28.ドイツ側につくトルコに対しアラビアを支援した英国将校T.E.ロレンスの砂漠の世界。 金髪碧眼に白衣のロレンス(ピーター・オトゥール)と夜の色の髪と目、黒装束のアリ(オマー・シャリフ)の組み合わせの妙。 精悍で芯のあるアリは時に不安定なロレンスを支える影のようでもある。 脇もアンソニー・クイン、アレック・ギネス、クロード・レインズらで固められるが、主役はやはりどこまでも広がる砂漠か、茫々として美しく、蒼穹が映え朱の落日を包む。 ストーリー以上に映像表現に力がある前半は特に魅力。 風に舞い砂紋を刻む砂獏は有史以前から在り、地平線の彼方から現れるアリは芥子粒のようだ。 人間の野望や思惑などはその中にあっては何と矮小なものか。 エキストラを使った大規模な戦闘シーンも動物の縄張争いと変わらぬ気がする。 歴史上の英雄は侵略者でもあり、ガシムを救うため「運命などない」(NOTHING IS WRITTEN)と叫んだ彼が歴史に書き込んだものは、彼が真に望んだものであったのか。 そのガシムも自らの手にかけねばならぬアイロニー。 目に見えぬ力に翻弄される彼への思い入れを拒絶するかのような監督デヴィッド・リーンの冷徹。 志半ばで燃え尽きたかのようなロレンスに観客も長旅を終えた気になる。 来年は製作50周年を迎え、共に30才であったオトゥールとシャリフも齢(よわい)80となる。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-20 07:00:00) |
27.壮大な世界に冒頭から圧倒される。CGでは絶対に表現できない。「映画を観る」ということに価値を見出せる一本。 【わさび】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-08-21 09:34:19) |
26.今作が放つ、 【 開始30分における、空前絶後のパワー 】 と、【 ヒーローが狂い腐っていく、負のパワー 】 この相反する2つの力に、ボクは完璧に捻じ伏せられていきました。 そしてこの強固な 「二面性」 こそが、制作後40年を経た現在においても、名作として鑑賞され続ける今作の 「レゾンディーテル (存在理由)」 であったと悟りました。 完成版はこちらまで ネタバレ注意 → http://ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-72.html 【マーク・レスター】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-17 20:47:20) (良:2票) |
25.前半の輝いているロレンスと、後半の弱さをあらわにしたロレンスの対比が面白い。一人の人間がこうも変化するとは、いかにも人間らしい。そういう意味で、単なるヒーローものなんかとは全然違う深みがある。かなり時間が長いけれど、この話を2時間ちょいでまとめるとしたら中途半端なものにしかならないだろう。単なる歴史ものだとは思って欲しくない、オススメの一本。 【おまいつ】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-11-04 17:10:30) (良:1票) |
24.劇場でリバイバル上映を1本だけしてくれる、そんな夢がかなうならこのアラビアのロレンスか2001年宇宙の旅かな・・・ それくらい劇場で見たくなる砂漠の迫力ですね。ロレンスの挫折、虚栄心、英雄的な部分を過不足無く描いててドラマとしても素晴らしい作品だと思います。 【AIRS】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-01-28 04:18:39) |
23.今更いうことじゃないけど、これぞまさに超大作。とにかく長いが、それでも全然気にならない(完全版でもそれは同じ)。とにかく砂漠をここまで描ききった映画はないでしょう。地平線いっぱいに広がるテント、顔も服も真っ白になってしまうぐらいの砂嵐、観ているこっちまで汗をかいてしまうような灼熱の太陽、どれをとってもため息が出るぐらいにすごい。『スターウォーズ・エピソード1』にも砂漠のシーンがありますが、全然迫力が違いますね。印象的な「絵」が多い映画ですが、特に好きなのはマッチの火が砂漠の夜明けに変わるシーン。『2001年宇宙の旅』における、骨が核衛星に変わるシーンなみの凄さがあります。 【とかげ12号】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-22 21:28:51) |
22.前半の穏やかな青空と砂漠の美しさと、後半の砂埃に覆われた砂漠の光景が、人々の変化を表しているように思えました。 【デコバン】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-09 14:44:49) |
21.インターミッションを挟んで2日に渡って鑑賞しました。とりあえずこの映画を観終えた直後の率直な感想は「長い!!」に尽きます。でも後々、この映画をよく振り返ってみるとやはりこの映画が名作と称えられる要素がたくさん伺えます。まず砂漠の美しくもあり、恐ろしくもある自然描写の圧倒的な描写力に1番感動しました(特にDVDで観てみればよく分かります)このような凄い描写はCGや特撮に頼り気味の今時の映画で描き出すことはまず不可能でしょう。キャスト面でも出演者全員がしっかりとした演技力で違和感のある人が誰1人居なかった。やはり特筆すべきは主役のピーター・オトゥール。彼の演技はロレンスの喜怒哀楽を見事に表現していて、鑑賞中はひたすら驚かされました。アカバの進攻シーンや鉄道爆破など1度観たら心に深く残るシーンも多く、これらの要素を全て踏まえるとこの上映時間も十分に納得です。今の時代ではなかなか観ることが出来ない「生」の迫力に徹したこの映画を観ることが出来た事は本当に嬉しく思います。 |
