3.アステアとロジャースのコンビがいて、気のいい相棒がいて、ライバルがいて、三角関係(あるいは四角関係)があって、もちろん華麗なダンスがある。もう最高ですね。ウチの子供たちもアステアのダンス映画はお好きなようで、私が観てると横に来て見入ってますが、ジャッキーチェンのアクションを楽しむように、アステアのダンスを楽しんでるみたいですね。ストーリーは例によって他愛無いと言えば他愛ないのですが、アステアがロジャースと組んで、まずヘタクソなダンスを見せたと思えば次には華麗に踊って見せたり、あるいは奪われかけたバンドを賭けで取戻したかと思えば、また賭けですべてを奪われたり。あるいは反復される、ズボンの折返しネタ。こういう、振り子が振れるような行き来をストーリーに織り込み、おどけて見せながら、クライマックスでは主演ふたりが誰もいないホールでダンスを繰り広げ、カメラも素晴らしいクレーン撮影でこれを追いかけるのが、まさに圧巻。楽しさに満ち溢れた作品です。