13 10:22:03) (良:2票) |
3.CGなんぞが空虚なものに思えてしまえるほど無駄がなく、痛快で恐ろしく、美しく切ない怪物映画。 【るーす】さん 9点(2003-06-01 22:06:24) (良:1票) |
2.もう言葉がないくらい素晴らしい映画ですね。33年は世界でいえばまだ第二次世界大戦前。コンピューターもないしもちろんCG合成もナイ時代に特殊撮影だけで作ったっていうとこは凄いです。今一度、こういう映画を作ってほしいです。 |
1.(↓)【Mrs.Soze.】さん同様、リメイク版を観ましたけど、オリジナルの方が好きですね。特撮技術もスケールも最近のCG技術とは比較にならないですが、またその古さが懐かしく思えます。 【イマジン】さん 9点(2002-03-02 12:20:19) |