16.普通じゃないヤクザ映画。その映画技法に関しては詳しい人が書いてくれているだろうから省くけど、まさにたけしにしか作れないヤクザ映画であり、そのオリジナリティがとにかく凄い。 映画はまず組同士の抗争や身内同士の争いを描いていてそこではもう一触即発状態。ピンと緊張の糸が張り詰めて、もう弾ける寸前・・・という所で沖縄の海へ行き、違う方(花火や落とし穴やフリスビーや舞踊)へ爆発させるという展開が意外で面白い。 動と静、生と死、暴力と笑い、その対比が絶妙なバランスで成り立っている傑作。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 9点(2017-07-12 19:08:40) |
15.「静かな海」を見た後、これを見て確信。 たけしは天才。漫才は余技。本業は監督。 追記 ある日突然、何の脈絡もなく見たくてしょうがなくなる映画。 不思議な魅力のある映画。これは後年気がついた事。 DVDを借りて見たときには気が付かなかった。 なので、点数を数年ぶりに引き上げます。 更に後日の追記 シナリオは平凡、登場人物の演技は素人、カメラワークはおぼつかない。 にもかかわらず、「どうにもやるせない、陰鬱な気分」という、 演技や道具では表現できない「モノ」がきっちりと表現されている。 そしてそれがこの映画の存在価値。 たけしが映画監督として突き抜けてるのはこういう感性を持っっているからなんだろうと改めて思った。 後日作られた別の映画では格段に撮影監督としての腕は上がってるんだけど、 この映画で表現されているような、キラリと光る独特の個性が、見受けられなくなっていた。 その意味でも、この映画はマジで貴重だと思う。 【ひであき】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2011-07-09 20:38:06) |
14. 小学生だった頃、怖かった。ちっとも暑そうに見えない夏。入ることを拒むような海。のっぺりとした青空。平坦な風景。生気の感じられない登場人物。マイナーコードの旋律。作品自体が墓標であるかのように思えて怖かった。 十年以上経った今、むしろ落ち着いて鑑賞することができるのは、たぶん様々なことを諦め、自らの墓標の形もおおよそ分かってきたからであって、それはたぶん悲しいことなのだろう。 【小塚】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-29 00:00:58) |
13.自分の好きな世界を、好きなように撮っていいといわれれば、宮崎は「紅の豚」を、たけしは、「ソナチネ」を撮る、、、そんな印象でした。二人の違いがくっきり浮かびますね。、、、、、個人的なことですが、私も7,8年前までは、花火の撃ち合いや、落とし穴や、紙相撲やら、キャンプに出かけては、やったものです。、、、、、ただ、違っていたのは、私たちが拳銃を持っていなかったこと、そして私たちが一番好きだった焚き火がこの映画ではでてこないこと、、、、、、そして一番の違いは、この映画での遊びが、いつ襲ってくるかも分からない死とのコントラスト、緊張感を常に意識させる形で行われていることです。(私たちも、川でおぼれそうな奴がでたり、帰り道に車を大破させたり、結構、死と隣り合わせでしたが、あんまり意識していなかったような、、、)、、、、、ところで、私がこの映画で一番気に入っているのは、人と人との家族的で私的な親密さが一切排除されていることです。例えばブッシュが選挙演説で「ローラには一目惚れだったんだ、えへへ」というように、家族的で、ねっとりした親密さがあらゆる社会関係を制圧しつつある昨今、この映画は、そうした親密なとは異なる原理を鮮やかに提示しているように思えるからです。その際、そうした親密さはアメリカ文化の一つの重要な特徴だと考えられます。、、、、だから、この映画は根底的原理において、反ハリウッドの映画だと私は理解しています。最後のシーンなど、ラストサムライの最後と較べてみるとはっきりしていますよね。、、、、、そうした観点からいうとこの映画の「幸」という存在は、それが存在することでコントラストが鮮明になる一方で、映画の中に家族的親密さを持ち込む危険を孕んでいます。、、、、、その後のたけし映画は、家族的親密さに対するドンキホーテ的挑戦の過程だったなんて解釈も成り立つかもしれません。 【王の七つの森】さん 9点(2004-11-16 10:07:02) |
