26.チャップリンといえば、お馴染みの出で立ちでのサイレント映画、といった印象がやはり強いですが、この映画では宝石のようなセリフの数々に圧倒されました。この映画ほど、名言に溢れた映画を私は知りません。サイレントにこだわり続けた彼が、このようなトーキーの傑作を作ってくれたことに、心から感謝したいと思います。 【川本知佳】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-07-28 00:34:44) |
25.一見すると、非常にベーシックな感動系映画に思えるこの作品。実はこの手の映画としては異端児的な作品なんです。何が異端児か? 世の大半の感動系映画を思い浮かべてください。ほとんどの映画には「悪人」が出てきます。でもこの映画には出てきません。この違いは何か。実はハリウッド映画の大半は「悪とは自分の外に存在するものだ。君が不幸でいる時、それは社会の責任なんだ。ほら、目の前に悪い奴がいるだろう。そうそう、こいつの責任なんだ。うんうん、君は悪くないんだよ。被害者なんだよ」とする点では概ね一致するからです。それがライムライトという名のこの異端児は「悪とは自分の内に存在するものだ。君が不幸でいる時、それは君自身の弱さが問題なんだ。悪いのは君だ」と、ハリウッド映画界に喧嘩を売る様なとんでもない主張をします。この映画をおとなしい優等生映画だなんて思ったらとんでもない、これは天下の大ハリウッド様を著しく不機嫌にさせる不届き千万な映画なんです。「甘えるな!自分の運命は自分で切り開け!」このテーマをより効果的に伝える為にこそチャップリンは悪人を出さなかったんです。例えば、テリーを「パッシーーン!」と引っ叩くあのシーン。普通のハリウッド映画ならば大の大人が(まして主人公が)イタイケな少女を引っ叩くなどありえない。なぜありえないか?そういう作りになってるからです。通常の映画ならばあそこにいくまでの展開で「少女には借金取りだの関係を迫るオーナーだのといった悪い奴が日々付き纏い、同情の余地が十分にある」という話にしているからです。それでは引っ叩けない。もし引っ叩いたら「ちょ、ちょっとチャップリンさん、あーた何もそこまでせんでもええやねん…」という空気になってしまうでしょう。でも異端児ライムライトは違います。天才チャップリンの巧みな構成術によって「少女には一応同情の余地はあるんだが、なんとかがんばって欲しい」という絶妙の展開で進んできたからこそ、あそこでの「パッシーーン!」が生きてくる、とこういうわけなんです。この作品がいかにも世の左翼系の映画評論家が好きそうな話でありながら、チャップリン映画全体の中では今ひとつパッとしない(一応は褒めるんですが)評価でいるのは「いつもみたいに「悪いのは社会の責任だ」と言ってほしい」という彼らの願望を完全に満足させてくれないからではないでしょうか。 【バーグマンの瞳】さん [地上波(字幕)] 9点(2013-11-24 17:18:59) |
24.これはね是非とも他のチャップリン作品を観てから観て欲しい。 一度でも、人生の素晴らしい瞬間やどうしようもない挫折を経験してから見て欲しい。 俺みたいな若輩が言っても説得力ないですけどね。すごく心動くものがあると思うのです。 【虎尾】さん 9点(2004-10-03 23:41:14) |
23.何本か見て、チャップリンのコメディは肌に合わないと思っています。が、コメディではなく「コメディを題材にした」本作品は芸能者の喜びと悲哀とがこれでもかとばかりににじみ出ており、それを演じるのが他ならぬ老年に差しかかったコメディアン・チャップリンその人ということで大変な説得力があります。およそ芸で身を立てようという人は、見ておくべきでしょう。そして脚本から音楽、振り付けにいたるまで全て自分でこなした彼の驚嘆すべき才能に+1点献上いたします。 【虚学図書之介】さん 9点(2004-07-13 13:24:02) |
