25.紛れもない傑作。日本のみならず世界の映画史に刻まれてよい作品だと思います。古い白黒映画でありながら、映像は非常に美しくまるで水墨画を鑑賞しているかのよう。セリフも非常にわかりやすく仲代氏、三国氏、丹波氏皆エロキューションが素晴らしい。笑いユーモアのあるシーンは全くと言っていいほど無く、観る者に終始緊張を強いる作品だけに、う~ん、個人的には満点をつけられないが、限りなく満点に近い9点であります。 【代書屋】さん [インターネット(邦画)] 9点(2021-06-18 23:03:58) |
24.仲代達矢と三國連太郎が、役者としての格や力量を賭けて正面切って対峙する作品です。二人の大物のぶつかり合いの、ギラギラ感が凄いです。ストーリーも面白いですし、この作品は日本映画の中でも屈指の傑作だと思います。 【wayfarer】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-06-14 02:30:49) |
23.痛みと切実さが溢れる名演と脚本。目が離せない。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-06-22 17:42:06) |
22.「神々の深き欲望」で追悼三國連太郎熱があがって…、夜中に再鑑賞することに。初鑑賞は武満徹を冠した映画祭での一本として。 映画というものは脚本のできだけでこうもひとつの題材が面白くなりうるものかと打ちのめされた。先日リメイク版の「一命」も鑑賞する機会に恵まれたが、やはりあちらは色合いと3D効果に脚本の力が削がれているようにも感じられた。(役所広司はよいのだが。)まだどちらも観ていない人には是非この「正順」での鑑賞を強く、強くお薦めしたい!音の面から言っても!! 【kei】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-04-01 11:12:35) |
21.日本人にとって、切腹というコトを口にするのは、ちょっと微妙な感情、一種の居心地の悪さが伴う訳で、それは、いわば日本を代表する風習のひとつでありながら、自分自身はそれを決行する自信が全くないこと。何かと耳にはする「切腹」という言葉と、その意味する実態が想像を絶することとのギャップ、しかし世が世なら自分もそれをせざるを得なかったかも知れないという恐怖(武士だけの行為ではない。近代でも自らそれを行った例が多々あるとのこと)。あと、世のSMマニアの中には切腹マニアというのもいて、そのテの本や写真集もあるそうで(三島の『憂国』だってその一例だ)、それも居心地の悪さの原因かも知れないけれど(笑)。さて本作。ひとつには物語の構成の妙が我々を釘づけにするんだけど、“切腹”を正面から捉え、しかもそれを痛々しく理不尽に描いているのが、強烈この上無い。切腹ってのは、腹膜まで切ろうとすると非常に苦しいものとなり(腹筋を切り裂くのがまず大変)、浅く切ってすぐ介錯してもらうのが楽で良いらしい(とモットモらしく言ってるのがこれまた居心地悪いんだが)。それを何と、竹光での遂行を迫られる理不尽さ、その苦痛はいかばかりか、画面からヒシヒシと伝わってくる。なのに本作の音楽担当が「たけみつ・とおる」とはこれまた何と理不尽な。それはどうでもよいが。後半、物語は一変、いや、視点が変われば物語も変わるということ。強い立場、迫る立場、追いつめる立場であったはずの人間が、実は追いつめられていってる、というその過程が、別の意味でコワイ。何ものかにとらえられている存在であることには、皆、変わらない。この凄惨なクライマックスは、一種のエンターテインメントでもあるのかも知れないけれど、そこには同時に、秩序が内側から自壊していく恐怖もある。いやむしろ、秩序の虚飾が内側からが崩壊してなお、秩序の外枠だけがガランドウのように残り続けていくことの恐怖なのかも知れない。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-09-29 03:47:41) (良:1票) |
20. こういう映画を作る時代背景があったのでしょう。語りの説得力が違います。不勉強で調べるまで知りませんでしたが、「上意討ち 拝領妻始末」や「東京裁判 」の監督でもあるんですね。見て良かったと思います。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-02 18:31:07) |