20.「風と共に去りぬ」と「アラビアのロレンス」 僕の中では古い映画の2大巨頭みたいになっているのですが、やはり僕の感性とは違います。 ただ、面白いし、素晴らしいのは分かる。個人的には「アラビアのロレンス」の方が好きかな。 【やぶ】さん 9点(2004-10-10 23:35:55) |
19.広大な砂漠にあの有名な音楽、そして「砂漠は清潔」というロレンスの言葉、すべてが鳥肌モノだった。 【ゆきむら】さん 9点(2004-09-16 15:37:24) |
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18.撮影には大変な苦労をしたでしょうね。膨大な金と時間とエネルギーが 費やされた作品であることは素人の私でも分かりました。 アリ首長が 男らしくてカッコよかったです。女性はたぶん、ロレンス派が 多いとは思いますが(笑)。 【しまうまん】さん 9点(2004-06-12 00:02:49) |
17.圧倒的な映像は後世に残るべき美しさだと思う。ロレンスの描写については実在の人物というだけあって、ただの判官びいきにたよった英雄として描くのではなく、人間として生きていく仮定での様々な懊悩が差し込まれていて見ごたえがある。ピーター・オトゥール、アンソニー・クインの演技も見事だが、特に目を引いたのはオマー・シャリフ演ずるアリの潔さだ。砂漠の主のように現れ、神がかったロレンスに次第に惹かれていく。そして再び失望のうちに砂漠に戻っていく・・・。話が進むにつれて、我々も彼に対して愛情を持つようになる。名誉と物欲一筋のアウダと、ナルチシズムに酔うロレンスとの間にあって、実質上彼らの統率を取っていたのは彼である。最後にこの機軸が崩れ去るときのシーンは、哀愁がにじみ出るようで、忘れられない。 【神谷玄次郎】さん 9点(2004-02-28 21:14:28) |
16.映画館でこそとは思うが、充分面白い。 最初長く感じるが、乗り越えれば引き込まれる。 (ビデオ) 【zero828】さん 9点(2004-02-22 00:11:52) |
15.父親が最高の作品だと言っていたので見たが、なるほどなという感じだった。個人的には前半のアカバ攻略までが好き。点数は父親の10点、僕の8点の間をとって9点。 【ボーリック】さん 9点(2003-12-09 01:35:21) |
14.映画は娯楽だと思う。難解なストーリーや意味ありげなショット。そんなもの大嫌い。だけど、そんなものなくても映画は芸術になりえると、この映画を観て思った。 【こわだりのインテリア】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2003-06-14 23:49:25) |
13.あのスピルバーグに「奇跡的映画」言わしめた超大作。デビッド・リーンということあって、壮大な砂漠の映像美とスケールのでかさにはまさに圧巻!!もし巨大スクリーンで見たら、なんてすばらしいことだろう。男と男の映画。間違いなくデビッド・リーンの最高傑作でしょう! 【さっくー】さん 9点(2003-06-06 12:46:47) |
12.映画を見ながら「指輪物語」を思い出しました。どちらにも感動したけれど、「指輪~」は童話、本作は想像上ではない(?)ドラマだと思いました。本作はCG技術がなかった古き良き時代の映画であり、音楽も魅力的でした。その点で「指輪~」より好きな作品となりました。 【toto】さん 9点(2003-04-30 23:13:10) |
11. 大雑把で荒いともいえる演出。ロレンス像も観念的で史実ともかなりちがっている。でもすばらし映像。すばらしい俳優陣。そしてなにより映画としてのパワー。欠点があってもずっと心に残って離れないのはこのパワーがあるからだ。そしてものすごく官能的。あのゾクゾクするマゾヒズム。やっぱりリーンはイイ! 【コウ】さん 9点(2003-02-23 00:43:35) |
10.雄大な砂漠のシーンは大スクリーンで見ないと本当のすごさは分からないでしょう。リーン監督が現地ロケで描く映像は、砂漠の熱気や広大さを伝えて圧倒的な迫力がある。昔リバイバルで見られたのは幸いだった。アラブの白い装束のロレンスがアラブ軍団を従えて進撃するシーンなど素晴らしい。この話は第一次大戦のアラビアが舞台だが、その背景にはイギリスとトルコのアラブ支配(石油)をめぐる戦いがある。ロレンスはもともと考古学者で、中近東の事情に明るいことからイギリス軍将校として活躍することになる。しかしロレンスは次第にアラブ民族のために統一を図ろうとするが、アラブは部族対立でまとまらず彼の努力は実らなかった。ロレンスは実在の人物なので、この地域の歴史的背景、石油をめぐる他国の思惑など、興味ぶかいところもある。オトゥールはじめアラブ側のオマー・シャリフ、アンソニー・クインなど男ばかりの個性的な面々も印象的だった。 【キリコ】さん 9点(2003-02-06 15:56:01) |
9.よくできてますよね。CGなんかまだない圧倒的進撃シーン。女気ゼロの男のドラマですね。ちょっと同性愛はいりかけな気がしないでもないけど。活躍ぶりを見た後だと余計に冒頭とラストの物悲しさに、人生を考えさせられます。 |