22.チャップリンが話すセリフ、一言一言が重く、素晴らしくて心に染みました。そして、切ないストーリーの中に希望や夢が詰まっていました。この映画を観た人の感想を見ると、ただ“面白かった”や“感動した”だけじゃなくて、“この映画に出会えて良かった”という想いがみなさんの文章に書かれている気がします。自分もこの映画に出会えて本当によかったです。素晴らしい。 【ボビー】さん 9点(2004-05-30 21:12:22) |
【太郎】さん 9点(2004-05-20 18:25:47) |
20.チャップリン映画でおそらく最初に見た作品。チャップリンの長編はあまり好きでない私ですがコレだけは別格です。他の作品に比べて格段に完成度が高い。そして圧巻はチャップリン&キートンのコレでもかと言わんばかりの喜劇。例えるなら藤山寛美と花紀京が競演するようなもんです。とにかく凄いんです。ドラマについても他作品のは乗れない話が多いですがコレだけは見事です。音楽も文句ないです。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-03-13 21:17:05) |
19.すごく良い映画でした。セリフひとつひとつがすばらしかったです。白黒映画を初めて観ましたが十分に綺麗でした。悲しくも明るくもさせてくれるすばらしい映画でした。 【アンリ】さん 9点(2004-02-23 17:57:08) |
18.見たあとしばらく涙が出ました。「素晴らしい瞬間がたくさんある。どうしてその瞬間を生きないのだ」(でしたっけ?)などなど、疲れた自分がカルベロに介抱されたような気持ちになりましたです。こんなストレートでやさしい映画もあるんですね。 |
17. 映画を観てここまで泣いたのは初めて。一本の映画の中で2度泣いたのも初めて。 『素晴らしき哉、人生!』と「古今東西泣かせる映画ベスト1」を争う作品だが、まだ未見の人に是非とも助言したい。この作品を見るのは、それまでのチャップリンの作品をいくつか見て、チャップリンの人生について書かれた文章を軽くでも読んでからにしてほしい。そうすれば感動が何倍にもなるから。 この作品の醍醐味は、主役のカルベロとチャップリンとを重ね合わせて見ることにある。僕はチャップリンの作品を5~6見て伝記も少し読んでから今回の黄金町チャップリン映画祭に足を運んだのだが、作中カルベロが夢の中でヒロインとともにステージに上がって『虫に捧げる歌』を歌うというなんでもないシーンで泣いてしまった。「ラヴラヴラブラヴ……」とラヴを繰り返すだけなのだが、事前に見た『街の灯』のラストシーンや『独裁者』の演説シーンや『殺人狂時代』の有名な台詞が頭にあるので、カルベロ(=チャップリン)の口にする「ラヴ」という言葉に過剰に反応してしまったのだ。ただ「ラヴ」と言っただけで涙が出てくるのだから、ラストシーンなどもう口の中に涙がだくだくと流れ込んできてしょっぱくてかなわない。このときの胸が詰まるほどの感動を他の人にも味わってほしいので、事前の予習を強く薦める。 感動作品だからといって映画として優れているとは限らない。本作品も大まかなストーリーは典型的なお涙頂戴型で、有名なテーマソングもまた然り。昔のチャップリンが持っていた映像やアクションに対する異常な情熱は、本作品ではカルベロが口にする台詞に注がれている。やたらと説教臭い台詞は、全てチャップリンの人生観。人によっては押し付けがましく感じるだろう。サイレント期の作品に見られる、「どうやって映像だけで観客に伝えるか」という豊富なアイデアは、全くと言っていいほど見られない(バレエシーンやコメディ劇シーンは別枠で扱うべき)。チャップリンも衰えたのか……と哀しくなるが、だからこそカルベロとチャップリンとを重ね合わせてみたときの涙が光るというものか。 【藤村】さん 9点(2004-02-12 23:02:11) (良:3票) |
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16.今までのチャップリン作品とは違った趣向の作品でチャップリンの落ち着いた演技が印象に残る。とても有名になった音楽も効果的。 【カイザー・ソゼ】さん 9点(2004-01-20 22:25:06) |