19.拝啓、仲代達矢様。しかと見届けましたよ あなたのその佇まいやら、台詞の一句一句やら。 今後、あなたの名を呼ぶ時には 必ず最後に様を付けて呼ぶ事と致そう ほんとあなたは感心するほど台詞の魔術師だ。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-01-23 20:56:06) |
18.原作が凄いのか、脚本がすばらしいのか、はたまた映画監督や役者が抜きんでた才能があったのか、いずれにしても最高峰に値する時代劇である。 切腹という究極の武士道精神なのだが、それを少しも格好良いものではなく、腹切りという現実の自殺として扱う。なぜ切腹しなければならなくなったかを、朗々と言って聞かせるあたり並のものではない。 映画を見た当初は知らなかったが、人間の条件を描いた監督であり、その主役の仲代達矢である。それがそのまま、この映画で反映されているかのようにも改めて思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-01-16 20:59:27) |
17.黒澤の時代劇が娯楽大作なら、これは時代劇サスペンスと言えるような作品。 お話はそのほとんどが武家屋敷の庭で展開されるという、まるで密室サスペンスのような作り。 あっと驚くようなヒネリやオチはないけど、仲代、三國の息詰まる心理戦、 緊迫感溢れる演技に引き込まれ、とにかく画面から目が離せない。 まさしくこれぞ役者!というような重厚な演技対決を存分に見せてくれる。 殺陣のシーンは今イチだが、この時代の武士としての体面や生き様などの描写も見所。 本当に面白い映画だった、という満足感を与えてくれるお薦めの作品である。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-07-19 12:52:19) (良:1票) |
16.'11.3/19鑑賞。初のインターネット・ユーチューブで観る。 脚本 橋本忍 音楽 武満徹 撮影 宮島義勇とスタッフも最高。 これが50年前とは思えない骨太、重厚な作品で時代を超越している。 時代背景と脚本の面白さの中に役者、映像、音楽が一体となった感じ。 2012.04/02 2回目鑑賞。やっとTVで観れた。この脚本の筋立てと台詞は最高+1点。過去回帰の一部に少し澱みを感じるが・・。 【ご自由さん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2011-04-10 14:10:39) |
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15.間違えて同じDVDを2枚買っちゃっても後悔しないくらい、凄い映画。 【チャップリ君】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-14 17:35:45) |
14.な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!??と、度肝を抜かされた!こんなスゴいニポンエイガがあったとは・・・・!!あと、モノを食いながら見ないように! 【ペケジロー】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2008-01-19 21:28:13) |
13.驚いた。勝手に「日本人が忘れてしまったアイデンティティ取り戻せ!」的な作品か、カンヌで賞取ったってんなら「オー!ニホンジン・ハラキリ・ブシドー・ファンタスティック!」的な極東文化バンザイ作品か?とタカをククっていたが(相当に失礼ながら。笑)、なんと緊張感のある上質な物語か。配役・脚本の秀逸さもさることながら、終始に衰えることのない張り詰めた緊張感が堪らない。激渋な時代劇というよりかは、これぞ真の人間性を問う本格武士道作品!といった感じ。恐れ入った。 小ネタとは言えなくも無いが、仲代達也、公開当時は30歳という事に気付き、二度驚愕。迫力あり過ぎる。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-07-29 06:05:05) |
