3.私的に1・2を争う傑作。
もう皆様が書かれているのですが、成瀬真骨頂といえる題材、動いてなさそうでアクション映画より動いているかのようなカットの素晴らしさ(本当に素晴らしい編集ばかり!!!)。
監督の遊び心かのようなシーンが好きで、川島雄三に小沢昭一が居るように、成瀬巳喜男には中北千枝子が居る。三浦光子と高峰秀子が談笑している軒の外に、赤ん坊をおんぶし、軒を行ったり来たりしている中北千枝子が小さく写っています。寅さんの登場シーンのようで笑ってしまいましたし、中北千枝子の家から帰る高峰・三浦の二人が橋の上で会話するのだが、その後方にある家の二階の窓からしっかり中北千枝子が覗き見していた。
その他にも、今では貴重である銀座の「柳」も観れますし、コミカルなカットから深刻なシーンにおいても様々な技を堪能できる作品でもあります。