15.この映画を見たのはまだ小学生時代でしたが、その美しさ、そしてその悲しさは今も具体的な映像のイメージを伴って脳裏に焼き付いています。当時チャップリン映画を立て続けに見ていた私にとって、これはとても淋しい映画でした。チャップリンが自分に幕引きをして次の、これからの世代にバトンを渡すような印象がしてしまって(実際には幕引きはもっともっと後だったんですけれど)。人生を積み重ねた者の言葉の重みが、ここにはあります。それに比べて結構いいトシしながら私の言葉はカルいですけどね。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-01-18 21:01:26) (良:1票)(笑:1票) |
14.初見は2003年、今は2014年、 時は十年経過し、二度目の観賞。 『クララが立った』とか『笑える場面が見い出せなかった』だとか、以前に書いてた愚かなレビューは怒りの削除。 なんでこんなに素晴らしい悲哀に満ちた愛の物語を軽く受け流していたのか、改めて見直してみて気付くこと出来ました。ライムライトの良さを 無償の真実愛を チャップの人生に重ね合わせて思えてしまうこの切ないメロディーを。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2004-01-07 23:16:57) (良:1票) |
13.つねひごろ「人生に必要なのは、打ち出の小槌と、アラジンの魔法のランプと、少しばかりのドラえもんのポケット」などとちゃらけている私にとって、真面目に行く末来し方を考える時間を与えてくれる貴重な一本。私事で恐縮だが、祖父母、両親とも最期は病院だったので、これは最高にハッピーエンドな映画だと心から思う。 |
12.人生の落日を淡々と演じるチャップリンに感動します。かつてどれだけ名声があっても、やがて忘れ去られていくのは寂しくもあり悲しくもあります。文字通り命を懸けた彼の舞台に涙を禁じ得ません。優しくももの悲しいメロディが心に響きます。「独裁者」とともにチャップリンの傑作です。 【オオカミ】さん 9点(2003-11-19 21:05:48) |
11.以前観た時はまだチャップリンという人物を知らなくてそれほどでもなかったのですが、いや~今回は泣いた泣いた。チャーリーの言葉の一つ一つが心に沁みます、いつまでも噛み締めていたい。映画人にとって彼を失った損失は計り知れないほど大きいでしょう。 【かんたーた】さん 9点(2003-09-05 18:45:08) |
10.チャップリン映画2作目でした~~「キッド」の後ですが~「ライムライト」内容&音楽最高!良かったですね~*現代に生きる人々にも通じる人生観がちりばめられてますね~*チャップリン独特の衣装がないのが残念でした~!次は「街の灯」観ます~~ホホ 【ueko・f★】さん 9点(2003-07-20 22:08:31) |
9. japanese tree.松。だったかな。最後。号泣。是非見るべし。 【蝉丸】さん 9点(2003-06-25 22:01:04) |
8.小生が今まで観た映画の中でも、最も感動を覚え心に残った作品のひとつである。ストーリーはあまりにも切なく、ラストは思わず泣けてしまう程に哀しいのだが、けれども、観終わった後に希望と勇気を残してくれる作品でもある。・・・絶望に沈む若い踊り子を立ち直らせ、自身はかつての栄光を取り戻そうとする、あたかもチャップリン自身を重ね合わせたかのごとき、カルヴェロという初老の道化師。その人生の悲哀が巧みに描きだされている点、本作はまさにチャップリン映画の集大成と言って差し障りあるまい。好みは種々あろうことは承知しているが、この作品だけは是非とも多くの方に観てもらいたいと思う。本作では実の息子が恋敵(?)役として出演し、さらに「喜劇王」キートンとのすごいコンビが劇中で実現したことなども、興味深い点である。それにしても主演であるばかりでなく、原作・脚本を書き、それで監督をもこなしてしまうのだ。齢60を過ぎてなお、何と才気煥発であったことかと今更ながらつくづく感銘を受ける。 |
【キャリオカ】さん 9点(2003-05-15 17:32:59) |