12.泰平の世が訪れ、武士の多くは浪人へと成り下がり、衣食を憂う。事象の成り行きは全て均衡へと向かい、一定を保つ。疎から密へ、密から疎へ。上がるものあれば下がるものもある。だが、人はそのことに気付かぬフリをする。均衡を崩す者現れれば、世迷い事と切って捨て、かろうじて一定を保つ。津雲半四郎に武士の誇り、武士の魂が宿っていたわけではけしてない。彼は建前を捨て、鎧を纏わず、ただ本質を追求し、真実を見せ付けたに過ぎない。誤読された賛美を受けていることに対して監督はどう感じているのだろうか。“竹光での切腹”、“お預かりしていたものをお返ししましょう”作られすぎた世界で真実を暴く。もしかすると驚異的な作品なのかもしれない。 【stroheim】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-04-16 05:02:13) |
11.もう既に大勢の方が書かれてらっしゃいますが、まず何よりも脚本が素晴らしいです。さすがは日本映画史に名を残す名脚本家、橋本忍さんの書いた作品だけあって本当にお見事としか言いようのない素晴らしい脚本、そして主演の仲代達也をはじめとする出演者の演技も素晴らしく正統派時代劇としてもかなりの完成度。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-29 21:51:57) |
10.9点つけたけど、ぶっちゃけると小星にわよくわからんかったてゆうのが本音かなー。もうちょっと大人になってから、もいっかい見ようと思ふ。小星わ邦画があんま好かんのやけど、この映画わ、製作者の人や出演者の人たちの、勢いといれこみを感じました。そこんところわ心動かされました。やっぱもいっかいみらな。 【小星】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-03-31 04:32:00) |
9.書物に残される歴史を鵜呑みにしがちな我々だが、本質というものは“その場に居合わせた者のみ知る”ということでしょう。特にこの時代は写真や映像も残ってないのですから。井伊家の連中にしても、千々岩求女の本心(本質)は分かっていなかった。つまり、自分のことは分かっていても他人のことには無関心なのが人間である。 争いのない泰平の世。皮肉なことに武士(侍)たちはその職を失い、戦乱の時代より比べ物にならないほど苦しい日々を送ることになった。果たして争いの無いことだけが幸せな世の中と言えるのだろうか? 確かに今の日本は“比較的”裕福であり、戦争という物の危機感も無く、食うことにも困らない。しかし、それは“比較論”であり、苦渋の生活を強いられている人もいるのです(現代ではバブルの影響もあったでしょう)。この作品で語られる物語は、戦後間もない時代のバランスを欠いた生活土壌が舞台である。世の移り変わりの際には、こうした理不尽な理由で転落の立場に置かれてしまう人達が置き土産とされてしまう。それは今も昔も同じではないだろうか? |
8.冒頭の若浪士の切腹までは淡々と展開するが、仲代達也扮する主人公がかの若浪士を「いささか拙者の存じよりのものでな」とひときわ据わった声で語り始めるところから、物語の展開がガラッと変わる。そこからは一気に引き込まれた。回想シーンで語られる主人公の主家没落から家族がたどる悲哀の末路には、本当に心が痛む。歴史の影にはこうした悲劇はおそらく無数にあったのだろう。今でこそ努力次第でチャンスはいくらでも開けるが、当時は身分や階層という絶対に乗り越えられない壁が厳然とあったのだ。それゆえに主人公が「所詮うわべだけ」と語る武士の誇りの空しさが一層心に響く。「切腹」という世界的にも特異な作法をキーワードに、本作はその武士の空しさを存分に描いている。若浪士が家族のために自分の差料を竹に代えていたことを知った主人公が、自らこれだけは、と手放さずにいた刀を放り出し「こんなもののために・・」と絶句するシーンが圧倒的に胸に迫る。それにしても、どの役者も腹の据わった力のある台詞まわしで、圧倒された。今の役者に、いや今の時代にない力を感じる。見終わって、いい時代に生れて本当に良かったと思う反面、人間としての強さとは、と考えてしまった。 【田吾作】さん 9点(2004-10-10 12:09:07) (良:1票) |
7.シナリオも素晴らしいが何よりも仲代達矢の眼に魅了された。上辺だけの侍ではなく「心」の侍を演じていた仲代達矢は素晴らしいの一言に尽きる。 【ゆきむら】さん 9点(2004-07-03 14:21:08) |
6.仲代達矢の全身を使った立ち回りがうそ臭くてかっこいい。竹光で切腹のシーンはうわ!っとなった。丹波ひでぇ~。存分に引き回されいって・・・。引けねーよって感じ。仲代達矢の熱演、先が読めない展開など素晴らしいでした。 【バカ王子】さん 9点(2004-05-19 01:02:59) |