12.何かものすごく特別なことが起こっているわけではないのに、観客を惹きつけ続ける要素が全編にまんべんなくちりばめられていて面白かった。あと、北野監督の「バカへの愛」の描写が楽しい。ヤクザって言ったって、移動するにはみんなでマイクロバスのって、アイス食べたり、ラムネ飲んだり、しょうもない会話をしたりする。 【クリロ】さん 9点(2004-01-13 23:19:48) |
11.北野映画で最も北野映画らしい映画。緊張と緩和、生と死、陰と陽、光と影、これら対を成すものがうまく描かれている。光の消えた部屋でマシンガンを連射、HANABIのように浮かび上がる一室の中ではじける命、このシーンは名シーンだと思います。ただストーリーの本筋が正直つまらない。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2003-11-08 13:57:08) |
10.男の友情っていうものに弱くてついつい9点です。途中真っ暗なとこから車が出てくるところが火曜サスペンスみたいだったのと、音楽が時代が過ぎてださく聞こえたのがちょっとと思いました。武の映画の極端な暴力性とほのぼのとした心の通い合いは正反対にみえて、実際は人間の原点のように感じます。 【ぼー】さん 9点(2003-06-29 00:05:12) |
9.北野武監督作の中で秀逸の作品!!淡々としたストーリー、緊張と緩和のバランスの絶妙さ!撃たれて死ぬ人時も大袈裟な倒れ方はせずに、無機質な物体となってドサッと崩れる…。余計な説明台詞は一切無く、贅肉を削ぎ落とされた脚本。なんといってもたけしのあの「テレ笑い口調」がいい!出来れば変に芸術路線に走らず、このテンションで作品を産み続けて欲しいものです…浜辺での花火合戦での「..誰か拳銃撃ってないか?」には爆笑しました。 【ひろすぃ】さん 9点(2003-06-21 23:50:06) |
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8.初めてみたたけし作品。音楽と映像がマッチしていた。なんだか切なくなった。たけし作品の中で一番好き。 【うさぽん☆】さん 9点(2003-05-28 00:17:25) (良:1票) |
7.ラスト、マシンガンの発砲による光が、黒塗りの車の屋根に反射してるシーン、最高です。 【LED】さん 9点(2003-05-15 22:21:21) (良:2票) |
6.個人的、北野映画の最高傑作と思います。もう本作の雰囲気が大好きとしかいいようがないです。公開時、興行的には制作費の10分の1ぐらいしか回収できなかったらしいです。でもお客が入らなかったのもこの内容じゃあよく分かるような・・ 【まりん】さん 9点(2003-02-19 19:39:12) |
5.不思議な空気が漂う映画。沖縄の海とヤクザ、このミスマッチもいい。この映画は、世界中で日本人が一番観ていないとか・・・残念です。 【クロマス】さん 9点(2003-01-26 15:01:28) |
4.今になって初めてこの作品を観ましたが、こんなに透明感があって美しいバイオレンス作品を私は他に知りません。なぜこのような作品がマイナーなのかと思いました。 【みつを】さん 9点(2002-12-25 13:04:50) |
3.南国のぎらぎらした原色と、まるで生き物すべてが死に絶えたかのような静けさをたたえる紺碧の海と空。そして、狂気と暴力と鮮血。この凄絶なコントラストに圧倒されました・・・なんという美しさ。 【ネジマキ】さん 9点(2002-12-22 00:04:53) |
2.僕もこれが北野映画でベストだとおもいます。傑作ですね。すごく画が綺麗です、なんとも爽やかだけど心なしか寂しげでゆらゆらと不安が漂う感じを受けました。暴力シーンも見事に綺麗であっけなく死ぬ人々が虚無感をつつきます。何度も見ましたが唸らされます。 【しゃぶ】さん 9点(2002-11-13 23:41:04) |
1.静と動、テンションとリラックスをわかり易く描いた作品。うまく拮抗していて、見た後に投薬されたように気がほぐれる。「HANA-BI」と双璧です。「BROTHER」のあと北野バイオレンスはもういいかなと思っていましたけど、また作っていただきたくなってきた。 【チューン】さん [映画館(字幕)] 9点(2002-11-13 10:29:10) |