7.色彩に溢れ、光に溢れ、同時にそれを全て覆うほどの、絶対的な影と闇が支配していた。圧倒的に詩的でリリカル。その映像はとても饒舌多弁で、同時に黙然としている。降り注ぐ光を侵食する、絶対的な闇。これを30歳で撮ったタルコフスキーの才能には驚嘆。 【ひのと】さん 9点(2004-08-14 14:07:52) |
6.イワンの演技に震えがきました。特に、彼の眼は、暗く、冷たく、痛いほどの輝きを持っていますね。頬のコケ具合や痩せた体がその眼を際立たせていて、存在感が画面から直に伝わってきます。スクリーンいっぱいに顔アップを持ってきても、決して負けないだけの力がその表情にあります。映画の主役をこの年齢で完全にはっているということに、脱帽するよりほかありません。終始後方に光る信号弾。銃声。河という境界を目の前に置くことで、緊張感を最大までに高めているところなど、その設定の見事さにも驚かされます。戦争映画としては、どこに出しても文句のでないほどの秀作だと思われます。 【fero】さん 9点(2003-12-27 23:44:17) |
5.イワンの幸福だった過去の表情と現在の復讐に燃える表情との対比が全てを物語っている。また、水の使い分けがすばらしい。幸せを祝福する意味で水を使う一方、ドイツとロシアを隔てる川は緊張感を持っていて、その後の不幸を予感させている。この映画を観て、戦争の残虐さを感じることはもちろん、さらに本質的な時間の厳しさというものがヒシヒシと伝わっってくる秀作である。 【たましろ】さん 9点(2003-11-21 22:39:47) (良:1票) |
4.水、火、風、土(草木)という、いかにもタルコフスキーらしいい「物質的想像力」が、この長篇処女作ではやくも全開。物語はいかにも当時のソ連風教条主義的プロパガンダなんだけど(ナチスに母を殺された少年と、赤軍兵士の友情。ああ、ナチス憎し、ソビエト赤軍万歳!…)、そういうストーリーとは裏腹に、タルコフスキーが本当に撮りたいものをしか撮らないという決意が画面から伝わってくる。よくぞやったと思うと同時に、これじゃ当局からにらまれるのも無理はないよなあ…と。とにかく、まだ随分とナイーヴでみずみずしいこの天才の、愛すべき1本。 【やましんの巻】さん 9点(2003-09-25 13:45:01) |
3.タルコフスキーの長編第一作。彼の作品にしては珍しく、子供を通じて戦争の悲惨さをストレートに訴えている。後の傑作に見られる映像美はすでに確立されている。タルコフスキー作品中、一番取っつきやすいかもしれない。 【ゆたKING】さん 9点(2003-02-09 10:18:40) |
2.痛ましい。すごくかわいそう。モノクロだが情景描写が美しい。夢想シーンと戦場の現実のコントラストがたまらないというかグサッと胸に突き刺さる。 【Haley】さん 9点(2002-03-17 10:53:47) |
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